「Happy Families」 スタジオライフ公演  2001年3月31日

まだ開通して間もない、地下鉄南北線の麻布十番駅に降りました。
ちょっと道に迷ったけれど、何とか行き着いた・・・途端に階段でこけて捻挫!
これは記念すべき公演ですな〜
オバハン,こけたんで、場内係りの若い新人俳優さんたちはオロオロしてました。
が、通るお客様がたはまったくの無表情で・・・同情しろとは言わないが、床に這いつくばって痛い!痛い!と
言ってるのに、「すみませ〜ん!」と邪魔扱いにするのってなんだろうか?
マッ、こっちがお間抜けですから、同情の余地無しってことですか・・・
こちらで、いつも思うことが一つ・・・それは、あまりにもフアンの方が静かと言う事です。
プレミアムナイトの時は、ロビーや楽屋口で俳優さんとおしゃべり&2ショット写真も撮れるんですが、
ロックの乗りで「キャ〜ッ!!」状態は私らくらいですな〜
ハッと気がつくと、無言の列・・・ひたすら自分の順番を待つ・・・バタバタ・・「××さん〜!サインしてくださ〜ぃ!」は
あんまり見かけませんですね〜イヤ、悪いって言うんでは無いです。
突き飛ばされるよか良いですよ〜

で、痛い足はソッとしておいて、お席に・・・
前に、この劇は見ています。
前の時と配役が違いますので、又期待が大きい。
こちらは同じ劇でも、再演ごとに個性があるので、単に、又見たよ〜ではありません。
同じ方が同じ役を再演されても、不思議に新鮮なのです。
今回は石飛幸治さんがスベトラーナを再演されただけで、他の配役は変わりました。
メリックは曾世海児さん・・・前の時は、少女サフロンでした。
サフロンの曾世さんは綺麗で、貴族的なお嬢様って感じでした。
今回サフロンは船見和利さん・・・こちらは、とにかく可愛い。表情が凄く良い俳優さんです。
お騒がせ坊やのトバイアスは前は笠原浩夫さんで、凄く感じは出ていたのですが、15歳設定にはでかかった。
180センチはある方ですので、それにどうしても二枚目さんなので、今回の深山洋考君の可愛らしさの方が
自然かな〜と思いましたが・・・こちらも、本当に愛くるしいお顔で、大熱演でした。

お話は複雑&悲劇なんです。凄く重いんですが、重さが負担にはならない・・・演出が淡々としてるんですね。
ホモで同棲している二人の男・・その片方には、別れた妻と二人の子供が居ます。
そんな、ロンドンの家にもう一人の男の姉が遊びに、カナダからやって来るところから始まります。
妻が急死したので、その日に、子供二人が来るのですが、その男の子は別れていた父親が大嫌い。
娘の方は、母親にも悪いところがあった・・・と思ってるんですが、息子は悪いことのすべては父親のせいだ・・・と
決め付けています。
ただでさえ、そんななのに、父親に自分は同居人と恋人関係なのだ・・・と告げられて、息子の怒りは頂点に・・・
で、家の中から、父親めがけて、クリケットの球を投げつけてしまいます。
殺意は無い・・・痛い思いをさせれば良いつもりでしかないのに、父親は病院に運ばれた後亡くなってしまうのです。

親子問題、ホモなんかの差別の問題、ナチスに荷担した者のトラウマ的な問題・・・と
入り組んでるんですが、根っこの部分では繋がってるな〜と思わせるお話です。
マンションの上の階には警官が住んでいて、こちらもホモさん。
恋人はブチキレタ男で、この倉本徹さんが実に面白かった。
警官役の藤原啓児さんは、いつもより退いた芝居・・・落ち着いていて渋い感じが良いですね。
父親役の高根研一さんは、長い台詞で、もう大熱演でした。
いつも、高根さんは個性の強い役がお似合いですね。

曾世さんは、本当に綺麗でノーブルな方なんですが、サラッと笑わせるのもお得意です。
真面目な顔で、結構3枚目な部分があります。
笑いも品がある笑いで、これでもか〜とやるのでは無い。あくまで、サラリが良いですね。
石飛さんは少し貫禄が・・・でも、スベトラーナは中年の女性なんで、かえって
貫録は良いのではないかな・・・本当にこの方の女役は絶品です。
少し怖い・・・かな〜ですが、そこが良いのです。

マッ、足捻挫はチョイ困りましたが、なかなか良かったんで、この日は厄日では無かったですね〜