みっつ目は、複数のリーダビリティ公式の値を同時に測定し、グラフ表示することです。リーダビリティ公式は「どれが正しいか」ではなく、「どの場面、どの対象者にはどの公式が適しているか」と言う価値基準で見なければなりません。そのためには、ひとつのテキストに対する複数のリーダビリティ公式の値を同時に表示し比較できなければなりません。それを実現するためにミングルができたわけです。では、同じテキストに対してどうして複数のリーダビリティ値が必要なのでしょうか? それはテキストの利用目的によるからです。学校の勉学用のテキストは、学ぶ者の今の学力より少しだけ難しくなければ勉強になりませんが、病院や役所などが発行する市民向けの説明書は、一般社会人が無理なく理解できなければなりません。また、契約や規約に関するものは「読みやすさ」よりも「正確さ」が要求されます。ミングルに始めて搭載したMGJP(Mint Grade Level for Japanese Students)は日本での英語教育向けに開発したものですから、小中高大と英語学習を段階的に継続する生徒や学生を対象としています。この公式を、英語母語話者向け学校教育用に作成されたMGEN(Mint Grade Level for English Native Speakers)と比べると、日本人英語学習者と英米母語話者の読解特性の差異が明らかになるかもしれません。これは、今後の課題にしています。