映画「ジョーボーダンの獣」  2月20日    日比谷シャンテV

こういう、映画は好きですね〜
時代物、で、スリラー仕立てで、ホラーオカルト要素あり・・・が・・・
最終的には、オカルトでは無いのです。
科学的に、ちゃんと納得できるのですが、判らないうちの恐ろしさはゾクゾク・・・

フランス革命の25年くらい前・・・が舞台です。
で、題名のジョーボーダンは実在の地方ですし、獣のお話も、史実に残ってるのだそうです。
史実では10年間くらい、この地方に、訳のわからない獰猛な獣が出没して、
女、子供ばかりを100人も殺したのだそうです。
で、国王ルイ15世は、色んな人や軍を派遣して調べさせたのですが、今一謎・・・
狼狩りを何度もやったとのことですが、それでも被害者が出る・・・

アタマに来た当局は無理やり、馬鹿でかい狼を「これである」と決め付けて、事件を終わりにしたらしい。
終わらなかったのですが、「見ない」「聞かない」ことにしてしまったのね〜パリは・・・
革命が起こり、うやむやのうちに、獣も出なくなった・・・
で、当時も「これは人間の仕業」とか「なにかの政治的陰謀」とかも言われた。
狼である筈が無い・・・と誰もが心の中では信じていたのでしょう。

最近のひったくり、わが国では悲しいことに、女性お年寄り・・・から狙われます。
次は、運動神経鈍そうなオバサン・・・
かっぱらいは人間ですから、相手を選びます。
日光のお猿も、店番がお婆さんだけの店を狙うらしいけど・・・
しかし・・・ライオン、狼、熊さん、は女子供しか狙わない?おかしいよね〜
壮年の男は「ヤベ!」と避けるかもですが、ヨタヨタの男性お年よりはなんで狙わないの?

なんか〜おかしいんだよね〜というところからこのお話は始まります。
荒野を走るお馬が2頭・・・パリから派遣されて来た、自然科学者のフロンサックとお友達のマニさん。
地元の喧嘩を見て、仲裁・・・というか、喧嘩をしたかったのか、とにかく巻き込まれるのですが、
マニさんはメチャ強い・・・もう、普通じゃないくらい、強いのね〜


マニさんはアメリカインディアン…モホーク族なんですよ。
エッ?フランスにインディアン?
その当時のアメリカのお話に「モヒカン族の最後」がありますね。
5大湖あたりで、イギリスとフランスが戦争していた・・・のがこの時代で、フロンサックさんは、アメリカ帰りの将校でも
あるのです。

モホークの谷・・・はニューヨークの近くにありますね。
ハドソン河を少し登ったあたりに・・・で、モホーク族も実在,現在はカナダにたくさんいらっしゃるようです。
何故この映画の監督さんが、モホーク族と設定したのかは、モホーク族のトーテムが「狼」だからなのです。
マニさんの、体の刺青も正確に、伝統にのっとって書かれてる・・・マニさんの雰囲気も合ってる・・・で、
カナダ、ケベックでこの映画が上映された時に、モホークの人々は感激したんだって・・・

私は、個人的にネイティブの文化とか大好きなのです。
子供の頃、名画座で、父の好きな西部劇とか見た・・・駅馬車とか、理屈抜きにインディアンが悪いし、
見境なく白人を殺す・・・取り囲まれて、騎兵隊全滅…の時に、向こうの丘から進軍ラッパ・・・
インディアンは逃げるし、殺される・・・なんか、子供心に嫌だな〜とか思いました。
モヒカン族の最後(クーパー)に嵌ったのは、小学生時代で、字だけを追っていたのに、
なんかアリアリと美形のアンカスが浮かぶ・・・浅黒く、精悍で・・・折角の映画、原作改ざんで酷かった。

中学生の時に、父がアメリカに行き、ナバホのリザベーションで、ターコイズのペンダントを
お土産に呉れました。今も、着けてるよ〜大好きなんですよ〜
今、妙にオオ流行なんで、結構活躍しています。
で、文化にも興味を持ったのです。

