アナログテレビ購入顛末記

　2008年4月20日日曜日晴れ
　人生、どこで災難が待っているかわからない。土曜の朝、テレビでも見ようかと思ったら、画面が横一列に圧縮されている。時々、元のサイズに戻るのだが、また圧縮される。これに慣れるのは困難。
　で、悩む。
　うちの部落では、東京電力の鉄塔被害で子会社が経営するケーブルが敷設されているのだ。従って写りは抜群。以前済んでいたアパートでは、ややゴーストがかかっていたので、引っ越してきた時はその写りの良さに感激したものだ。ところが国策である。貧民切り捨てのあの国策である。
　２０１１年にアナログ放送が打ち切られるのだ。自分は部落のテレビ共同視聴組合の役員である。前の役員さんが高齢化のため引退されたので、引き受けざるを得なかったわけ。頼りないね。で、この間、東京電力と何度か交渉というかまあ、お話を伺ってきたわけだが、これは東電にとっては、天の恵みだね。全国に東電の鉄塔は何十万本立っているのだろう。その地域にはこれまた子会社のケーブルテレビ会社が運営されている。その費用が全てチャラになるのだ。アナログ放送が続く限り負担せざるを得なかった必要経費が全てチャラになるのだ。デジタル放送は、鉄塔の電波障害とは無縁だと言うのだね。目に見えない物だから、無縁かどうか素人にはわからない。でもデジタル波と言ったって所詮地上のアンテナから来るわけでしょう、宇宙から飛んでくるわけではない。谷間の我が部落では、UHFアンテナを立てたって写るという保障はないわけだ。でも、東電はもう関係ありませんというわけだ。運良くというか、我が市には、ケーブルテレビ会社があるので、そちらに加入しようかという話に今なってきた。ケーブルテレビ会社にとっても、これは天の恵みだね。この国策は、東電という大企業とケーブル会社に恵の雨を降らせ、家電業界に恵みの雨を降らせ、携帯電話会社に電波の枠を譲るわけですね。わたしたち貧民には、余分な出費を強いるわけだ。
　で、話は元に戻って悩むのです。この際、いっそデジタルチューナ内蔵の液晶テレビに買い換えようか。でも１インチ１万の世界でしょう。安くなったと言っても２０万近くするわけだ。第一、今のテレビに不満があるわけでもないし、そんな大型テレビはいらない。で、悩む。
　彼女は今のテレビでいいと言う。で、決定！
　１４インチ、アナログテレビを購入しに店に出かけた。二つ店を回る。家電店には置いてないので、そうじゃない店を回ったわけですね。ありました。店の片隅に。元気なく。ステレオタイプはなくて、モノラルしかなかったのは残念。でも、９千円台の値段には大満足。安すぎるね。子どもの頃、カラーテレビは２０万もしたのだ。４０年以上前の２０万だよ。今の価格で言うと、２００万か！まあ、そこまで行かないとは思うけど、それほど高価だったわけですよ。それが１万を切るのだから驚きですね。
　家に持ち帰って接続。出力端子がないので、テレビはモノラルでしかたない。でもビデオとDVDプレイヤーは外部スピーカーでステレオで楽しめるので、ままいいか。モノラルの音も思ったよりはいいしね。写りは抜群。色合いも良かった。２０１１年以後はデジタル→アナログ変換器を買うか、デジタルテレビに買い換えるか決断を迫られる事になる。たぶん、変換器を買って取り付ける方を選ぶんじゃないかなあ。テレビ本体より高い変換器を買うのもしゃくだけどね。
追伸
　さて、壊れたテレビの方だが、電気屋に問い合わせたら、出張修理になるとの事。それじゃいくらになるかわからない。それに１０年も前のテレビだしね、一つ部品を替えてもまた別の部品がだめになる可能性も高いだろう。修理をあきらめる。引き取りは？と聞くと７千いくらだと言う。絶句したね。ウチの店で買ったテレビならもっとお安くなるのですがと言っていたが。書斎の机をかきまわしたら、何と領収書が出てきた。電話した相手の店で買っていたのだ。で、再度電話する。そしたら、５９８５円。大して安くないじゃないか。ゴミ一つ捨てるのに、６千円も払うなんて。以前なら環境センター持ち込みで１００円で済んでいたのに。自治体負担からメーカー負担へという環境政策なのだろうが、結局消費者負担じゃないか。それも従来の６０倍も負担する事になっているのだ。月に向かって吠えたいよ。

追伸２
　なじみのハードオフに問い合わせたら、１４インチまでのアナログテレビなら無料で引き取るというので、和室に置いてあった２台を車で持ち込む。ただですんだ。助かったね。

追伸３　２００８年１２月某日
　部落の共同聴視組合だが、このたび無事に解散できた。東京電力からは２０１１年以前に解散したという事で、保守費がその分かからないわけだから、保守費の前倒し分という事でいくらか現金をもらう事が出来た。もともとの組合費の返金も兼ねてその分も分配し解散総会を行う事となる。エクセルで会計処理をし、それをワードに差し込み印刷をする。現金を入れる封筒の宛名印刷と、引き換えにもらう領収書を自作し、それの宛名印刷も行った。パソコンて便利だなと思ったね。これがないと全部手書きしないといけないところだった。助かったね。我が家もケーブルテレビと契約し、アンテナ無しでテレビを視聴する事となる。テレビそのものは今もアナログなのだが、２０１１年以降の心配はこれで無くなった。いずれ、デジタル変換機を買うかデジタルテレビに買い替えるかになるだろうね。