TED+Talkies メルマガ 第43号 2017.11.1


今朝の新聞に 私の地元高崎市(群馬)の石碑が「世界の記憶(以前の世界記憶遺産)」に登録されたとあり、驚きました。実に地味な石碑です。古代史が趣味の私は十年以上前にサイクリングで石碑を見て回りました。朝鮮半島から渡ってきた異邦人が定住して生活を確立していく様子の一端が刻まれているそうです。

異邦人といえば、大学人でもない私がLETと言う学会に受け入れていただき感謝の10数年を過ごしてきましたが、突如降りかかった暴風雨に戸惑っています。

ただ、私のサイトを利用される学校や先生方・生徒たちの利益を守り、状況を説明する責任があります。今回のメルマガでは、前回に続き、LET関東支部運営委員会との間に発生した問題を記載しなければなりません。


興味のない方には申し訳ないですが、ウェブ素材の教育利用に関わることであることに免じて、ご容赦ください。




■ ■ ■ ■ _/  も   く   じ  _/ ■ ■ ■ ■



■ 1. 運営委員会が明らかにした「問題の所在」の一端


■ 2. 運営委員会による TED360 公開停止命令にいたるまでの経過




この間全国の読者の皆様から激励や助言をいただき、感謝しています。

ある方から「まずは、問題の所在を明らかにする必要」がある趣旨のご指摘がありました。その通りだと感じています。

前号でお知らせしたように、運営委員会の窓口は閉ざされ、山口氏とのみメールのやり取りができる状態です。山口氏も苦悩しながら一生懸命間に立って問題解決に当たっておられます。

そうしたやり取りを通じて見えてきた「問題の所在」と、それに対する田淵の考えを述べたいと思います。



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■ 1. 運営委員会が明らかにした「問題の所在」の一端



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山口氏のメールで明らかになった「問題の所在」の一端は2つです。


<1>
これまでは、「Branding_GuidelinesにあるTEDポリシー違反」と一般的な話でしかありませんでしたが、今回明らかにされたことは、次の2つの条項の違反ではないかと言う指摘でした。

━━━━━━━ 引用開始
3. You cannot lead your name with TED - i.e. “TEDCooks” or “TEDLibrary”.
4. You can, however, end your name with TED -- i.e. “EducaTED” or “Discover TED”.
━━━━━━━ 引用終了


<2>
もうひとつは上記<1>より包括的な内容の質問です。


━━━━━━━ 引用開始
A) 「TED360」の名称はTEDの商標権の侵害ではないか
B) TED360の画面デザインは「2500+ talks to stir your curiosity」と似すぎているのではないか
━━━━━━━ 引用終了



質問<1>については、話がそう単純ではないので、事実を一つひとつ積み上げる意味で土台となることだけに絞ります。

TED360」と言う表現が一人歩きしているのですが、これはいわゆる「通称」あるいは「検索キー」のようなものです。サイトに表示してある名称(ヘッダータイトル)は「TED Selections Most Viewed 360」日本語では「テッド・セレクションズ 最多視聴ビデオ 360」です。このサイトのドメインは「http://www.mintap.com/talkies/」でURLは「http://www.mintap.com/talkies/mostviewed360.html」です。ただし、このURLに直にアクセスしても、検索機能は使えません。「TED360」はユーチューブの検索キーのひとつです。検索サイトで「ted360」と打ち込むとたくさんヒットしますが、TED関連のものではなく、音楽関係が多いようです。そこで検索キーを増やし「ted360 talkies」で検索すると、トップに「TED360」の紹介ビデオがヒットします。質問<1>はこうした土台の上で検討していく必要があります。


次に質問<2>ですが、「似すぎ」と言う「主観的評価」を「客観的判断」に押し上げるためには、多方面に渡る検討が必要になります。


運営委員会では、このあたりの審理をどのように行われたのでしょうか? どのような審理を経て、「TED360の公開停止」「研究発表の中止」「研究プログラムの閉鎖」「支援金の返還」と言う決定にいたったのでしょうか?


