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三木秀夫法律事務所
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ニュース六法目次
PSEマークなき中古家電が販売禁止へ(2006年03月04日)電気用品安全法
電気用品安全法が4月から本格施行され、基準に適合していない電気製品の販売ができなくなるが、名古屋市内の中古家電販売店などは、新規買い取りを中止する一方、在庫処分セールを行うなど対応に追われている。「感電や漏電などのトラブルが減り、安全性が高まる」と、経済産業省がPRする新法だが、業者らの間には「リサイクル時代に逆行する規制」などとの反発の声もある。

同法は2001年4月、電気製品の安全性確保を目的に施行された。検査済みを示す「PSEマーク」がなければ販売できなくなったが、このうちテレビや冷蔵庫、洗濯機、オーディオ機器などには5年の猶予期間が設けられた。
 
法施行後に製造された製品にはPSEマークがついているため、猶予期間が終わっても支障がないが、問題はそれ以前に製造された製品。業者が販売を続けるには、新たに「製造事業者」として国に届け出たうえ、自社で安全試験を実施しなければならない。製造物責任(PL)法による責任や、他社製品を自社製品として販売することで商標権の問題が生じる恐れもあり、そこまでやる業者は少ない。(2006年03月04日 読売新聞)

○電気製品の安全確保をメーカーに義務づける電気用品安全法が4月1日に本格施行(猶予措置の期限切れ)されるのに伴い、安全を証明する「PSE」マークが付いていない中古家電製品は半数以上が販売できなくなる。仙台市内のリサイクル店ではこれらの商品の買い取りをやめており、知らずに売りに来た人が困惑している。店側も在庫を売り切ろうと、安売りを始めた。(2006年03月04日 河北新報ニュース)

○ただにしてでも処分を 電気用品安全法の周辺
本県を含め、中古家電を取り扱う全国のリサイクルショップに激震が走っている。多くの中古家電の販売が4月からできなくなる事実が突然浮上してきたからだ。原因は平成13年施行の「電気用品安全法」。同法により、同年以降に製造された製品には「PSEマーク」が付けられているが、同マークのない古い電気製品の多くが、事業目的の販売を禁止される。(2006年03月03日高知新聞)

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○中古電化製品の業者の間で、電気用品安全法をめぐる問題が大騒ぎになっている。

2月以降、私のところにも、顧問先の中古物販売業者から問合せがあった。「PSEマーク」貼付のない中古家電などが4月1日から売れなくなるという、まさに寝耳に水のような話が中古業界関係者に広く伝わったのは、この2月であった。

牛肉の「BSE問題」ならぬ「PSE問題」で、中古家電業界は大パニックとなった。

○電気用品安全法とは
1999年(平成11年)8月6日に「通商産業省関係の基準・認証制度等の整理及び合理化に関する法律」(法律第121号)が公布され、これにより、電気用品取締法は「電気用品安全法」に改称・改正され、2001年(平成13年)4月1日より施行された。

電気用品安全法は、「電気用品の製造、販売等を規制するとともに、電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険及び障害の発生を防止すること」を目的としたものである(同法第1条)。その内容は、電気製品の安全確保をメーカーや輸入業者などに義務づけたもので、電気用品取締法の改正に合わせて基準を厳しくした。

この法律が目的とする「電気製品の安全確保」自体は確かに重要な事である。同法は規制緩和の一環として、安全性を事業者の自主性に任せようとするものである。ただ、その趣旨からして、これは家電メーカーなどを対象とした法律で、中古家電を扱う業者などは全く関係がないと思われていた。

○ところが、06年2月10日に、経済産業省ホームページ上で初めて、「中古品も対象」と記載され、同年2月中旬になって、リサイクル関連業者に初めて通知が始められたのであった。
 
テレビや冷蔵庫、洗濯機、オーディオ機器などの5年の猶予期間が終わっても、01年の法施行後に製造された製品を中古として販売する分には、製造段階で「PSEマーク」がついているため、支障がないが、問題は01年以前に製造されたそれら製品である。中古業者がそういった中古商品の販売を続けるには、新たに「製造事業者」として国に届け出たうえ、自社で安全試験を実施しなければならないが、そのコストは大変なものであるので、事実上取扱ができなくなるというのである。

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○電気用品安全法の概要
経済産業省 電気用品安全法のページ
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/index.htm

