A市は小中学校の敷地内のマイカー駐車を禁止する措置を取ろうとしている。 一介の教員に過ぎない自分がこの問題について何を発言しようが何の影響力もない事は重々承知している。結局は決まったことに従わざるを得ないわけだ。 ただ、A市が何のために禁止措置を打ち出して来たかが、自分には納得できないものがある。思うに、市の職員と待遇を同じにしたいという事に過ぎないのではないか。勤務時間の問題と同じである。機械的に同列にしたいという事だと思えるのだ。だとしたら、実情を見ない硬直した決定だと思う。 新採用の時の小学校で問題提起をした事がある。それは安全主任をやっていた関係もあり、教員の車と児童が同じ正門を使う事に危険を感じたのだ。それで車の入る門と児童の入る門とを分けるべきだと提案したのだ。まったく相手にされない提案だった。その後転勤して数年たった時、車と児童が接触する事故が起きた事を知った。心配していたことが起きたのだ。あの時の自分の提案が通っていたら起きなかった事故だったかも知れない。 学校に入る車は教員のマイカーだけではない。車社会にあって学校だけ車から隔離された空間であるわけはないのだ。来客や業者など様々な車が入ってくる。問題は人と車が交差する仕組みになっている事だと思うのだ。交差しない仕組みになっていればいいのではないか。 他市の学校では車の通用門と児童の通用門とを分けて、交差しない仕組みになっている所もある。事故の教訓として学ぶ所はそこにあったのではないか。今一番先にすべき安全措置とは、車の通用門と児童の通用門を分けて、交差しない仕組みを作る事だ。門が一つしかなければ別に作ればいいではないか。敷地の設計をやり直せばいい事だ。教員のマイカーを追放しても、車が学校に入ってくる実情は何ら変わらないわけだ。児童と車が交差する仕組みをそのままにしていれば悲劇が起きる可能性は同じだ。まずこの問題について考えてもらいたい。 別件 自分は子育てが一段落したので、 マイカー駐車が禁止されても何とかなると思う。学校の近くに駐車場を借りるのは個人的問題とされているので、確保できないだろうと思う。それならそれで、原付バイクで通うつもりだ。 問題は保育園に子どもを預けてから登校している教員だ。雨の日、ふとんと幼児を車なしでどうやって保育園に運ぶのか。仕事をやめざるを得ないではないか。 禁止するという意向は伝わってくるのだが、教員の声を聞こうという姿勢はまったく見えない。庶民の声など聞く必要はないと言うことか。冷たい市政だ。 |