東宝ミュージカル「モーツアルト」


★井上芳雄さん写真と略歴
★吉野圭吾さんHP


マア、何回、行けなくて人にお譲りしたり流したり・・・でこれは縁が無いのでは・・・
と思った最後に行く事ができました。
始めはですね〜主役、モーツアルト、井上芳雄君、中川晃教君の交代なので、両方を
見るつもりでおりました。
井上芳雄君・・・は昨年、同じく東宝ミュージカルで、「エリザベート」のルドルフ皇太子で見ております。
現在、芸大4年生、美形で長身(180センチはある)、甘いテノールで、なかなか素敵なのです。
中川君は、子供の頃から歌手さんである・・・ポップスとかロックとか・・・という漠然とした
情報しかありません。
                         

で、私が見たのは、この中川君でしたの。
背は低めで、可愛いですね〜20歳になったばかり・・・なので、とにかく初々しいですし、元気良いです。
我がまま、やんちゃな感じは凄く出ています。
で、声も良いんだわ〜クラシックの声ではないですが、楽に軽やかに唄うのが良かった。
ただ、妻のコンスタンツの西田ひかるさんが、見るからに姉さん女房で・・・それに歌はあんまし上手じゃないのが
気になりました。それと、この方は暗さとか寂しさとかが無いんだよね〜
10月日生劇場の時は、松たか子さんだった。こちらはどうだったのかな〜

山口祐一郎さんは、やはり凄い声量に存在感・・・少し太ったけどハンサムで、見ごたえ十分ですね。
お役は、ザルツブルグのコロレド大司教様・・・モーツアルトの最初のパトロンですな。
モーツアルトの父、レオポルドさんには市村正親さんで、これは上手いわ〜
この父モーツアルトが、大司教、お抱えの宮廷楽師なのよね。

この時代のオーストリアの歴史には疎いのですが、ザルツブルグを支配していたのが、この大司教で
無論枢機卿なわけで、でもマア地方領主・・・田舎なんだわね。
子供の頃に神童・・・ともてはやされて、周囲の期待を集めているのですが、そういう子供は
生意気になるのは当然で、モーツアルトは田舎から飛び出すことばかり考えるのね。

この劇は、エリザベートを造った、オーストリアのミヒャエル・クンツ(脚本・作詞)とシルベスター・リーバイ(作曲)
のコンビの作品ですので、どことなくエリザベートの雰囲気があります。
エリザベートの時の「自分の心」みたいな感じで、死神トートが出てくるんだけど、
モーツアルトでは、青年ヴォルフガングとアマデという子供の二人の掛け合いになります。
アマデは、心の中の住人で、綺麗な箱を持ち、ビシッと決めた宮廷服で、いつもピアノに向かい
スコァーを鵞ペンで書いてる・・・うん、真面目〜なのです。

対して、ヴォルフガングは、ジーンズの宮廷服・・・これは良かったよ〜
破れジーンズの宮廷服、初めて見ましたよ。
コンスタンツも、ドレスにはおってる上着はジーンズのジャケット・・・
うん、気分的には、そんな感じなんじゃなかろうか・・・
その時代の、マア、才能あるヤンキ−に援交娘・・・だもんな〜

日本人、インテリ・・と申しましょうか、大真面目なクラシック好き・・・とおっしゃる方々、
モーツアルト始め、クラシック音楽を、肩肘はって、真面目に、お固く聞いたり論じたりしますよね〜
学校の音楽室、楽聖と呼ばれた方々のお写真・・・じゃなくて、肖像画がありましたでしょ?
なんか、どのお方も、ご性格から何から「天才」にふさわしく、大真面目な印象・・・
ハッハ・・・リスト様なぞは、大ペテン師で嘘つきで、女垂らしでどうしようもない〜とは大人になってから知りました。
まさか、チャイコフスキーがホモだったらしい・・・バレーの王子様に恋・・で白鳥の湖とか書けた。
そういう感じの話は無くて、ただただ、クラシックは「真面目な人がきくもの」でポピュラーのようなものは
不真面目な人がきくもの・・・みたいな教育ってあるよね〜

うん、モーツアルトは、早い話、親泣かせの不良少年なんですね〜
庶民の中の戯作家シカネーダーさんなんかとつるんで、遊び歩きの、借金しまくりだったんですね。
この「魔笛」を書いた、シカネーダーさん役の吉野圭吾さんが、素敵〜!なのです。
この方をみつけてからは、ほとんど目が、そちらに釘付けでして・・・ハッハ・・・美形に弱いもんで・・・

うん、アマデの持ってる箱ね〜これが、才能の入った小箱・・・というのも何か凄く面白いですね〜
多分、神様はどの人間にも箱を持たせているんだと思いますが、箱に気付き、
そこから「才能」を取り出せる人と最後まで箱の蓋を開けない人とが居るのでしょう。
なんでも、歯をくいしばって努力・・・と申しますが、いかに自分の内にある潜在意識を取り出せるか・・・
が、天才と凡人の分かれ目なんでしょうね〜

hideちゃんもですが、天野可淡様・・・若くして偉大なる才能を発揮されて、いきなり亡くなる方・・・
モーツアルトも箱の中身を使いきり、若くして亡くなりました。
人間色々・・・一気に箱をカラッポにするも良し、チマチマ使うのも良し・・・私は?・・・なんてね。
見ごたえ十分で、満足しましたわ・・・うん、役代わりでもう1度見たかったな〜それが残念ですが・・・