指輪物語

吹奏楽の名曲にヨハン・デ・メイの「指輪物語」があります。実は、次の定演での候補曲にあがりました。3月には映画化されるし・・・そこで、分厚い文庫本9冊を買い込み読破することを決意!昔、「シエラザード」を吹いたときも、むきになって「千夜一夜物語」を読んだっけ。とにかく読んで読んで・・・ひたすら読みました。一部の方のリクエストにお応えして、掲示板にあらすじ紹介はしたのですが、せっかくなので残しておこうと思い、こちらにコピーします。(2002.2.24 全巻読破)

※J・R・R・トールキン 瀬田貞二・田中明子 訳 「新版 指輪物語」 評論社文庫/を参考にしています。

1〜旅の仲間・上1

ホビット族のビルボが、甥のフロドに全財産を譲って旅に出る。

「ホビット」ってなんだ?なんて、突っ込まないでくださいね。小人族の一種のようです。

その中には、はめると姿が見えなくなる魔法の指輪があった。その指輪は、実は暗黒の国モルドールの王・サウロンによってつくられたもので、全世界を支配する力を持つ。しかも、指輪の所有者はその魔力によって次第に心を蝕まれ、やがては指輪に支配されるようになるというのだ。

魔法使い・灰色のガンダルフから指輪の秘密を告げられたフロドは、指輪をこの世から消滅させるため、モルドールにある火の山オルドロンの火口の底の滅びの罅裂(きれつ)をめざす決意をする。指輪を溶かすには、滅びの罅裂(きれつ)に投げ込むしかないのだ。そして、サム、ピピン、メリーの3人の友を道連れに旅立つ・・・

ホビット族っていうのはね、普段は食べて歌って寝て・・・という暮らしが好きな脳天気な人々なんですが、いざとなるとものすごい底力があるんです。4人のホビットたちの運命やいかに!!!

〜旅の仲間・上2

旅に出たホビット4人は、古森で柳じいさんにつかまり万事休す!トム・ボンバディルという不思議な男に助けられ、彼の家で数日過ごす。塚山でも塚人たちにとらわれるが、またもやトムに救出される。

ブリー村の「躍る小馬亭」では、馳夫(はせお)と呼ばれる男が旅の仲間に加わる。

ところが、サウロンの手下・黒の乗手に襲われ、フロドは肩に致命傷を負う。裂け谷のエルフ・エルロンドの館からの遣いであるグロールフィンデルの迎えを受けるが、再び一行は黒の乗手に襲われる。追われながらも必死でブルイネン川の浅瀬を渡ったフロドは、朦朧とした意識の中で、追手たちが突然水かさを増した川に飲み込まれるのを見るが・・・

エルフっていうのはね、妖精族の一種じゃないかと思います。今日、注釈つきの本を買ったので、分かったらまた書きます。その本のことは、またね!

 

3〜旅の仲間・下1

ブランネン川でフロドを救ったのは、エルロンドとガンダルフの力だった。フロドは、エルロンドの館で健康を取り戻し、ガンダルフ、ビルボと再会する。ガンダルフは、白の賢者・サルマンに監禁されていたのだった。サルマンは、自らが指輪とその力を手に入れようと考えるようになり、もはや味方ではなくなっていた。

エルロンドの館には、危機を感じて諸国から集まった人々がいた。会議の席で、フロドは指輪を消滅させるという自分の使命を再確認する。

指輪を運ぶ旅には、サウロンの手下・黒の乗手の数に合わせ、それぞれの種族を代表する9人が自ら志願した。


・フロド・・・ホビット族。指輪の所有者。
・サム・・・ホビット族。フロドの従者。
・メリー・・・ホビット族。フロドの遠縁で友人。
・ピピン・・・ホビット族。フロドの遠縁で友人。
・ガンダルフ・・・魔法使い。
・馳夫(アラゴルン)・・・実は滅亡したアルノール王家の末裔。
・ボロミア・・・ゴンドールのデネソール公の長男。 
        ※この3人は大きい人(=人間)だと思う。
・レゴラス・・・エルフ族。闇の森の王の息子。
・ギムリ・・・ドワーフ族。はなれ山のグローインの息子。
        ドワーフというのは、ホビットより大きめの小人族で、鉱山とか鉱物およびその細工物を得意とするらしい。