対象品目は452品目(特定電気用品:112品目、特定電気用品以外の電気用品:340品目)で、それぞれに技術基準を定めた。

「電気用品の製造又は輸入の事業を行う者」(製造事業者等)は経済産業大臣に届出なければならないこととした。(外国製造製品は輸入事業者が届出)。

製造事業者等が電気用品を製造又は輸入する場合に、@当該電気用品が技術上の基準に適合しているかの「確認検査」を行い、Aその「検査記録を作成」し、Bその検査記録を「保存」しなければならないこととなった。  

この義務を果たした製造事業者等は、電気用品の対象品目であることを示す表示として、「PSEマーク」を付けることとなった。販売事業者は、電気用品安全法の表示のない電気用品を販売することはできない。

販売した電気用品が技術基準に不適合である場合等において、特に必要のある時は、当該型式の電気用品に対して表示の禁止を行い流通の防止を図ることとなった(危険等防止命令)。また、技術基準に適合していない場合は、特に必要な、電気用品の回収を図ること等必要な措置をとることを命ずることができることとなった。

これらの命令等の違反について、違反の内容に応じて100万円以下(又は懲役1年以下)、30万円以下、10万円以下の罰金に処せられる。また、法人に対して1億円以下の罰金が課されることとなった。 

○電気用品安全法の経過措置期間とは
このように、平成13年4月1日から、付すべき表示が、旧法(電気用品取締法)での表示から、電気用品安全法の新しい表示「PSEマーク」表示に変わった。

ただし、旧法での表示の電気用品については、販売できる経過措置期間が設けられ、施行から5年間(2006年3月31日まで)(電気冷蔵庫、電気洗濯機、テレビジョン受信機、電子楽器、音響機器、ゲーム機器などの259品目)、7年間(電気マッサージ器、直流電源装置(ACアダプター)、電気スタンド、電気冷房機(エアコン)、電動工具など)、10年間(蛍光灯用ソケット、電線管など)の期間が規定された。

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○問題は、この販売できる経過措置期間5年(2006年3月31日まで)が過ぎる電気冷蔵庫、電気洗濯機、テレビジョン受信機、電子楽器、音響機器、ゲーム機器などが、06年4月1日以降は、この「PSEマーク」の表示がない製品の販売は出来なくなることである。これを含め2011年までに450品目の全てが対象となり、PSEマークが無いと販売禁止になる。

○なぜ中古業者が慌て始めたかというと、中古品であっても、電気用品安全法の対象となるということが、この2月に業界に経済産業省が各都道府県警察を通じて説明がなされ、大半がこの4月からは販売できなくなると分かったためである。影響を受けるのは、中古産業用機械販売業者、リサイクルショップ、アンティークショップ、質屋、中古オーディオショップ、中古楽器店、中古ゲームショップなどである。

もちろん、「PSEマーク」が付されていれば、中古品もこれまでどおり販売することができ、旧法の表示の電気用品も、経過措置期間内は販売することが可能である。しかし、上記の業者が販売する電気製品は、その大半が01年4月以前の製品であるところ、それには当然にPSEマークがついていないため、販売する事ができなくなる。

中古楽器店などが扱う音楽機材ビンテージなどの中古楽器について、坂本龍一氏などが反対署名の呼びかけを始めた。

○旧法表示の付してある電気用品についても「PSEマーク」を付ける道はないことはない。

電気用品安全法に規定する製造事業者であれば、@氏名・住所、製造する電気用品名及び製造する事業場の名称・住所等に関する「事業の届出」を行い、A旧法表示の付してある電気用品について電気用品の技術基準に適合していることを確認し、B特定電気用品については、登録検査機関の適合性検査を受検し、適合性証明書を入手保存し、C完成品について自主検査を行い、その検査記録を保存するといった電気用品安全法上の技術基準への適合確認等、電気用品安全法上の義務を履行した上で、新たに電気用品安全法の表示を付すことは可能である。

しかし、リサイクル業者が自ら通電性などの検査を行い、「PSEマーク」を付けることもできるが、多大なコストがかかる。また、製品によっては、新たに「PSEマーク」を付ける行為が、商標権者等の権利者の侵害に当たる可能性があるため、その対応が必要となりトラブルの恐れもある。また、このような場合、消費者に対して当該電気用品の製造物責任を負うことになり、PL事故が発生した際の賠償責任が生じ得ること等、製造事業者としての責務が伴うことなる。そういった意味で、中古業者において、こういった対応をするのは非現実的である。

