地区研究会

2001年4月 
 ここ10年ぐらい地区研究会の会費を払っていない。管理職には会には入らないと宣言している。
それでも勤務時間内に出張を命じられるのでしかたなく参加していた。自分の会費はだれが払っているのか。
個人が会費を払っているということでこの会は任意団体として市の補助金を得ている。しかし会には入会も脱会の規定もないのである。だれもが仕事と思って参加し、活動している。

 自分がこの会を脱会したいのは、研究会として納得できないからである。顧問、副顧問は自動的に校長、教頭が配置されている。なぜ管理職が顧問なのか。教育研究という場面と管理職という場面とは同一ではない。自分たちが師事する大学の研究者なり現場の教師が顧問につくなら納得もいくが、管理職というだけでどうして顧問なのか。また実際の指導、助言をするのは市の指導主事と決まっている。これでは自由な任意の研究団体ではなく、単なる文部省の伝達講習ではないか。それなのに会費を払い、任意に参加している格好をつけているのは補助金めあてとしか自分には思えない。

 文部省の伝達講習なら仕事である。仕事なら給料は貰っている。補助金が出るのは税金の二重支払いではないか。任意団体なら、しっかりと任意にすべきだ。その上で補助金を支払うべきか市が判断すべき事だと思う。

 新米の頃いくつかの任意の研究団体に加入した。活動はもちろん勤務時間外であり、日曜、夜の研究会参加は手弁当である。今でもその中の一つの団体に所属しているが、年活動費は3000円である。通信費からいっても最低限の費用だろう。ところが、地区研究会にいたっては年500円である。これで出張手当も通信費もまかなっていけるのは、補助金があるからだろう。

 今年はどういうわけか要求が通り、主任をはずされる。自動的に主任会には出張しなくていいわけだ。年来の脱会の目的が達せられたわけだが、釈然としない。きちんとした脱会手続きがないのだからたまたま今年主任をはずされた形と変わらないわけでもある。
追伸
2004年9月22日 水曜日
 地区研究会への出席を断る。勤務時間内の事なので教科主任になった時は仕方なく参加していたのだが、主任でもないのに今年からは全員が参加が「可能」
になったのだ。それで参加せざるを得ない雰囲気になってしまった。今まではたまたま他の出張と重なっていたのだが、今回は何もない。地区研究会に参加しないために授業を自習にしてまで年休を取る理由もない。逡巡したが、会への出席を断る。会費を払ってない自分が会に出席する事自体がおかしいのだ。
「お!職務命令を出すからな。」
校長の顔色が激変する。
「覚悟の上です。」 
弱々しく応える。情けないが、処分を受ける立場だ。
理不尽な事が始まろうとしている。
 一学期に校長室に呼ばれ、説得を受ける。柔和な顔で校長が、
「先生のその考えを会に参加して提案すればいいじゃないですか。」
「内部から変えるよう努力してみたらいいじゃないですか。」
と言う。
 でも会の趣旨に反対している自分が、会員になって会の改造運動をする事自体が変じゃないか。なんでそんな事までする必要がある。
あくまで任意の研究会なのだから、会の趣旨に賛同する者が参加すればいいのである。だから校長の提案には賛同しなかった。
 勤務時間の中で研究会に参加し、研修するのは、研修願い、出張願いを校長が許可して成り立つ事である。だから、授業を自習にする事が許されるのではないか。それを研修の意志がない、その研究会に参加したくない事を表明し、かつ会費を払ってない自分が、授業を自習してまで出張を強要される教育的必要性がどこにあるのか。かつまた、それが教員の処分事項に当たるのか。
 こんな事で教員を処分できるのなら、自分は私費で弁護士を雇い、法廷闘争をするだけだ。こちらも生活がかかっている。黙って処分に応じるつもりはない。
 信念を曲げるつもりもないし、処分を受け入れるつもりもない。処分が降りたら、
法的手段を取ろうと思う。
 とんだライフワークになりそうだ。

追伸2
 結局地区研には行かなかったのだが、職務命令は出されなかった。出せなかったのでしょうよ。自主研修で職務ではないからね。今までは、地区研の発表大会には出張していたが、今年は行かなかった。他の職員が出払った放課後、学級事務で過ごす。職場に残っているのは、校長、教頭、事務に自分だけだ。まあ、少し意地にもなったのですね。無理もない。本校の研究発表大会の発表者になっていたのに、運動会が終わった十月になっていきなり降ろされたのだ。理由は、地区研会費を払ってない事だ。会員でもない者が発表者である事はおかしいというクレームが地区研事務局から出されたのだ。それはそれで道理が通っていると思う。でもそれなら年度当初に言ってもらいたかったよ。いきなりではね。同学年の他の同僚が代わりにやれと言うのだ。それはあんまりだよ。時間も無いしね。それで学年全体でやるのではどうかと打診する。まあ、それはいいよという了解が得られたので、学年公開という形に変えて授業公開を行う事になった。同僚に迷惑をかけるのは嫌だから今年はこれで済ますが、もう金輪際地区研の公開授業者にはならない。けんかを売ってきたのは向こうだからね。