お時間拝借     ’96.05.19

ハガキの内容

私がここに引越して、もう15年です。引越ししてきた当初は
まるまる見えていた駅が、今、ちっとも見えないんですよね。
私の家はちょっと高い所にあるので、わりに景色がいいんです。
でもこの15年の間に、家と駅の間にあった田んぼにマンション1つ、
ハイツ1つ、家2つがでんでんでんと建って、左にあったビニールハウスも
ハイツに変わって、右には家が3つ建ちました。

それに裏の山も採石のためどんどん削られて、高瀬富士なんていわれて
いたのがウソのようです。小学6年生のお別れ遠足でこの山に登り、
クラスメイトの一人が皆の似顔絵入りの旗を作ってきて、それ立てたんですよね。
その旗立てた頂上も今はもう無く、あれはどうなっちゃったんだろう、なんて
ふと思ったりします。

周りがどんどん変わってゆく中、私の住んでいる築何十年だろ、この住宅は
ずっと変わらず、すべて年取るばかりです。建て直し(取り壊し)の話があって
出てゆく人はいるけど、新しい人は入れないことになっているんです。

私の周りも年頃なので次々に結婚しちゃうから、やっぱり友達とか変わってゆくんです。

昔は良かった、未来は便利、そのどちらを思っても、時には逆らえないので
私は私のまま、タンポポを鳴らしたり、草笛吹いたり、ナズナ鳴らしたり、
レンゲの蜜吸ったり、笹舟作ったりとそんなちょとした遊びを、いつまでも
忘れずに年を取れたらな、なんて思いました。

リクエスト  五才の頃


みゆきさんのコメント

思い出の中にだけ残っている、いろんな風景そんなのも教えて頂きたいものです。
あの忘れていることもありますからね。こうやってこんな景色覚えてますよ、
といわれて、あ、そうだったけね、って思い出すこと ありますから。
またいろんな眺めを教えてください。新しくできた眺めでもって、
あ、こりゃ結構拾いものよ、なんつうのもあったら また教えてください。
山の形とかね、削られてどんどん変わっちゃって、ホントに何の山だか
判んなくなるみたいなところもあると思います。けど、削ったらなんだか
すっきりした形になった ってなこともないんでしょうか。
またいろんな おハガキ、お待ちしています。


リクエスト 五才の頃 
(アルバム みんな去ってしまった より)

思い出してごらん 五才の頃を 涙流していた 五才の頃を
嘆く訳といえば 只のひとつも 思い出せなくとも 涙の味を

思い出してごらん 五才の頃を 風を追いかけてた 五才の頃を
宝物はいつも 掌のなか 居眠りをしながら 掌のなか

思い出してごらん 五才の頃を 手離しで泣いてた 五才の頃を
嘆く訳といえば 只のひとつも 思い出せなくとも 涙の味を

時は流れ過ぎて 大人になって 涙流しながら 泣けなくなった
思い出してみたら 悲しくなって 泣きだそうとしても 泣き顔がない

思い出してごらん 五才の頃を 手離しで泣いてた 五才の頃を
思い出してごらん 五才の頃を 涙流していた 五才の頃を


一言感想

みゆきさんのラジオって、番組中はとっても面白いんだけど
最後のハガキはちょっと考えさせられる内容とか、
ジーンとくる内容だとかなんですよ。そんなラストに
読まれたハガキです。
この数ヵ月後だったかな、削られた山、その欠けた頂上付近に、
ヘールボップ彗星が見えたんですよ。
新しくできた眺めも捨てたもんではないと思いました。

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