「王は踊る」 映画 8月29日 シネマライズ
映画です。ここに書くのは初めてだな〜今後は映画も書こう。
これは、バロックバレーなるものに興味を持ちまして出かけてみました。
監督は「カストラート」のジェラ-ル・コルビオと言うのも、期待が大きかったです。
かなり、歴史に忠実な、マア、歴史裏話っぽいのも魅力ですね。
全編流れる音楽は、ルイ14世のお気にいりの作曲家リュリさんのです。
これは、あんまり有名ではありませんが・・・そりゃモーツアルトみたいには知られてない・・・バロック音楽では
かなりのお方なんですね〜
仮面の男(A・デュマ作)でも、出て参ります・・・ああ〜原作ね、映画では出て来ないけど・・・
それにモリエールさん・・・この時代の方なんですよ。
俳優さんは私は知らない方ばかりでした。
王様(ルイ、14世)はブノア・マジメルさん、リュリはボリス・テラルさん・・・ううう知らないなあ〜
二人とも、まったく手の違うハンサムさんでした。
王様はヤッパ、金髪でしょうね〜なんか、絶対ブルボン家の方は金髪という思い込みが、私にはある。
作曲家リュリさんはイタリアの方なんで、黒い髪、ハンサムだけど濃い顔でした。
主人公はリュリさんです。王様もソリャ主人公なんですが・・・うん、私はリュリが主人公だと思うよ。
このリュリさんは全編通じて騒がしい男でした。
始まりは、このリュリさんは、随分なお爺さんで、オーケストラの指揮をしてる。
それも、槍みたいな指揮棒で床を叩きながら・・・ヤケのヤンパチムードなんです。
で、グサッと自分の足の甲を突刺してしまいます。
当時は、そんな傷でも壊疽とか脱疽とかになると、命にかかわる。
で、医者は足を切ってしまえば助かると言うのだけど、彼は「王と踊った足は切らない!」と言うのね。
で、もう瀕死の彼が見る夢・・・・が始まるのです。
王は14歳で、バレーを踊ること、音楽を演奏すること以外には、何も無い孤独な少年です。
皇太后のアンヌ・ドートリッヒは、映画の仮面の男ではえらい美人で優しそうな女優さんでした。
が、ここでは、西大后も真っ青な、凄い怖い婆様です。
宰相のマザランと皇太后が政治は握ってて、王様はお飾りなんですね。
で、バレー・・・もう、踊るのが大好きなのね。
バロックバレーは、現在のバレーの大元みたいなもので、ポジションなんかは今と同じですね。
ただ、第1ポジションは両カかとをつけて立ったら、つま先は180度が現在でしょう?
当時は90度で良かったのね。
それと、バレーは貴族の男のたしなみで、女性は踊らない・・・らしい。
映画の中で、王が怖いお化粧して、銀色のベストで、数人の若い貴族青年と踊るのは圧巻でした。
あれは、良いね〜床をバンと蹴って、非常に男らしい踊り・・・マザランが死んで、実権を握ったあたりの
意気早々たる気合がこもってて・・・
王様30過ぎて、難しい振り付けでこけるアポロの踊りは金塗り、金服、金靴で凄いのですが、何か
存在感が気迫…多分、不安そうな表情の為でしょうね。
練習の場面とかでも、踊りは素敵です。
男が、めいっぱいのお洒落を楽しめた時代ですから、コスチュームが素晴らしい。
リュリさんはイタリア男ですから、ブルーや赤やとど派手で、王様は金か黒・・・貴族は、デザインは派手ですが、
色彩はグッと押さえていました。
皇太后のお葬式の時の、王様のスーツ(なのか?貴族服ですが)は素敵でした。
リュリ様はチョイトヤバイお方で、王様に気に入られる・・・ことに命をかけている。
本当は、ホモ係りなんですが、王様にはその気は無い・・・だから、王様が喜ぶことをしたい・・・とバタバタ駆け回ります。
モリエールさんと喜劇もやれば、バレー曲も作るワ・・・3000曲くらい残しているのですね〜多作家なんですね。
でも、王様は、バレーにも音楽にも飽きてしまいます。
多分、その頃から、治世に没頭したのでは・・・?
仮面の男は、ここのところを題材にしてるのですね。
若い頃は、我がままで遊び好きで、女性はいっぱいで、政治なんて見向きもしない・・・が、ある時点から
非常に良い王様になり、ブルボンの一番の時代を作り上げるのですから。
悪い子の王様、良い子の王様が入れ替わる・・・というのも、判るな〜
デュマさんは、エレー事を考えついたもんです。
マッ、モデルには、当時のバスティーユの牢獄史に、仮面をつけられた囚人の記録があったからなのです。
それは一体誰なのか・・・に取り組んでる学者さんも居るそうです。
リュリは、必死で曲を作り続けますが、王は来ない・・・うちに、年月は経ち・・・
その傷が元で、亡くなってしまうのですが、王はヴェルサイユの鏡の間のバルコニーで、
「今日は、音楽がきこえないな〜」で終わります。
王様はちゃんと、お城のどこかで、毎日の演奏を聴いてたのです・・・ああ〜可愛そうなリュリ・・・
しかし、面白いのが戦争の場面です。
鎧に身を固めた王様はポーズをつけて馬上で固まる・・・絵師が数人がかりで肖像を描いてるの。
で、リュリたちは馬上で楽器弾いてる・・・リュリは太鼓を叩いてるのですが。
鎧着て、戦場で音楽・・・まあ、しかしな〜ワーテルローあたりも、先ず太鼓部隊が来る。
イギリスはバグパイプが先頭だし、トルコは素敵なメロディの音楽隊が半月刀を振り回してる指揮者と
ともに現れるし・・・南北戦争でも、少年鼓笛隊が最前列にいました。
音楽、特に太鼓は戦争の前には必要・・・なんか、戦うぞ〜!と気合入れに必要だったのでしょう。
肖像画は、お城の中でも描かせていました・・・マア、ルイ・14世と言う方は歴代ブルボン家のなかで
飛びぬけてハンサムだったとか・・・かなりな、ナルシストだったのでしょうね〜
そんな、細かいところまで、気を配った面白い映画でした〜まだやってるよ〜(9月11日現在)