2020/11/23 コーパスによる『考える学習』の勧め
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言語エキスポ2020補講(11/25)での発表資料です。
研究発表を受講するときに使います。
主催: 言語教育エキスポ2020事務局
日時: 2020年10月25日 9:00-17:50
場所: オンライン / Zoom ミーティング
参加: 事前申し込みが必要(無料、無資格)
申し込みフォーム: https://forms.gle/VhHSnpfMGqy9eBx8A
所属: ミント音声教育研究所
表題: コーパスによる『考える学習』の勧め - 冠詞 a/the の理論と実際をワークショップする
時間: 16:50-17:20
URL: 前日に事務局から通知
事前配布文書:
- 予稿
- プレゼン原稿+資料
参加者が閲覧する動画:

- 冠詞 a の用例 / 映画シーン

- 名詞が冠詞を選ぶ事例 / 共起検索

- 冠詞の用例を使った発声練習 / 音声添削

@zoom で動画を共有すると 映像と音声が数秒程度ずれてしまうので 参加者各自がこちらのページで閲覧できるようにしました。
なお 同じ動画は YouTube でも見ることができます。
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冠詞 a の用例 / there's a + 名詞
考察:
- 集合理論で冠詞 a/the を説明するときにはまず集合ありきで始まる。
- だが、実際の会話では逆に「ある人がいて there's a...」と話し始めた後でそれがどんな人か(どんな集合に属するか)を説明することがある。
- 話題の集合を柔軟に変化させながら会話を進めることを、実例を通して知ることが、冠詞 a/the の運用力向上に結び付くと考えられる。
研究後記:
- 冠詞の集合理論を藤枝氏から学んだとき、とてもシンプルでわかりやすいだけでなく、理屈っぽく見えても実用性に富んでいると直感した。
- どうしてそう感じたのかは、その時は自分でもよくわからなかった。
- しかし、今回紹介したシーンなどを集合理論で解析的に見直していくことで、なぜ実用性に富んでいると直感したのかが見えてきた。
- それは、頭の中のイメージとよく一致したからである。
- このイメージと言うのが集合なのだ。
- 動的に集合概念を伸縮出没させ、聞き手と共有しながら会話を進めていくことで、苦手な冠詞を日本人英語学習者が使えるようになるのではないかと思われる。
video 1
- 映画: An American In Paris / 巴里のアメリカ人
- 表現: There's a saleslady free at the other end of the shop,
- 場面: ナンパ目的で来店した主人公を売り子が軽くあしらっている。
- 冠詞 a の対象: 手が空いている別の女店員(女店員の後ろに小さく見え隠れしている)。
video 2
- 映画: Arabian Nights / アラビアンナイト
- 表現: there's a woman in there, who used to know on which side of the river the ferryman lived.
- 場面: 軍隊を渡河させるための船を探しに来た兵士を、船着き場の男がからかっている。
- 冠詞 a の対象: 船頭の居場所を知っている女(左手で小屋の奥の方を指している)。
video 3
- 映画: Robin Hood / ロビンフッドの冒険
- 表現: There's a fat old captain of the guard down there with bow legs.
- 場面: 場内に忍び込んでまで逢引きに来たロビンを、姫が追い返そうとしている。
- 冠詞 a の対象: 見下ろしたところにいた警備兵。
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後ろに of がつく名詞の冠詞を調べる /
まとめ:
- a を好む名詞 LOT, COUPLE
- the を好む名詞 END, NUMBER
- 場合による名詞 KIND
趣旨:
- 名詞につける冠詞に a を使うか the にするかは、対話の流れや文脈で決まる。
- ここでは逆に、名詞によっては a あるいは the を名詞が自分で選ぶ場合もあることを実例を通して示した。
- こうした事例を知ることで、慣用が身に着くことを期待している。
考察:
- 6万件を全部調べなくても、1000件もあれば、上位の状況がつかめることがわかった。
- 名詞によって冠詞 a/the のつき方に個性があるのは、それぞれの名詞の意味と関わっていると考えられる。
- このあたりの研究が望まれる。
資料:
- 共起検索の操作手順は、プレゼン原稿に末尾資料(13ページから)として添付してある。
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冠詞の用例 there's a を使った発声練習
趣旨:
- 冠詞 a や the は 普段は目立たない音声である。
- しかし、母語話者(AI)は音声の流れの中で聞き分けていることが添削でわかる。
- こうしたことを添削の赤ペンで知ることが、通じる発声につながると考えられる。
考察:
- 音声評価は、複数の母語話者と日本人専門家の主観的判断でランク分けすることが多い。
- しかし、判定者の主観的評価を 生徒や第三者は信じるしかないという問題があった。
- これに対し音声添削であれば、どの部分が通じなかったのかを赤ペンで示し、視覚的に、誰でもわかる方法で共有できるので、客観的な評価となった。
- 評価された生徒の立場からすれば、一目しただけで どこに注意すればよいのかを理解できる利点が大きいと思われる。
- 音声添削という新発想の効果を確かめる研究を始めている。
研究授業への招待:
- 関心のある教育者の 音声添削研究授業への参加を募っている。
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