上海情報−生活全般関係

広州のバイクと上海のクルマ


 1月1日から、広東省の省都である広州市でバイクが禁止になった。

 は?と思われるかも知れないが、本当のこと。つまり、市民のバイク使用を禁止するということで、報道によれば、26万台のバイクが廃棄処分にされたそうだ。

環境保護シール
日本の車検証みたい
 一応、バイクの持ち主に対する「ある程度」の補償はされるらしいが、それにしても強引な話。さすが中国、これぞ中国、と言いたくなる。強盗事件や交通事故がその原因らしいが、それらを撲滅する手段をまともに考えもしないで、もう単純にバイクを禁止するという発想が信じられないよね。個人はまだいいとしても、バイクメーカーやバイク屋さんなんかどうするんだろう!?

 個人の財産に対する配慮なんか一切無しです。ここまで極端ではなくても、昨年、実は上海で同じような ことがあったことを思い出す。排ガス規制の関係で、1999年7月1日以前に登録された自動車は都心環状線の内側に入れなくなったのだ。しかも殆ど猶予期間もなく。上海市の自動車保有量96万台のうち、35万台がこの規制に引っ掛かるとのこと。

 古くても排ガス規制に適合させている車もあるだろうに、個別事情は一切加味せず、単に登録年だけで判断するという乱暴なやり方だった。しかも、99年以降に登録された車に乗っている人は、いつまでにどこどこまで「環境保護シール」を取りに来いときた。それをフロントガラスに貼ってないと、都心に入れないということだ。この場合、都心に住んでいる人で、古い車に乗っている人は、その車を買い換えなきゃ家から出られない、ということになってしまう(但し、7時〜20時以外の時間は可)。尚、中国側の報道では、「排気ガス第1段階規制値」に達していない車両の通行を規制する、などと偉そうに書くのみで、その実が単なる登録年による区別であることには触れてないのがいけすかない。

環境保護シールのない車は進入禁止
 これで市民から大ブーイングが出るのかと思いきや、特に大きな批判はなかった。よく調べてみると、99年以前に自家用車を買っている市民というのは多くなく、買っているのは殆どが政府や企業の公用車であること、更に企業は車を買うのではなく運転手付きでレンタルしていることも多いこと等により、市民運動的な盛り上がりには全く欠けていた。むしろ、車の買い換え需要を喚起し、経済活性化などと言い出す連中までいたぐらいだ。そりゃそうかも知れないが。

 さはさりながら、都心の高架道路を見回してみると、明らかにオンボロの自動車が引き続き走っているし、警官もそれを停めようとする素振りも全く見せない。異様に厳しいルールを作って、運用はいい加減、というのはこの国ではよくある話なので、今更驚くにも値しないが、自分がご丁寧に環境保護シールを貼っているだけに、少し腹が立つのも、これまた事実である。因みに、このシール、偽物が大量に出回ったらしい。これもまた中国らしいエピソードだ。



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