メンチカツの幸せ

２０１５年１月１６日

　学校の帰りにスクーターでスーパーに寄り、メンチカツを買う。８５円。金にならない客だ。まあ、客としてはごみというかくずだろうねえ。そうは言われなかったけど。

　帰宅し、書斎で一杯やる。書斎と言っても納戸だよ。三畳もないだろう。机と本棚と椅子を入れたらそれで一杯だ。ベッドを入れる広さは無い。残念。勉強机の椅子だけではリラックスできないので、途中で革張りのゆりかご機能というのか、リクライニングではないんだね、そういうのを買い足す。本革じゃないけど。うたた寝ぐらいはできる。一合の酒をレンジで温めて、メンチカツに醤油を垂らす。醤油がいい。ソースが嫌いというわけじゃないが、醤油がいい。油と醤油の旨さで陶然とする。一気にできあがってしまった。安い男である。８５円と一合の熱燗でできあがってしまうなんて。家だからいいが、店だとごみだね、くずだよ。

　しかし、あれだ。人間の幸せなんて金額じゃないよ。８５円だって幸せになれるんだから何が文句あるんだ。だれも言ってないか。言われるかと思ってね。そう思ったんだが。まあ人の事は気にしないことだ。

　明日は休みだ。晴れの予報。朝起きたら、まずは里山を歩こう。ぼくが行っている里山はどういうわけか人気が無い。土日の休みでも人に会うことはあまりない。一人山に入っていく感じだ。贅沢なものだよ。低いとは言え、一応尾根道なので両側は見晴らしがいい。木々に囲まれて見えなくなっても、木と落ち葉に囲まれこれはこれで実に美しい。こんなすてきな場所が入場料ただときているのだから幸運である。安い男だろうがなんだろうがただなのはいい。その後は、バイクだな。ホンダＣＢ４００レボ。これに乗って田舎道を走ろう。景色もいいが、信号が少ないのが最高。調子に乗って飛ばすと警察に捕まるが、法規遵守でやってればそれなりに楽しい。その後はレンタルＤＶＤでも見るか。コピーガードをはずすソフトを入手したので、随分の数のコレクションができた。書斎が映画館となる。ヘッドフォンをすれば結構迫力があるよ。

　人生の楽しみなんて平和でありさえすれば、けっこうお手軽に手に入るものだね。平和を維持する投資は必要だ。庶民の自分には投票したり、運動したりするぐらいしかできないが。戦争になったら、メンチカツの幸せなんて吹っ飛ぶだろうよ。