TED+Talkies メルマガ 第86号 2019.08.24


こんにちは みなさん

ここしばらく コーパス・アップデートに集中してきた。

ようやく公開にこぎつけた キー共起フィルタ機能を紹介する。


キー共起フィルタとは、検索語と同じ文脈にある語彙の内、検索語の間に挟まれた語彙だけを収集処理する機能である。

たとえば 句動詞 take off 〜 (〜を脱ぐ) が take 〜 off と語順変化した時に、〜 に入る語句にはどのような特徴があり、変化がみられるかを調べることができる。

また、対訳フィルタを併用すると、take off 〜 と take 〜 off で意味の上での変化の様子も見ることができる。

語順が変化しても 「脱ぐ」とか「取る」の訳語に大きな相違は見られないが、「離陸」や「始める」は極端に変化することがわかったりする。


たとえば 句動詞 come up with で共起フィルタ機能を使うと、come up with 〜 にどんな語彙が頻繁に出てくるかが 手に取るようにわかる。

〜 に入る単語では idea とか solution が多いと知ったとたんに、come up with の意味が 記憶の中で ストンと落ちて イキイキしてくるのがわかったりする。





入り口は ポチッと打ち込む キーワード





━ もくじ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. 【 as 〜 as 考 】(1) 〜 に入る最多語彙は?
  解説では tall だが、運用最多語彙は・・・
2. (2) 解説で as tall as が使われるわけ
  運用最多語彙が使われないのには わけがある
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開発を始めて500日ほどになる 日英対訳コーパス・CORPORA も、ようやくかゆいところに手が届くようになってきた。


今回のメルマガでは 原級比較 as 〜 as 構文を解析しながら 新機能を紹介する。

【 as 〜 as 考 】シリーズとして (1)〜(7) までを一挙に公開した。

  1. 〜 に入る最多語彙は?
  2. 解説で as tall as が使われるわけ
  3. レベルに合った用例を集める
  4. 見つけた用例を共有する
  5. as 〜 as の共起語を調べる
  6. as tall as の訳語を調べる
  7. コーパスにみる as LONG as の異質さ


今号のメルマガは 1回目と 2回目のダイジェストとなった。

ピンポイントで集めた豊富な用例、しかも、音映像付きの用例の魅力を お楽しみあれ。


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1. 【 as 〜 as 考 】(1) 〜 に入る最多語彙は?
  解説では tall だが、運用最多語彙は・・・
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as 〜 as の 〜 には どんな単語が入るのか?

ふとした疑問から 話が始まっていた。



BNCweb で早速調べたのだが、どうもうまくない。

1 left, 1 right などと スパン(共起範囲)を設定するのだが・・・

どうやら as 〜 as のような場合の 1 center みたいな仕組みは ないようだった。


そこで 思い切って 自作してしまったという アプリおたくな話が 第1回目。


アクセスは こちら

http://www5b.biglobe.ne.jp/~mint_hs/news/n20190823.html

このページを開く前に 最頻出語彙トップ5を当てられる方はいないと思うが・・・

我こそはと思う方は 挑戦されてはいかが?

3つくらいは 当たるかな・・・!?





P.S.

BNCweb で as 〜 as に入る語彙の検索方法があれば、ぜひご教授を m(_"_)m





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2. (2) 解説で as tall as が使われるわけ
  運用最多語彙が使われないのには わけがある
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参考書や辞書に当たると 過半が as tall as を使っていた。

他には as fast as、as beautiful as などなどがあった。



運用最多トップ5が一つも文法解説で使われない理由を探っていく話が 第2回目。



そこには 実は 2つの理由があるようだった。

そのあたりの謎解きのヒントも コーパスから得ることができた。



アクセスは こちら

http://www5b.biglobe.ne.jp/~mint_hs/news/n20190824.html





・・・ 本文は ここまで ・・・





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編集後記
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目利きと言う商売がある。鑑定と言い換えてもよい。
物の真贋や、事の真相を見分ける生業である。

経験と直感が物を言う世界だ。

そうした経験と直感はいかにして養われるのだろうか?
科学的理論に裏打ちされた系統的体験(実務や実験)であろう。
場数を踏むとも言い換えられる。



現代では学術団体が目利きの役割を担うことが多い。
目利きを間違えた団体は、信用を失って崩壊することもある。



自分で埋めた石器を発掘したように見せかけていたことを長年にわたり見破れず「神の手を持つ男」として藤村新一を崇めてきた日本の考古学界は、埋め戻しの現場スクープにより立ち直れない打撃を受けた。偽造は20年ほど続いたとされ、スクープされてから同じく20年ほどが経つ。


科学哲学者クーン流にこの問題をとらえれば「パラダイム」の崩壊であろうか。

科学にはクーンが「パラダイム」と名付けた「学界固有の共通知や形式」があり、それは時代とともに変化する。いわゆる「パラダイム・シフト」である。パラダイム・シフトは、その団体の中から発生し、成長し、変革されていくのが科学であるとの思想でもある。
しかもこうした変革は予定調和的でなはなく、極めてドラスティックなのだ。多くはアウトローや一匹狼が引き金を引く。いや、そうした研究者は往々にして迫害されて、望まずとも一匹にされてしまうようだ。


当時の記録を読むと、日本考古学界は、「藤村パラダイム」に批判的な研究者を抑圧し排除してきたという。出土品への批判的な論文は無視され、研究者には圧力を加え、村八分にしたとされる。藤村パラダイムに疑問を投げかける論文には「名誉棄損」だとして書き換えを要求し、書き換えなければ会誌への掲載を拒否すると迫っていたそうだ。

自浄作用の働かない団体と言えば簡単であるが、その時代にあっては権威であり、その権威は排他的であった。




これは20年も昔の例外的な事件なのだろうか?
似たような事件を思い浮かべてしまう。
スポーツ界や芸能界や教育界などで発覚し、ワイドショーをにぎわしている現実もある。

団体の長と名がつく人たちには、他人事とせず、他山の石としていただきたい。長がつかない人たちにも、長いものに巻かれてしまう前に、初心に立ち返ってもらいたい。

もちろん筆者にとっても他山の石である。


2019年08月24日

田淵 龍二

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