ネイティブの宗教観というか、不思議な神秘的な考え方とか・・・が好きだな〜
自然との調和を大切に、文化は持つが、文明は要らないという姿勢も好きです。
自然を大切にしてる・・・ので、スピリチュアルな不思議な力も持っていられる。

で、この映画のマニさんも、そういう役で出ているのです。
喧嘩も超人的に強いのですが、動物、狼の言葉とか聴けるし、直観力とかが優れていて、
危険の察知、隠れてる人を探す・・・と色々お役にたつのです。
で、召使ではなく、友達…弟のような存在なのが、良い。

二人は、伯爵のお城にお泊りするのですが、当主の若い伯爵はメチャ可愛い。
結局、この伯爵が事件を語る・・・という形なのです。
この地方のやはり貴族の息子の、ジャン・フランソワは片腕の変人・・・美しいのですが、
どこか気味が悪い。
その妹は、この地方の「小町」で、フロンサックさんは一目で目にハート・・・

物語?これくらいで・・・この前、フロム・ヘルの種明かししちゃって怒られました。
見る前に話すな!とか、友達に言われた・・・そうなんだね〜まだやってるし、
そのうちにビデオで・・・の方も居るもんね〜

主役フロンサックには、サミュエル・ル・ビアン…私は始めてお目にかかりました。
キーファーサザーランドにも少し似てるし、ケビン・コスナーさんの感じもある。
いかにも、正義の味方…考え方とかもまともで、強くて良い男・・・なのです。
片腕のジャン・フランソワがバンサン・カッスルさんで、この方は不思議な2枚目ですね。
昨年封切りの「ジャンヌ・ダルク」のジル・ド・レイ伯爵だったのね。
エリザベスにも出てる…両方とも、私は見ていないのだ・・・
歴史物で、血なまぐさいものは、好きなんだけど、怖い・・・
この片腕貴族さんは、優雅なんだけど、存在が結構気味悪い。
性格も捻じ曲がってる・・・のは、片輪のせいか・・・とにかく、出て来たとたんからゆがんでる。
片腕は、アフリカに行って、猛獣狩りの際に失った・・・らしいのですが・・・

インディアンのマニ様はマーク・ダコスコスさんで、この方人種不明・・・うん、ネイティブらしいんですが、
かなり東洋的でもあり、なんかかなり複雑な混血さんのようですね。
TVの「クロウ」の主役だった方で、カンフー役者さん・・・だから、動きは凄いのだ。
大規模な狼狩りの際に、逃げた、白い狼を助けることで、狼からの情報も得ることができる。
アニマが狼なのかな?

チョット、心が痛むのは、お話とはいえ、狼が方端から殺される・・・
実際に史上類をみないくらいの数の狼が、この地方では殺されたとか・・・
白いボス狼が最後の最後まで、遠くから主人公達を見守ってるのは、ホッ!なのですが・・・
で、映画見ながらアホナことも考えます。
獣に追われた羊飼い…ヤギかな?の娘が、はぐれた子やぎを捨てて逃げようとするのだけど、
その子やぎも食べられたのかしら・・・とか。
その時のワンちゃんはスタコラ逃げて行きましたが・・・お家に着いたのかな?とか・・・
動物が好きな人には、少し心が痛みますね。
ジョウボーダンの獣さんも、とっても可愛そうなんですよ〜うん、ゴジラもキングコングも怖いけど哀しいよね〜

全体、とにかく、飽きない・・・動きは早いし、お話の筋も「だから?」「だから?」と
ワクワク追って行ける・・・うん、娯楽作品としては、良いな〜
コスチュームも、なかなか良かったです・・・武器とか、チョイ、荒唐無稽もありましたが・・・
しかし、フランスの森に、インディアンが斧を持って、顔に隈取で立ってる・・・のは、
実に面白い発想だな〜と感心!

斧?そうね〜あれは、トマホークと言うんだね。
世界各地、斧というかまさかりと言うか、同じような形態の武器がある。
西洋の長い柄の斧は、もっぱら首切りで、トマホークはアタマの皮剥ぎで、
日本の斧は樵に金太郎・・・エッ?樵はどこでも斧・・・そうだね〜

獣の正体?内緒…内緒・・・ここを、ジックリ読めば、回答は隠れてるよ〜
推理のヒントはあるんだけどな〜