TED+Talkies メルマガ 第67号 2018.07.06



こんにちは

台風に伴う雨雲がつぎつぎと西から連なって 不穏な天候が続いています。

今は それほどではないですが 昨夜は 雨音に 目が覚めたほどでした。

皆様の地方は いかがでしょうか。
ご無事であることを祈りつつ メルマガをお送りします。





━ もくじ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. スティーブン・ピンカー講演集
2. LET会長に被害救済と運営改善の申入書 全文
  回答期限は7月10日
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『The Language Instinct 言語を生み出す本能』などで知られるスティーブン・ピンカー(Steven Pinker)だが、TED Talk に登場しているとはつい最近まで気付かなかった。森ばかり見ているうちに1本1本の木がおろそかになることを痛感した出来事です。私にとって森とは、統計的情報で、木々とはひとつひとつのデータの個性でした。

と言うわけで、今号は Steven Pinker 講演の特集です。





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1. スティーブン・ピンカー講演集
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リニューアルされた映画英語教育学会改め『映像メディア英語教育学会』の機関誌を検索しながら閲覧していて、ピンカーの“words and rules”に触れた論文(藤本 2005)を見つけた。ピンカーは、あの著名なチョムスキーの流れを汲みつつ独自の道を歩む言語学者の一人で、『The Language Instinct 言語を生み出す本能』で勉強させてもらった記憶がある。

そこで、興味をもってさらに深く Google で調べると、同じ名前の人の動画がいくつも表示されていた。まさかとは思ったが wikipedia の写真と同じ顔の認知心理学者・言語学者のピンカー本人のビデオだった。

自前の TED Talk リストで調べると彼の講演は全部で5つあり、ありがたいことにすべて日本語字幕がついていた。ボランティアの方々に感謝したい。


講演の年代順に並べておく。

◆ 2003
Human nature and the blank slate
書き込まれた「空白の石版」

◆ 2005
What our language habits reveal
言語と思考

◆ 2007
The surprising decline in violence
暴力にまつわる社会的通念

◆ 2012
The long reach of reason
遠くまで及ぶ理性

◆ 2018
Is the world getting better or worse? A look at the numbers
データで見ると、世界は良くなっているのか、悪くなっているのか?


まだ、全部を通して視聴してないが、論理的展開を必要とするプレゼン学習に向いているかもしれない。


今年の講演は TED で5回目と言うことで話し上手になったのか、身近な話題だったためか、笑いをたくさん取っていてお勧めである。



これらのビデオを 語学専用ウェブプレーヤー・トーキーズで視聴する方法は端末によって異なるので、次のページを見ていただきたい。

> http://www5b.biglobe.ne.jp/~mint_hs/news/n20180706.html

このページからはワンクリックで視聴できる仕掛けにしてある。






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2. LET会長に被害救済と運営改善の申入書 全文
  回答期限は7月10日
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前号でお知らせした申入書の全文を公開した。

次のページで閲覧できる。

> http://www5b.biglobe.ne.jp/~mint_hs/news/n20180705.html



本件が発生し、事務局が私の言路を封じたため、解決策のひとつとして、LETの大先輩諸氏に事情を打ち明け、事務局との話し合いの仲介を依頼したことがある。大先輩による話し合いの提案を事務局が拒絶したあとは、さらに状況が悪化し続け、今日もなお教育と研究に多大な支障をきたしている。

この相談を大先輩諸氏に持ちかけたとき、口々に“関東支部の内部で解決しよう”と話し合った。しかしそれから半年以上が経過し、もはや支部内部での解決が望めなくなってしまった。返す返すも残念で、自らの非力さを悔しく思っている。

しかし、TEDコーパスはじめ ミント音声教育研究所のサイトを利用している先生や生徒諸氏のことを思いつつ、くじけることなく問題の解決を目指したいと思い、今回の申し入れ書となった次第である。

関係諸氏のご理解とご支援を願いたい。


問題の出発点となった運営委員会の議事内容などを調査するよう依頼した回答期限は今月10日である。相撲協会や日大アメフトなどなどさまざまな事案に学べば、最初に正しく対応することが、その後の解決の道筋をつけることがわかるはずなので、きちんとした回答をしていただけると信じている。



・・・ 本文は ここまで ・・・








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http://www.mintap.com/talkies/talkies.html

Mac や iPhone、iPad の場合は Safari でも動きますが、不具合が出ることもあります。そのような時は Google Chrome をお使いください。


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バージョンの確認は トーキーズの menuボタンからポップアップするメニューで、「トーキーズについて/バージョン」で表示される小窓にあります。

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編集後記
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スティーブン・ピンカーは、動詞の活用に規則的なものと不規則的なものがあり、不規則なものほど頻度が高いことに注目し、「words & rules」で記憶と生成について探求を深めたと言う。

今 Seleaf に収録する映画の書き起こしをマイク先生といっしょにしている最中なのだが、恐ろしいほどに文法破りの表現が出現する。そのすさまじさはマイク先生をして「私の英語が頭の中で崩れていきそうだ」と言わせるほどなのだ。

先日は表現「I see'd their tracks.」に遭遇した。その前には「I seen a sight today down at the glen.」「I seen it's...」にも遭遇していた。南北戦争直後の西部。周りを深い森に囲まれた島のように孤立した開拓地。話者は10歳程度の男子である、ピンカー流に解釈すると次のようになるかもしれない。

a. 日ごろよく使う動詞 see は、場面の中で区別して(無自覚に)活用している
b. 動詞末尾に -ed を(自覚的に)付けて過去を表現する規則も知るようになった

a. は体験的記憶であり、b. は規則による生成である。
この2つが混在した状態がみごとに映画に埋め込まれているのかもしれない。

かなり以前のことだが、「風とともに去りぬ」の書き起こしをしたときは、「they was sick with the typhoid」のような南部黒人奴隷の文法破りが多数出現した。しかしどうもそれとは質を異にしているとの印象がある。南部奴隷の場合は話者が成人であり、表現にぶれが感じられないのだ。

今手がけている映画の処理が終われば収録映画は25本となる。さまざまな地域と年齢と階層の表現がコーパス化されるので、ピンカーにならって、実証的に調べてみるのも面白いかなぁ・・・などと思ったりする。



2018年7月6日
戌年 ふみづき 六日 酉の刻
田淵 龍二

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