メルマガの読者の中には運営委員会の方もおられますので、差し支えなければご意見をお聞かせください。


また、委員会で議論された問題の所在とその根拠の全体像を一刻も早く当事者に開示されるよう望みます。





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■ 2. 運営委員会による TED360 公開停止命令にいたるまでの経過



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今回の問題の発端は、LET関東支部秋季研究大会での研究発表(田淵・山口)タイトルに「TED360」が入っていたことでした。これについては支部長湯舟氏より「変えて欲しい」との連絡があり、協議の上、すでに変更されています。

その後、運営委員会が開催され、「研究発表の取りやめ」「LET360の閉鎖」「LET関東支部支援プログラム(代表山口)の中止と支援金返上」の方針決定に至ったわけです。

そこで、基礎資料として、運営委員会が開催されるまでの経過をまとめました。



2016年6月
 LET関東支部 研究支援プログラム研究に応募
 構成員: 山口(代表)、田淵
 題名:TED Talksを対象としたコーパスの開発

2016年9月
 上記研究が採択される

2016年12月10日
 LET関東支部第137回(2016 年度秋季)研究大会で研究発表(中間報告)
 題名:日本人英語学習者のための TED プレゼンレベル計測方法の開発:リーダビリティ、語彙レベル、発話速度、構音速度をもとに
 発表者: 田淵・山口

2017年8月
 TED Selections Most Viewed 360 公開

2017年9月29日
 LET関東支部第139回(2017 年度秋季)研究大会での研究発表(最終報告)が採択される
 題名:リーダビリティ、語彙レベル、発話速度を手掛かりとして、日本人学習者のレベルにあった TED Talks を選び出すウェブコーパス開発(最終報告)
 発表者: 田淵・山口

2017年10月07日
 LET関東支部第139回(2017 年度秋季)研究大会での発表要項原稿送付
 題名:リーダビリティ,語彙レベル,発話速度を手掛かりとして,日本の英語学習者レベルにあったTED Talks を選び出すウェブコーパス TED360 開発
 このとき、申し込み時と一部異なる題名になってしまったのは田淵のミス

2017年10月14日
 LET関東支部eラーニング研究研修部会・語彙学習・指導研究研修部会共催ワークショップ開催
 題名: TED Talksを外国語の授業で使いやすくするために―言語的特徴からも検索するフィルター機能の紹介―
 講師: 田淵

2017年10月20日
 山口氏よりメール連絡
 支部大会発表要項のタイトルにある「TED360」を変えて欲しい

2017年10月21日午前
 田淵より事務局への返信メール
 タイトルに「TED360」が入ったのは田淵のミスなので、元に戻してください

2017年10月21日午後
 LET関東支部運営委員会開催

以上です。






・・・ 本文は ここまでです ・・・






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Talkies 最新版の入手と確認方法
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ブラウザ(推奨はクロム)で以下のアドレスにアクセスします。

http://www.mintap.com/talkies/

Mac や iPhone の場合は Safari でも動きます。


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編集後記
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9月には突発性耳なり発作に見舞われ、1週間寝たままですごし全治1ヶ月との診断で安静にしていた反動だろうか、あるいは季節がよいためか、10月はサイクリングで300Kmの大台に乗せた、その10月最後のランで後輪がパンクした。家まであと6Kmと言う位置。日も高いので焦ることなくチューブ交換をし空気を入れ始めた。しかし、いくらピストンしても空気が入らない。抜けてしまう。「えっ!なんだ?」と思った途端ピンと来た。パンクしたチューブをまたはめてしまった __(。゚)/ ドテ

なんだかんだで1時間くらいかけてチューブ交換が終わったが、事ほど左様におっちょこちょいなところがあって、ここまでよく生きてこられたものだと思いながら、帰路のペダルに力を込めたのだった。

今回の「TED360」騒動も、わたしが誤って最終原稿を別の版と入れ替えてしまったことが発端かと思うと、ご迷惑をおかけしたみなさんに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

だが、災いを福に転ずる気持ちで、姿勢を正し、今回のメルマガを送ることにした。

これを気に、ウェブの公開素材を教育利用する共通認識が形成されますように!!



2017年11月01日(水)
酉年 しもつき 一日 酉の刻
田淵 龍二

■□■□■□■ideas worth spreading ■□■□■□

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