プロローグ

「お師匠様、どうでしょうか?」
魔女見習いのアリサは、ドキドキしながら、ペンダントをお師匠様に見せました。
「どれどれ? ……うん、これなら大丈夫。あとは、ここに『流れ星の種』を入れたら、完成だ」
アリサが作ったペンダントを、お師匠様は褒めてくれました。
ペンダントの中央には『流れ星の種』を入れるための空洞があります。ここに『流れ星の種』を入れると、ペンダントはキラキラと輝くのです!

「じゃあ、今すぐ『流れ星の種』を取りに……」
「こらこら、もう外は真っ暗だぞ。メテオラ山は平和な所だけれど、魔物がいないわけじゃない。夜は魔物が活発になる時間だ、危ないから朝になってからにしなさい」
「は、はい」
ペンダント作りに熱中している間に、外はすっかり暗くなってしまったようです。お師匠様の言葉に頷き返すと、アリサは明日の朝、早起きをして、メテオラ山へ『流れ星の種』を取りに行くことにしました。

アリサが作っているペンダントは、姉弟子・ティオの誕生日プレゼントにするための物でした。こっそり準備がしたいと言うアリサに、お師匠様も協力してくれたのです。
ティオの誕生日パーティは明日の夜。
はたしてアリサは、それまでに、この『流れ星のペンダント』を完成させることができるでしょうか?

1へ進む。



アリサが歩いていると、吊り橋が見えてきました。
吊り橋は少し古い物のようで、ロープが少し切れそうになっているような気がします。このまま渡ると、危険かもしれません。
魔法『ロープ』を使って、吊り橋を補強してから渡るなら33へ、ダッシュで走って渡るなら69へ、ゆっくり慎重に渡るなら90へ進む。



「急がなくっちゃ、急がなくっちゃ。急いで山の上に行かなくっちゃ」
アリサが道を歩いていると、白いウサギがやってきて、道を横切っていきました。
「あれは、魔物?」
思わずアリサは立ち止まって、目をぱちくり。
普通のウサギは喋ったりしませんから、きっとあれは魔物か妖精なのでしょう。
アリサは、お師匠様の言葉を思い出しました。
「山には悪い魔物やイタズラ妖精が出ることがある。彼らの言葉に、騙されてはいけないよ」
そういう魔物や妖精に騙されると、食べられてしまったり、とんでもない目に遭わされてしまうことがあるというのです!
でも……。
「急いでいるということは、あのウサギさん、近道を知っているのかも……?」
白いウサギは山の上に行くと言っていました。
アリサの目的地も山の上です。
もしかしたら近道ができるかもしれません。
白いウサギを追いかけてみるなら88へ、危険は避けて、このまま道をまっすぐ歩き続けるなら38へ進む。



相手は魔物ですが、助けを求めて鳴いているのを放っておくのも可哀想です。アリサは、魔物に近付いていきました。
どうやら、魔物はまだ雛のようで、巣から落ちて怪我をしてしまったようです。このくらいの怪我ならば、アリサの魔法で治してあげられそうですが……。
魔法『リカバリー』で怪我を治してあげるなら51へ、魔法を使わずに応急処置をしてあげるなら120へ、やっぱり魔物は怖い……。そのままにして立ち去るなら60へ進む。




こんな感じで、選択肢(専門用語では「パラグラフ」といいます)が全部で130ある、ゲームブック形式の小説です!