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○周知をめぐる問題点
大半の中古販売業者が、この法律の存在を意識したのは、今年に入ってからである。このような重要な法律について、猶予期間直前まで、経済産業省が中古業界や消費者への周知を行わなかったことは大きな問題である。法律であるから、公布後に官報には掲載されたのは確かであるが、中古業界をはじめ一般消費者がこの法律に関する情報を知ることが無いまま今に至った。これでは何のために5年の猶予期間を設定したのか、全く意味がない。明らかな行政の対応ミスとしか言い得ない。

2月24日の塩川鉄也議員(共産党)による質問でも、経済産業省の迎陽一商務流通審議官は、業界団体に通知はしていなかったことや、今年に入って始めて警察庁の協力で関係団体への連絡をしたことを認めている。西野あきら経済産業副大臣も、「古物商・リサイクル業者に対する徹底は不十分だったとおもう」と答弁をしている。

さらに、3月1日の川内博史議員(民主党)の「経済産業省が警察庁を通じて中古品販売関係業界団体に対して事務連絡の書類を送付したのは何時か」という質問に対して、迎陽一商務流通審議官は、何と「2月15日以降」との回答をしている。また、同議員が警察庁巽審議官に対してした「警察庁が2月15日に依頼を受けてどのような方法で、いつから周知をはかったか」という問いに対して、同審議官からは、2月17日に文書で、中古電気用品を扱う古物商・質屋が加盟する全国質屋組合連合会、全国古物商組合防犯協力連合会など18の業界団体に対して加盟業者への周知をお願いしたことと、各県警にも同じ文章を送って県警からの業界団体への周知も依頼したことの説明があったが、各県警から都道府県の業界団体への文書が出されたかどうかの確認に対しては、各都道府県警の対応は把握してないとの回答であった。

○そもそも電気用品安全法は電気用品取締法の改正法であるところ、3月1日の上記川内議員の質問に対する流通審議官の回答によると、中古電気製品業界への影響について、審議会で議論がなされた事は全く無いとのことである。また、このことが2月中旬以降に多数の中古販売業者から経済産業省への問い合わせに応じて、2月17日になって始めて同省のHPにPSEマーク付与のための情報をのせたということである。2月17日から3月末までの期間で対応せよというのは明らかに無理な話である。何度も言うが、全体を通じて、行政側の対応は誠に粗雑と批判されても仕方が無いのではないか。

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○塩川鉄也議員(共産党)は、そもそもこの法律の対象として、中古品は入らないのではないかとの疑問を述べている(2006年3月2日(木)「しんぶん赤旗」サイト)

それによれば、99年の国会審議でも「中古」は問題になっていなかったという。また、経済産業省製品安全課などが編集した解説つきの『電気用品安全法関係法令集』(2002年第1版、04年第2版)でも、販売禁止の対象として記述しているのは「製造メーカーの在庫」のことで、中古品には触れていないと指摘している。さらに、02年5月に経済産業省のホームページに掲載された「電気用品安全法の概要」では、PSEマークを張れる事業者として届け出る対象を「電気用品の製造又は輸入の事業を行う者」と明記し、「販売の制限」も、製造・輸入業者への「製品流通前の措置」で、中古品はまったく対象になっていなかった、と主張している。旧法(電気用品取締法)での扱いも、通産省監修の『電気用品取締法関係法令集(訂正版)』によれば、「法施行の日以降に在庫違法電気用品を販売…取締りの対象となる」としていて、中古にはふれられておらず、「在庫」のものに限定されていると指摘している。注目される主張であろう。

しかし、経済産業省の担当者は、「改定前の電気用品取締法以来、中古品は排除されていない」と答弁している。

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○その後の動き(2006年03月24日追加記載)
PSEマーク中古品は不要に・経産省が方針を転換(06.03.24 NIKKEI NET)

経産省は24日、家電リサイクル業者などで構成する「PSE問題を考える会」の代表とともに異例の記者会見をして、従来の方針を転換すると発表した。

経産省による措置の柱は2つ。

まずレンタルする製品へのマークは不要としている法律の解釈を広げる。業者がマークのない中古の電気製品を売った場合でも、それはマーク取得に必要な漏電検査のための機器が行き渡るまでの間、貸し出したものであり、所有権は業者に残っていると見なす。

