NHK内部告発!

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 朝日新聞2005.1.12報道によると、2001年放送「裁かれた戦時性暴力」の内容が自民党幹部によって検閲、歪曲されたとの事。この番組は、「女性国際戦犯法廷」を取り上げたものだが、従軍慰安婦のインタビューや、天皇が有罪とされた判決部分をカットされたとのことだ。
 まあ、権力政党たる自民党が過去の侵略戦争を認めず、天皇の戦争責任も認めない立場なのだからあり得る話ではある。当の安倍、中川両議員はその事実を認めず、NHKも否定している。あまつさえ、NHKは朝日新聞に抗議もしているとの事だから、事実として認定されるかどうかは微妙な所だ。
 でも、庶民感覚から言うとだれもが、そういう検閲、弾圧はあっただろうなあとは思うよね。NHKも公共放送と言いながら、自民党よりの放送機関になっているとは、だれもが思う所だろうよ。その上、最近のNHKの不祥事である。幹部による使い込みが発覚し、自浄能力も疑われている。最高責任者たる海老沢会長も引責辞任する様子もないし、巷は受信料不払い運動が燃え広がっている。

 ぼくはこれに乗じて不払い運動に乗っかろうとは思っていないのだけど、印象に残ったのは、内部告発である。番組プロデューサーの長井暁さんの言葉だ。
 「家族を路頭に迷わすわけには行かない」
という事で、4年間告発するかどうか悩んだそうだ。
 現場の人間が理不尽な理由で圧殺される事は、よくある事だろうよ。会社のため、組織のためという事で、社会的な正義、常識に反する行動を強いられるのだ。社会全体にとって、こういう理不尽な圧殺は、損失である。長い目で見れば、個人個人が自己の良心、信念に乗っ取って行動する方が社会全体の利益になるのである。少なくとも、権力者の私利私欲追求に追随するよりは、いいことなのだよ。だから、社会的正義感、倫理観に基づく内部告発は、これを保証してあげなくてはいけない。
 とは言え、告発する立場に追い込まれた者としては、
「家族を路頭に迷わすわけには行かない!」
と、断腸の思いになるのは当然だ。長井さんの苦悩はよくわかる。組織の中で、長を告発したのだ。生きていけるかどうか、不安になるのは当然だ。それでも彼は決断した。彼のような人間がNHKの現場にはいるのだ。それを応援しなくてどうする!不払い運動は、いつでもできる。彼を応援したい。

 振り返って見ると、当のホームページもまあ、内部告発みたいなもんだね。ぼくが所属している委員会で閲覧されると、まずいことになるかも知れない。即、家族を路頭に迷わす事にはならないだろうが、困った事態は予想されるよ。
 でも言うべき事は言わなくてどうする。この間職場でも、3年越しの自分の意見が通った。退職校長の送別会を親睦会行事と別立てにする事だ。
 親睦会とは、月3千円の会費で慶弔を処理する互助会ですね。新規採用の教員も校長も月3千円なのですよ。それなのに、校長、教頭は幹事役を免除されている。それではすまないという事で、会の折に祝い金を出す管理職もいるが、それは別に決め事ではない。出さなくても、一言話す機会は設けられるのだ。
 ぼくが若い頃は、学期始めの昼食会の経費は学校の食糧費で出されていた。だから、ごちそうさまという気がしたものだし、校長の話も神妙に聞かなくてはという気にもさせられたものだ。それが、10数年前から禁止された。公費で飲み食いしてはいけないというのだ。至極当然である。だったら、学期始めの昼食会は無くせばいい。ところがそうではないのですね。これが親睦会行事に押しつけられてしまったのですよ。前任校では幹事長が腹を立てて、自腹で食べるのだから各自好きな物を注文すればいいという事で、カツ丼やら寿司やらカレーライスやらめいめい各自ばらばらの食事で昼食会をやった事もあった。
 それがどうやら落ち着いて、今は全員同じものを食べる親睦会行事という事で、常識になってしまった。そこで校長が一言訓示を垂れるのですね。これって、勤務なの休憩時間なのって事ですよ。実に曖昧模糊じゃないですか。
 3学期の終わりには、御苦労さん会というか、納め会というかそのたぐいの親睦会行事があるのです。それが、いつの頃か退職校長の送別会も兼ねるようになってしまった。送別会だから、校長はお客さんだ。送別の品も親睦会から支出される。それもはんぱな額でない。
 親睦会とは、互助組織なのだから、会の規定で離任、退任する方への送別金はちゃんとあるのですよ。1学期には歓送迎会も用意されている。それで済ますから、互助組織になるわけでしょう。それを無視して、退職校長には特別扱いをするのです。自分は反対したが、少数否決て奴ですね。皆さんの賛成多数で、校長だけは特別扱いなのです。
 この時はしかたなく会費は払ったが、どうしても納得できなかった。そこで今回はそういうことを多数決で決めるなら退会する決意で意見表明した。そうしたら、同僚が折れたのですね。そりゃそうでしょうよ。校長の後援会じゃないんだから。あくまで互助組織。会員を平等に扱うのが原則でしょう。そうでなきゃ、はなから会費に差別化をすべきだよ。
 退職する校長を特別扱いしたい志のある者が、同志を募ってやればいい事だ。以前、退職する同僚の送別会を仲間内でやった事がある。それでいいんだよ。親睦会はつき合いの必要最小限の互助組織なのだから、それでいいんです。それが社会の常識てものです。

 権力者たる者、たいした力を持っているのだね。有言、無言の圧力という物はある。言わないと、特別扱いというのが、常識に変わっていくのだ。