「SANCTUARY〜旋回する夜の情景」 中村音子さん他 2000年2月7日
宝塚星組を退団された、中村音子さん(音羽椋)の本格的始動の第1弾でした。
私は、音子ちゃんのフアンでもあり、共演の児玉信夫さん(元スタジオライフ)のフアンでもありで、
かなり、楽しみにしておりました。
舞台は森のセット・・・これは良く出来ていて、客席から深い森へと誘い込まれるような感じ。
舞台はバルコニーのように高い部分があって、そこにジャズシンガー&ピアニストがいました。
丸っきり、お話の筋も舞台となる国も何も知らないで来ておりますので、
森がヨーロッパ的な森・・・ヘンゼル&グレーテルや赤頭巾ちゃんのような・・・に見えました。
が、始まるや、舞台はヨーロッパではないということがすぐに判りました。
お話の筋は、アメリカの南部(だと思える)、雨ばかり降る沼地の森・・すなわちフロリダのバイヨーってあたりですか
アノ〜ディズニーランドのカリブの海賊の舞台のあたりなのではないでしょうか・・・
そこの、貧しいモーテルに、混血の少女(音子ちゃん)が居ます。
モーテルの主人なのね。
で、お泊り客にわけの判らない男が居る。
そこへ訳あり美少年(児玉君)がフラリとやってくるわけです。
混血少女は、黒でも白でも無く、町に行っても、誰の言葉もわからないのが嘆き。
少年は暗い過去のトラウマから出られない。
二人で、太陽のいっぱいの海に行きたい・・ってことで意気投合するのですが、
二人とも、イザとなると、雨がジトジトの暗い森から出られないのね、心理的に・・・
わけのわからない中年男と少女が組んで、少年を殺そうとします。
始めは少女が途中で止めてしまうんだけど、結局は殺してしまう・・・
で、少女は森を出ると立ち上がると、その中年男が少女を殺す。
う〜ん、筋はそうなんだけど、わからないんだな〜
何故、少女が少年を殺すのか?殺さなければならないのか、その必然性がどこにあるのか
見えないんです。
中年男が少女を殺してしまう方はまだ、自分から去っては欲しくないという独占欲と思えば思えます。
3人とも、暗い雨の森から出たいのに、出てはいけない・・・って心理はわかります。
家から出られない若者が増えてる現代も、そこかしこに暗い森が存在してるのですから。
特に、混血・・どっちつかずで、居場所の無い人間も多いですから、その心理もわかる。
しかし、少年殺しは・・・判らんのです。私だけに判らないのかな〜と思いましたが、
見た方は同じ意見でした。
全体には、脚本&演出が・・・ちよっとね〜
ダンスはそりゃ良かったよ〜
ケンジ中尾さんと言う、ニューヨークでご活躍のダンサーがスピリットって形で、時々出没しては
音子さんと踊ります。
中年男、少年も一緒のダンスシーンも凄く素敵でした。
それと、音楽が良いです。
始まりはジャズシンガー、スージー・キムさんのブルースで・・・
次はBGなんだけど、エニグマのような女性の声が素敵なのでした。
キムさんは随所で、独特のハスキーボイスを響かせて、それに乗って踊る音子ちゃんは最高・・・
ストリートボーイ(いわゆる、客引きの・・・多分男ばかりひっかけてた)の児玉さんも、
役に合った美貌と、邪気の無い素直な子供っぽさが上手かったな〜
最後に少年のカバンを開けたら、熊さんの縫いぐるみが・・・も面白い。
面白いけど、だから何?なのです。
全体に???なのです・・・多分、もっと深い意味合いに気づいてないのかも・・・
だとしたら、そんな難解なものとダンスの組み合わせは無理があるんじゃないかな・・・と、私メは思いました。
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