「トーマの心臓」&「訪問者」  スタジオライフ公演  2000年12月15&20日、2001年1月3日

連鎖公演ということで、12月7日〜1月8日までの一月間に交互に2作を公演しています。
まだ、1月7日が残ってるんです・・・何度も見ますよ。
こちらは、96年ころに「ヴェニスに死す」を見たのが始めでした。
役者が全部男の子で、脚本家とかスタッフが女性という珍しい劇団です。
当然、女役がいます。歌舞伎っぽいんでは?とかオカマっぽいの?とか言われるムキもありますが、
見てご覧ってば〜ものすごく、上品なんだから〜
リンクのお部屋に「スタジオライフ」のバナーがありますから、そちらのHPを見て下さい。
写真でも、素敵なんだから・・・
演目は少しゴシック色が見え隠れするような、外国モンが多いです。
ウ〜ン、今のところ日本の時代劇とかは無いですね〜
ヴェニス以来・・トーマの心臓(前のぶん)、ドラキュラ死の泉黒いチューリップ・・・と見て来ました。
そう、桜の園も良かったなあ・・・チェーホフがこれほどまでに可笑しいなんて・・・と思ったっけ・・
ロマンティックで、耽美的で、それで貴族的な役者さんが揃っています。

で、トーマですが、これは萩尾望都さんの漫画が原作です。
トーマの心臓の外伝が訪問者です。
この漫画に私が出合ったのはかなり前です。20年くらい・・・になりますか・・・
読んでて嵌ったね。色々人間のこととか考えて泣いた覚えがあります。
こんな、良い本は無い・・・漫画なんてと言われても、これも座右の銘ですわ。
背景は寄宿舎・・ギムナジューム・・で、ドイツなので、中学高校が一緒なんですね。
その生活の中で、ある朝トーマと言う子が(14歳くらいかな)自殺してしまう。
そのことをめぐって、色々あるんだけど、トーマに似た転校生のエーリックが入ってくるんで、展開が
イヨイヨ変わって行く・・良い方に向かうんだけどね。
そのエーリック及川健さん&深山さん(交代です)、お二人とも大熱演です。
その、学校に居る、訳アリ生徒のオスカー・ライザーは、旅行していたんで、本当は1学年上なのね。
大人びてて、ちょっぴりワルの部分もあって、でも優しいのね、誰よりも・・・
その役は前回も演じた笠原さんが、当たり役で再演です。
もう、漫画の感じそのものなんですね。背の高いスタジオライフのチョウ人気男です。
看板役者・・・って言うのかな?フアンも一番多いんですよ。
さらに、主役のユーリーの曾背海児さん山崎さんも大熱演です。
私的には、曾世さんのフアンなので、こちらがユーリーには合ってると思いますが、山崎さんの演技は上手いです。
漫画のユーリーに似てるのは、ノーブルな顔立ちの曾世さんかなァ〜は私個人の見解です。

で、訳アリのオスカーが何故、1年遅れて学校に来たか・・・が訪問者です。
オスカーの父親、グスタフが妻のヘラを殺してしまっての逃避行です。
何故、妻を殺したか・・・母親を殺されたのに、親子&犬との旅に付いて来たオスカー少年
心理は何?・・・は、お芝居見るか、原作を読んでくだされ。
妻ヘラの石飛幸治さん・・・もう、ヒステリックな女役のお似合いの方です。
桜の園でも、ノーテンキな気の強いラフカーニァが良かったです。
前の訪問者の時もヘラでした。
うん、こんなにヒステリックだったら、そりゃ殺されてもね〜みたいな感じが上手いです。
大概、女役ですね、石飛さんは・・・
以前はトーマ・・と訪問者は別に上演されましたので、前のグスタフ笠原さんでした。
どちらも主役だったんですが、今回は連鎖なので、グスタフ甲斐さん
又違った、ボッとしたグスタフの感じが面白かった。
死の泉甲斐さんのドイツ軍の軍医さんはものすごく怖かったな〜
エキセントリックな役も、ボッとした不運な男もどちらも良いです、この方。
笠原さんは、どこかに滑稽味のある方なので、悲劇のグスタフもとぼけ加減でしたが、甲斐さん
真面目なのに、抜けてる男って感じで演じています。
どっちも良いですね・・・

こちらの劇団は、役者さんが客席の係りとかしています。
パンフとかを売るのも若手さん達です。
入り口付近にも、数人いらっしゃるんで、入る時にちょっと緊張してしまいます。
パンフを買う時も、先日は及川さんが大きなお目々で「なにを?・・」ってなお顔されて上がってしまい、
ウッカリ、カレンダーとかのグッズまで買ってしまいました。
お席係りも、甲斐さんとかが立ってて、訊くのも声が上ずりそうになります。
プレミアムナイトが必ず1,2回はありますが、その時はロビーとか楽屋口とかで、おしゃべりも
2ショット写真も撮って良いので、これも楽しいですね。
アッ、笠原さんには辿りつけません・・・人気が凄すぎですから。
お正月3日は新年のご挨拶ってことで、皆さんがお客をお見送り・・・
階段にズラッと並んでのお見送りは・・・正直怖いです。
良い男がそんだけ並ばれると、間を通るのが、何ともね〜
気の弱い方には、拷問に近いモンがあるかもね(笑)

夏ころまでに、ハッピーファミリー死の泉・・再演ものです。
秋に、新作があるとのことです。
今年も目を離せない劇団です。