2018/07/05 LETに被害救済と運営改善を申し入れ
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さる6月8日に、ミント音声教育研究所の田淵は、外国語教育メディア学会(LET)柳善和会長に被害救済と運営改善の申し入れ書を送りました。
ITをめぐる社会の変容は激しく、それに応じた著作権の改訂が相次いでいます。学術団体としても、そうした変化にしっかり対応していく必要と、社会的義務があると考えます。
他方田淵には、サイトの運営者として、授業や学習でTEDコーパスを利用されている先生や生徒などの利用者に対する責任を果たす必要があります。
しっかりと議論を積み重ねて正しい解決をはかる所存です。時間は掛かるかもしれませんが、会長以下LETの本部の方々には、スピード感を持って真摯に対処いただけると信じています。
利用者を始め皆様の ご理解とご支援をお願いします。
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もくじ |
- 申し入れに至る経緯
- 外国語教育メディア学会(LET)への申入書
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11 月 18 日関東支部大会における研究発表中止処分を通告するメールが事務局から送られてきたのは前日 17日 のことでした。
今回の研究発表中止事案に関しては誰も傷つかないような正しい解決を求めて努力し、大先輩方に仲介を依頼するなど手を尽くしてきました。しかしその甲斐もなく、教育研究活動への実害が広がるばかりの状態となっています。
今回の問題は、教育メディアを掲げる外国語教育メディア学会にとって重要な課題であることもあり、また学術団体としての公益性と透明性の観点からもうやむやにするわけには行きません。著作物を扱うことが必須の学会において、“事務局では判断できないから著作権者の許諾が必要である。許諾がなければ研究発表は禁止する”と言う関東支部の考えは、LET全体の考えと同じとは思えません。
組織運営を行う執行部や事務局がその責任ある立場から裁量が求められる場合もあります。その場合には判断の妥当性とその検証が求められます。判断する場合には団体の利益と不利益を衡量するとともに、その判断の説明責任が求められます。これらの手続きを踏むことなく、裁量に従わせようとする態度は、一般に独裁と言われるものです。問題点を明らかにし実証的に議論を積みあげる科学的手法には程遠いと言わざるを得ません。学術団体の信頼を揺るがしかねません。
関東支部が発表を禁じたTEDコーパス検索エンジンに関わる研究発表はこの3月に教育問題研究会(JASET)と自然言語処理学会(NLP)で行いましたが、なんら問題もありませんでした。科研費研究でTEDコーパス検索エンジンを開発する先生方もおられますし、LETにおいてもTEDに限らず明示的に著作者の許諾を取ることなく研究発表が行われてきました。
11 月支部大会の別の発表ではTEDコーパスが紹介されました。また、運営委員会で発表中止を決めたとする1週間前の 10 月 14 日には、関東支部長出席の下、TEDコーパス検索エンジンの研修会を行いました。この研修会の主催は副支部長が代表を勤めるeラーニング研修部会でした。このわずか 7 日後に当事者への聴き取りも説明もなく事務局が主導して、いきなり研究発表中止処分を決定する不自然さはどこから生じたのでしょうか、理解できません。
以上述べたような教育研究と著作権に関わること以外に、支部運営の不適切さもあります。
発表中止処分においては事情の聴き取り・処分事由の説明・学会規則における処分の根拠・処分に対する不服申し立て手段確保などの基本ルールがないがしろにされています。また、ことあるごとに“連絡は受け付けない”、“学会での活動は二度とできない”、“会員でいるなら従え”、“記事を撤回し謝罪しろ”、“サイトを閉鎖しないと発表させない”、“支部への意見を記事にするな”など、立場を利用して限度を越えた要求を行い威圧を加えてきました。
特に見過ごせないのは、学会の枠を越えた事態が生起したことです。私は昨年暮れに慶応大学日吉キャンパスで予定されていた教育フォーラムで講師を依頼されていましたが、ある運営委員が 10 月 21 日の運営委員会の議事内容を即日の内に利用してフォーラム責任者に“TEDコーパスは著作権に違反していて学会として発表をさせないことになったから慶応でも中止しろ”、“開催すると問い合わせが相次いで混乱する”などと威圧して介入を繰り返し、企画中止に追い込みました。このとき使われたのが運営委員会で配布された資料でした。
