「垂直の夢」 SUGIZO&HRカオス公演 6月14,15日

バレー団HRカオスとLunaSeaのSUGIZOのコラボレーションです。
SUGIZOさんは、かなり前から、HRカオスが好きだ・・・自分の世界感に似ていると良く言ってらっしゃいました。
HRカオス、トップダンサーの白河直子さんのヌード集に、巻頭詩を書いてます。
この写真集は、男性の方の「お姐ちゃんの裸!」がお好きな方には、ハッ?だと思います。
写真自体が芸術的だし、非常に中性的な不思議な雰囲気の写真なのです。
で、巻頭のSUGIZOさんの「残酷な踊り」の詩があるから、そう感じたのかも知れませんが、
その写真にSUGIZOさんの雰囲気を非常に感じました。
ライブ中の雰囲気・・・なんだろう?似てる・・・その写真の世界が、似てるのかも・・・
そんなことを感じてから、数年経っております。

今回、コラボレーションと聞いて、当然音楽は担当するであろう・・・作品の曲は丸々作曲なさるだろうし、
共演と書いてあるのは、バレーの横で楽器を弾くのであろうと思っていました。
ハイ、それは両方ともその通りなのですが・・・その上に踊りました・・・
ノッケに舞台の高い階段の上にSUGIZOさんが立ち、大島さんらしい振り付けで、プロローグの踊りを・・・
あまり、動きは無くて、手のみでの動作なのですが、かえって難しいのでは・・・静な動き・・・とでも
言うのでしょうか、手を振るたびに、深い呼吸の音まで聞こえてきて、思わずこちらの背中も
伸びる思いでした。
体が柔らかいし、もう、スタイルは抜群です。
LunaSeaの時に、手のしなやかな動き、大きな所作、綺麗な歩き方にウットリしていました。
白河さんと絡むあたりは、ギターを抱えて、ギターを演奏しながらでしたが、その弾き方も、美しい。
白河さんが天井からのロープで宙を舞うのですが、SUGIZOさんを攻めるようにブーンと飛ぶ。
SUGIZOさんはそのたびに後ろにのけぞるのですが、これはそうとうな体の柔らかさを要求されてる。

HRカオスは女性のみのダンスグループです。
トップダンサーの白河さんと5人のダンサー、女性役と男性役が居ます。
白河さんは男性役・・・で、前にも書きましたが、X初期のころのYOSHIKIに似てる。
顔の感じも、輪郭とか似てますし、金髪振り乱してる姿はダブります。
動きも、あの当時のドームの端から端まで、バタバタ走っていた姿を彷彿させるものがあります。
ダンスのテクニックには凄いを通り越した、なんとも言えないパワーがあります。
階段の上から転がり落ちる・・・トンボを切る・・・ロープにつながれての空中浮遊ダンス
とても、現実では無いような、不思議な空間に迷いこんだ感覚ですね。

そこに、SUGIZOさんが入っても違和感はありませんでした。
まったく、同じ雰囲気の存在感なのです。
写真集を見た時に、感じた同じ世界・・・は、当たっていたんだな〜と自分の予見に
改めて、感心してしまいました。

最後近くのクライマックスは、SUGIZOさんがロープにつながれて舞台の上へ上へと登って行きます。
銀色の、少しブルーっぽい布が彼の腰から舞台に山型に垂れてる。
十字架方のスタイルで上って行く姿は、神々しい趣きがありました。
で、中空でギターを弾きます。ビョ〜ンと唸らせた弾き方でした。
面白いことに、私らは最前列に居たのですが、始めに小さく音がなる。
例えばドの音だと小さくドがなった・・・と思ったらスピーカーからでかい音でドの音が唸る・・・
音の時間差なんでしょうか・・・ギターのことは良くわかりませんが・・・
中空のギタリストは、人生の高い波の頂上で、最高の演奏の後、死ぬ・・・死んでしまう。
その前に腰から長く引いた布を外して、舞台にフワリと落とします。
落ちると、舞台端から風が送り込まれて、布が波のようになります。
で、ゆっくりと死体は海の中へ・・・
舞台中央の奈落に沈みます。
このあたりが、何か、ことさら幻想的な感じです。
なんとも美しい情景に、我を忘れて見入ってしまいました。
ロープに吊り下げられてのギター演奏は、かなり難しいのではないでしょうか・・・
ふんばる足の置き所は無いのですから・・・
ギターを弾いてるSUGIZOさんからは、何かオーラのようなものが感じられました。
中空で、死体となって下がってるSUGIZOさんの背景に、舞台後ろの空間を2人、次は3人とカオスの方が空に登って行きます。
その感じは、なんだか恐ろしくもあり、闇に落ちる感じが非常に感じられました。
実際は、彼女たちは上ってるのですが、宙の1点にいるSUGIZOさんが、沈んで行くという感じなのです。

最後のクライマックスは白河さんが踊り、SUGIZOさんはヴァイオリンでした。
その、白河さんの白い姿は、なにもかも超越した天使のよう・・・浄化されて、光に向かって行く感じ。
妖精のような、天使のような不思議なカリスマの白河さん、みとれてしまいました。

今回は、2回見て正解でした。
1日目は最前列、次の日(楽)は4列目でした。
1度でしたら、SUGIZOさんばかりを眺めて、全体を見てない。
白河さんを見ようとすると、ロンパリになりそうで・・・
2日目に全体としてゆっくり観られて、いかにSUGIZOさんがここに融合しているかを改めて感じました。
うん、サイッコ〜!!でした。
1列目の時は、後ろから「SUGIZO〜!」の喚声に、思わず、私も叫んでしまいましたら、
SUGIZOさん不思議そうな表情で、こちらを見ました。
前列の方は、HRカオスで売った席ですし、私ら中年ですので、まさかSUGIZOスレーブとは思わなかったみたい。
ハイ、オバサマSUGIスレも居りますのよ・・・。