一行は霜降り山脈を越えようとするが、カラズラスで吹雪に見舞われ、山越えを断念。モリアの坑道を通ることにする・・・

〜旅の仲間・下2

モリアの坑道で、一行はオークの襲撃を受ける。必死で戦う中、ガンダルフはバルログと相打ちになり、奈落の底に落ちてしまう。(オークっていうのは、鬼族なんではないかと思うんですが、バルログはオークではありません。詳しい説明は、後ね。)

導き手を失い悲嘆にくれる一行であったが、アラゴルンに率いられ、旅を続ける。モリア脱出の後、エルフの国ロリアンに滞在。大河アンドゥインを下り、ラウロスの瀑布に近づく。しかし、一行を見張る不思議な気配・・・ビルボの前の指輪所有者・ゴクリが後をつけてきたことに気づく。

ここで一行は、東に向かってモルドールの火の山を目指すべきか、ボロミアとともにゴンドールの首都ミナス・ティリスの救済に向かうべきか、それとも2組に分かれるべきか、選択をせまられることになる。火の山へ向かうフロドの決意が固いことを知ると、指輪の魔力に魅せられたボロミアは、指輪を奪おうとする。

フロドは、一人で火の山に向かう決心をするが、彼の考えに気づいたサムは追いかけ、同行する。一行は、ばらばらに・・・

4 補足

オークとかバルログってのがよく分からなかったので、指輪物語を扱っている馳夫さんのサイトできいたところ、次のように教えてくださいました。

まずオークですが、これは昔暗黒の王メルコール(モルゴス)がエルフから作りだした、邪悪な者達です。一般的にオークと呼ばれる者の中には他に、サウロンが作りだしたウルク=ハイや、サルーマンがオークとウルク=ハイとの交配によって作った、半オークがあります。バルログは元はガンダルフと同じマイアールの精霊で、メルコールが堕落させた者達です。モリアのバルログはその最後の生き残りでした。

指輪初心者の私には、全部は分かりませんが、とにかくそういうことです。

5〜二つの塔・上1

姿を消したフロドを探して一行がばらばらになった時、オークたちが再び襲撃をしかける。彼らは、サウロンとサルマンからホビットを生け捕りにするよう命じられていた。この戦いでボロミアは討ち死に、メリーとピピンは連れ去られる。オークたちは、2人をサルマンのもと、アイゼンガルドへ運ぼうとする。

残されたアラゴルン、レゴラス、ギムリの3人は、メリーとピピンを救出するため、オークたちの後を追う。途中、ローハン王の甥・エオメルの率いる騎士の一行に出会う。彼らはオークの一隊を全滅させたが、ホビットは見かけなかったという。

一方、メリーとピピンの2人は、オークどもの仲間割れとローハンの騎士達の襲撃の混乱に乗じて、脱出に成功。ファンゴルンの森でエント族の「木の鬚(ひげ)」に出会う。2人からサルマンの悪巧みを聞いた木の鬚は、エント族を集め、アイゼンガルドを攻撃しようと進軍する。

アラゴルンたち3人は、ホビットたちの足跡を追いながらファンゴルンの森にたどりつく。そこで彼らは、「白のガンダルフ」として復活した魔法使いと再会。こちらは、戦いに巻き込まれつつあるローハンの都、エドラスのセオデン王のもとへ向かい、馬を走らせることになる。

〜二つの塔・上2

ローハンの王セオデンの黄金の館・エドラスに着いたガンダルフ、アラゴルン、レゴラス、ギムリの4人は、サルマンの手先である蛇の舌・グリマを追放し、王を正気に戻す。そして、共に進軍し、角笛城でオークの大軍を迎え撃ち、勝利を収める。

一行は、さらにサルマンの本拠地・アイゼンガルドまで進むが、アイゼンガルドはエント達の攻撃により既に廃墟と化していた。一行は、エント達と行動を共にしていたメリー、ピピンと再会。フロド、サム以外の指輪の仲間は、再び集結する。

サルマンはアイゼンガルドに幽閉されることになり、一行はミナス・ティリスをめざす。アイゼンガルドと冥王サウロンをつないでいたパランティアの石をのぞいてしまったピピンを連れ、ガンダルフは先を急ぐことにするが・・・

7〜二つの塔・下

仲間達から離れたフロドとサムは、後をつけてきたゴクリ(=スメアゴル)を手なづけ、道案内をさせる。ゴクリはビルボの前に指輪を所有していた者であるが、指輪の力の影響を受け、身も心もあさましいものになり果てていた。そして、再び指輪を我がものにしようと、後を追ってきたのである。