業者間の取引については、輸出用の中古品は対象外とした条文の解釈を緩める。国内向けか輸出用かが明確でない場合は、輸出向けの可能性もあると見なしてマークなしの流通を認める。

これらの措置に、反対運動を展開してきた同会の代表は「(法律の本格施行までの)猶予期間の延長を勝ち取ったと受け止めている」と発言。経産省側は「混乱回避のためには良い知恵だ」と述べた。しかし条文の手直しなどをしないまま「法律を裁量的に運用する手法だ」との批判が出る可能性がある。

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電気用品安全法(昭和三十六年十一月十六日法律第二百三十四号)
   
第一章 総則
(目的)
第一条  この法律は、電気用品の製造、販売等を規制するとともに、電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険及び障害の発生を防止することを目的とする。 

(定義)
第二条  この法律において「電気用品」とは、次に掲げる物をいう。
一  一般用電気工作物(電気事業法 (昭和三十九年法律第百七十号)第三十八条第一項 に規定する一般用電気工作物をいう。)の部分となり、又はこれに接続して用いられる機械、器具又は材料であつて、政令で定めるもの
二  携帯発電機であつて、政令で定めるもの
2  この法律において「特定電気用品」とは、構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害の発生するおそれが多い電気用品であつて、政令で定めるものをいう。

第二章 事業の届出等
(事業の届出)
第三条  電気用品の製造又は輸入の事業を行う者は、経済産業省令で定める電気用品の区分に従い、事業開始の日から三十日以内に、次の事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
一  氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二  経済産業省令で定める電気用品の型式の区分
三  当該電気用品を製造する工場又は事業場の名称及び所在地(電気用品の輸入の事業を行う者にあつては、当該電気用品の製造事業者の氏名又は名称及び住所)

(中略)

第三章 電気用品の適合性検査等
(基準適合義務等)
第八条  届出事業者は、第三条の規定による届出に係る型式(以下単に「届出に係る型式」という。)の電気用品を製造し、又は輸入する場合においては、経済産業省令で定める技術上の基準(以下「技術基準」という。)に適合するようにしなければならない。ただし、次に掲げる場合に該当するときは、この限りでない。
一  特定の用途に使用される電気用品を製造し、又は輸入する場合において、経済産業大臣の承認を受けたとき。
二  試験的に製造し、又は輸入するとき。
2  届出事業者は、経済産業省令で定めるところにより、その製造又は輸入に係る前項の電気用品(同項ただし書の規定の適用を受けて製造され、又は輸入されるものを除く。)について検査を行い、その検査記録を作成し、これを保存しなければならない。

(特定電気用品の適合性検査)
第九条  届出事業者は、その製造又は輸入に係る前条第一項の電気用品(同項ただし書の規定の適用を受けて製造され、又は輸入されるものを除く。)が特定電気用品である場合には、当該特定電気用品を販売する時までに、次の各号のいずれかに掲げるものについて、経済産業大臣の登録を受けた者の次項の規定による検査(以下「適合性検査」という。)を受け、かつ、同項の証明書の交付を受け、これを保存しなければならない。ただし、当該特定電気用品と同一の型式に属する特定電気用品について既に第二号に係る同項の証明書の交付を受けこれを保存している場合において当該証明書の交付を受けた日から起算して特定電気用品ごとに政令で定める期間を経過していないとき又は同項の証明書と同等なものとして経済産業省令で定めるものを保存している場合は、この限りでない。
一  当該特定電気用品
二  試験用の特定電気用品及び当該特定電気用品に係る届出事業者の工場又は事業場における検査設備その他経済産業省令で定めるもの
2  前項の登録を受けた者は、同項各号に掲げるものについて経済産業省令で定める方法により検査を行い、これらが技術基準又は経済産業省令で定める同項第二号の検査設備その他経済産業省令で定めるものに関する基準に適合しているときは、経済産業省令で定めるところにより、その旨を記載した証明書を当該届出事業者に交付することができる。

(表示)
第十条  届出事業者は、その届出に係る型式の電気用品の技術基準に対する適合性について、第八条第二項(特定電気用品の場合にあつては、同項及び前条第一項)の規定による義務を履行したときは、当該電気用品に経済産業省令で定める方式による表示を付することができる。
2  届出事業者がその届出に係る型式の電気用品について前項の規定により表示を付する場合でなければ、何人も、電気用品に同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。