運営委員会の議事録の閲覧を求めたところ“公開を前提にしたものではない”との理由で拒絶されました。情報公開は民主主義の成熟度を測るバロメータと言われます。情報公開はそれに基づいて会員が意思決定を行うために必須の条件であるにもかかわらず、また生起している事案の重大性からすれば、議長等の裁量の範囲で関係部分だけの公開にとどめるなど配慮することもできるはずです。運営委員会が一般会員からはブラックボックス化することは学術団体の公益性に反しないのでしょうか。また、運営委員であれば、運営委員会の議論や資料を他団体に開示し、他団体の運営に介入することが学術団体の公益なのでしょうか。今回の事案はLETの信頼に大きく影響する問題ではないでしょうか。執行部や事務局は誰のためにその権力を行使しているのかを見極めなければなりません。
苦痛や支障を会員に強いる支部事務局の不適切な運営と言動を正しく解決されることを望むとともに、支部運営が改善され、問題が学会の枠内で解決に至るよう強く願い、学会長に申し入れすることになりました。
* この半年の間に数度にわたりTEDと連絡を取ってきました。
* TED とのやりとりは近く公開予定です。
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不適切な運営や言動による被害からの救済と、
不適切運営即時改善の申し入れ
外国語教育メディア学会 会長 柳善和 殿
私は昨年秋以降、外国語教育メディア学会関東支部事務局より、下記にあげる不適切な運営と言動による圧迫を受け続け、大きな精神的苦痛を背負って日々を過ごしています。また、教育研究活動の多方面で支障が生じています。
よって、被害救済と、支部運営改善、再発防止など、学会として直ちに対処され、経過と結果を公表されるよう申し入れます。まずは、昨秋 10 月 21 日の関東支部運営委員会における議事内容、及び、11 月 18 日関東支部大会における研究発表中止処分の経緯についての調査結果、及び、本事案解決のタイムスケジュールを本年 7 月 10 日までにご連絡願います。
なお、参考資料を別紙として添付します。
記
関東支部事務局による主な不適切運営
- 2017 年 10 月 21 日の運営委員会において、当事者への聞き取りもなく、弁明の機会も与えず研究発表中止処分を行い、かつその後の説明もない。
- 2017 年 11 月 18 日に予定されていた研究発表(以下単に研究発表と呼ぶ)のどの部分が法令や学会規則に違反するかの説明がなく、研究発表中止処分事由が不明である。
- 違反とされる行為と研究発表中止処分の相当性についての検討がない。
- 研究発表中止処分が、学会の発展にどのように寄与するかについての説明がない。
- 「田淵からの連絡は受け付けない」「意見は山口を通せ」などと、言路を閉ざした。
- 「メルマガの記事は誹謗中傷」「謝罪と撤回がなければ処分する」などとして、根拠の説明もなく公開情報の撤回を強要した。
- 根拠を明示することなく、手続きを経ることなく、サイト閉鎖を研究発表の条件にした。
- 研究発表を採択した査読基準と、禁止した事務局基準の異同について説明がない。
- 根拠なく「著作権を侵害した」「事務局長を誹謗中傷した」との悪評を流布した。
- そもそも、2017 年 10 月 21 日の運営委員会において研究発表中止処分が本当に決定されたのかについての証拠がない。
関東支部事務局構成員による主な不適切言動
- 本件に関するご連絡は,本事務局としての受付を差し控えさせていただきたい
- ●●さんに嫌われたら学会でやっていけない
- 社会的に抹殺されて終わり、学会での活動は二度とできない
- 記事を撤回しないと学会として風当たりが強い、会員でいるなら取り下げろ
- メルマガの記事は喧嘩を売ってるかと思った
以上
2018 年 6 月 8 日(金)
外国語教育メディア学会関東支部所属
ミント音声教育研究所 田淵龍二
* 公開に当たり一部伏字とした
* 参考資料別紙は追って公開予定
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2018.07.05 田淵龍二
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