途中、3人はボロミアの弟・ファラミアの指揮するゴンドール偵察隊に出会う。ファラミアはフロドの旅の目的に気づくが、指輪の誘惑を退け、危険を教えて3人を送り出す。

ところが、キリス・ウンゴルのトンネルでゴクリはフロドたちを裏切り、蜘蛛の化け物・シェロプに襲わせる。サムの捨て身の攻撃によって、シェロプは逃げ去るが、フロドは毒針にさされ、倒れる。

サムは、亡き主人に代わり、自分が指輪を捨てに向かうことを決意。一人で旅を続けようとするが、その時前後からオークたちがやって来たため、指輪をはめて身を隠す。しかし、フロドは仮死状態になっているだけだということが、オークたちの会話から分かる。サムはあわてて引き返すが、フロドはオークたちに連れ去られ、自分はトンネルの中に取り残される。

8〜王の帰還・上

ガンダルフとともにミナス・ティリスに到着したピピンは、デネソール公(ボロミアとファラミアの父)に仕えることになる。一方、アラゴルンたちと共に一旦角笛城に戻ったメリーは、セオデン王に仕えることになる。アラゴルンはドゥネダインの一隊を率いて「死者の道」を通り、進軍する決意をする。レゴラスとギムリは、同行する。セオデン王の姪・エオウィン姫(エオメルの妹)も同行を願うが、拒否される。

セオデン王は、ローハン軍を率い、アラゴルンたちとは違う道で進軍。ピピンは途中まで同行を許されるものの、危険を案じた王から任を解かれ、戻るように命じられる。しかし、デルンヘルムという若い騎士に助けられ、密かに同行する。

ミナス・ティリスはモルドール軍の攻撃を受け、包囲される。苦戦の中、ファラミアは瀕死の重傷を負う。乱心したデネソール公は、焼身自殺。城門が破られあわやというところに、ローハン軍が到着。ペレンノール野で、一大合戦が繰り広げられる。セオデン王はナズグルの首領に襲われ戦死。デルンヘルム(実はエオウィン姫)は、メリーの助けを得て王の敵を討つが、2人とも重傷を負い倒れる。王の死にエオメルは自暴自棄になるが、アラゴルンの援軍が到着。戦況は一転。

ペレンノール野の合戦では、かろうじて勝利をおさめ、ファラミア、エオウィン姫、メリーはアラルゴンの薬草の知識で持ち直す。指輪の仲間たちは、しばしの再会を喜ぶ。

一行は、モルドールに向けて軍を進めることを決定。黒門の前で合戦となる。ピピンはトロルにとどめをさしながら意識を失う。

9〜王の帰還・下

サムはオークたちの仲間割れに乗じて、フロドを救出。2人は、滅びの山を目指し、苦難の道を進む。ところが、いざ火口に指輪を捨てようとする瞬間、フロドは指輪の魔力に負け、指輪を我が物とすることを宣言、指輪をはめて姿を消す。その時、懲りずに後をつけてきたゴクリがフロドに襲い掛かる。ゴクリはフロドの中指ごと食いちぎり、指輪を取り戻すが、平衡を失い火口に落ちる。

指輪の消滅により、モルドールの全てが崩れ落ちていく・・・フロドとサムは最期を覚悟し呆然と立ち尽くすが、ガンダルフと大鷲・グワイヒアに救い出される。

指輪戦争の終結。アラゴルンはアルノールとゴンドールの王となり、裂け谷のエルフ・エルロンドの娘、アルウェンと結婚。ファラミアはイシリアンの領主となり、エオウィン姫と結婚する。

ホビットたちも、家路につくが、懐かしいホビット庄は、シャーキーと呼ばれる者の支配で荒れ果てていた。フロド、サム、ピピン、メリーの4人はホビットたちを集結させ、ならず者たちを追い払い、ホビット庄に平和を取り戻す。

フロドのもとの住まい・袋小路屋敷で出会ったシャーキーは、実は落ちぶれたサルマンであった。フロドはサルマンの命を助け、追放しようとするが、彼らの目の前でサルマンは蛇の舌・グリマに刺され、蛇の舌も射殺される。

ホビット庄では、それから元の美しい姿に戻すため、忙しくも平和な日々が続く。しかし、フロドは次第に元気をなくしていく。ビルボの131歳の誕生日、フロドはサムに送らせて旅立つ。それは、エルロンドたちエルフの一族やガンダルフ、ビルボと共に西方の至福の地に船出するためであった。サム、ピピン、メリーの3人は、港で一行を見送る。

イラストはこちらからいただきました 

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