(改善命令)
第十一条  経済産業大臣は、届出事業者が第八条第一項の規定に違反していると認める場合には、届出事業者に対し、電気用品の製造、輸入又は検査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(表示の禁止)
第十二条  経済産業大臣は、次の各号に掲げる場合には、届出事業者に対し、一年以内の期間を定めて当該各号に定める届出に係る型式の電気用品に第十条第一項の規定により表示を付することを禁止することができる。
一  届出事業者が製造し、又は輸入したその届出に係る型式の電気用品(第八条第一項ただし書の規定の適用を受けて製造し、又は輸入したものを除く。)が技術基準に適合していない場合において、危険又は障害の発生を防止するため特に必要があると認めるとき。 当該技術基準に適合していない電気用品の属する届出に係る型式
二  届出事業者が製造し、又は輸入したその届出に係る型式の電気用品について、第八条第二項又は第九条第一項の規定に違反したとき。 当該違反に係る電気用品の属する届出に係る型式
三  届出事業者が製造し、又は輸入したその届出に係る型式の電気用品について、前条の規定による命令に違反したとき。 当該違反に係る電気用品の属する届出に係る型式

(第十三条〜第二十六条  削除)
 
第四章 販売等の制限
(販売の制限)
第二十七条  電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者は、第十条第一項の表示が付されているものでなければ、電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。
2  前項の規定は、同項に規定する者が次に掲げる場合に該当するときは、適用しない。
一  特定の用途に使用される電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列する場合において、経済産業大臣の承認を受けたとき。
二  第八条第一項第一号の承認に係る電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列するとき。

(使用の制限)
第二十八条  電気事業法第二条第一項第十号 に規定する電気事業者、同法第三十八条第四項 に規定する自家用電気工作物を設置する者、電気工事士法 (昭和三十五年法律第百三十九号)第二条第四項 に規定する電気工事士、同法第三条第三項 に規定する特種電気工事資格者又は同条第四項 に規定する認定電気工事従事者は、第十条第一項の表示が付されているものでなければ、電気用品を電気事業法第二条第一項第十六号 に規定する電気工作物の設置又は変更の工事に使用してはならない。
2  電気用品を部品又は附属品として使用して製造する物品であつて、政令で定めるものの製造の事業を行う者は、第十条第一項の表示が付されているものでなければ、電気用品をその製造に使用してはならない。
3  前条第二項の規定は、前二項の場合に準用する。

第五章 検査機関の登録等
第一節 検査機関の登録
(中略)

第三節 外国登録検査機関
(中略)
 
第六章 雑則
(中略)

第七章 罰則
第五十七条  次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一  第十条第二項の規定に違反して表示を付した者
二  第十二条(第一号に係る部分に限る。)の規定による禁止に違反した者
三  第二十七条第一項の規定に違反して電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列した者
四  第二十八条第一項又は第二項の規定に違反して電気用品を使用した者
五  第四十一条の規定による業務の停止の命令に違反した者
六  第四十二条の五の規定による命令に違反した者

第五十八条  次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一  第三条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二  第八条第二項の規定に違反して検査を行わず、検査記録を作成せず、若しくは虚偽の検査記録を作成し、又は検査記録を保存しなかつた者
三  第九条第一項の規定に違反して、証明書の交付を受けず、又は証明書を保存しなかつた者
四  第三十六条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
五  第四十二条第一項の規定に違反して同項に規定する事項の記載をせず、若しくは虚偽の記載をし、又は同条第二項の規定に違反して帳簿を保存しなかつた
六  第四十五条第一項又は第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
七  第四十六条第一項又は第二項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して、正当な理由なく陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
八  第四十六条の二第一項の規定による命令に違反した者

第五十九条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一  第五十七条(第二号及び第六号に係る部分に限る。) 一億円以下の罰金
二  第五十七条(第二号及び第六号に係る部分を除く。)又は前条 各本条の罰金刑

第六十条  次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。
一  第四条第二項、第五条又は第六条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二  第三十七条第一項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第二項各号の規定による請求を拒んだ者

第六十一条  第四十六条の三の規定による命令に違反した場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
                                            弁護士 三木秀夫

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