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三木秀夫法律事務所
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ニュース六法目次
ミサイル「破壊措置命令」防衛相発令(2009年03月27日)自衛隊法82条の
○政府は27日午前、国会内で安全保障会議を開き、北朝鮮が「人工衛星」打ち上げ名目で発射した長距離弾道ミサイルが日本の領土・領海に落下する事態に備え、ミサイル防衛(MD)システムで迎撃する方針を決めた。これを受け、浜田靖一防衛相が自衛隊法82条2の第3項に基づき「破壊措置命令」を自衛隊に発令した。(産経新聞2009/03/27 )

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○北朝鮮が、また、迷惑な行動をしようとしている。恫喝外交と言われ続けているが、ここまで来ると、もはや世界の暴力集団と言ってもいいのではないか。

○北朝鮮の国際海事機関(IMO)及び国際民間航空機関(ICAO)への通告では、使用済みロケットの各段が落下する危険海域を発表している。それによると、4月4〜8日の11時〜16時にかけて、日本海・秋田沖130kmに南北20km東西250km、また日本沿岸から2150kmの太平洋に南北160km東西800kmを、それぞれ危険水域としている。これら地域は、発射地点のムスダンリからみて、ロケットの第1段と第2段が落下する海域と考えられている。1998年8月のテポドン1号と比べると、危険水域は、それぞれムスダンリからの距離が大きく伸びているようで、今回がテポドン1号に比べてより大きなロケットであるようだ。

○他人の国の上空に「人工衛星」と強弁しながら、ミサイルを飛ばして、近海に落下させるというが、まかり間違って国内に落下したら、大変な犠牲者が出ることは必至である。この北朝鮮が主張する「人工衛星」の発射予定の約一週間前に、自衛隊法に基づく「破壊措置命令」が発令された。関西には飛んで来ないだろうとの雰囲気ではあるが、秋田・岩手の方々は気が気でないであろう。

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○今回の手続きを見ると、27日午前に、国会内で「安全保障会議」が開かれ、北朝鮮の発射した弾道ミサイルが日本の領土や領海に落下する場合、ミサイル防衛(MD)システムで迎撃するという方針を決めた。これを受けた浜田防衛相大臣が、自衛隊法82条の2の3項に基づき、閣議決定を経ずに、自衛隊に「破壊措置命令」を発令した。命令期間は4月10日まで。2003年にMDシステム導入を決め、2005年に「破壊措置命令」の規定を設けてから初めての発令となる。

○今回の「破壊措置命令」という言葉は、自衛隊法に規定されたものであるが、戦時を想像させるような響きがあり、緊張感を持たせるには十分な言葉である。ただ、この「破壊措置命令」については、当初、発射される物体が「日本に飛来する恐れがある」と認定した場合に可能となる閣議決定とする案(82条の2第1項方式)もあったようである。しかし北朝鮮の通報内容などから、そういった恐れは「非常に低い」とみて、事態の急変に備えて閣議決定を経ずに行える命令として出されたようである。

○今回の発射体が、落下してこずに、無事に上空を通過する場合は、迎撃は見送る。日本を目指さず、他国(アメリカなど)に向かって通過するだけでの迎撃は、自衛隊法ではできない。そもそも憲法が禁じる集団的自衛権の行使にもつながる恐れもあるためである。

○実際は東北地方のはるか上空を通過すると見られているが、故障などで日本の領土・領海に落下する事態になった場合は、海上自衛隊のイージス艦がまず、スタンダード・ミサイル3(SM3)を発射して大気圏外で迎撃する。それで撃ち漏らした場合は、地上から航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット・ミサイル3(PAC3)を発射して高さ十数キロで迎撃する。ただ、ピストルの弾をピストルで撃ち落とすようなものだとの声もある。外してしまうようなことがあれば、大金を投じながら何たる結果との声になろうから、事は大変なことである。

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○弾道ミサイルの迎撃に関しては、大きく2つの法的制度がある。その一つは衛隊法第76条の「防衛出動」で、弾道ミサイル等の外部からの武力攻撃が発生した事態、または発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態に際して、防衛するため必要があると認める場合には、自衛隊の全部又は一部の防衛出動が下命され、その一環として迎撃が行われることもある。この場合においては国会の承認を得なければならないとされている。今回の場合は、弾道ミサイル等の外部からの武力攻撃そのものではないので、この要件には当然には該当しないし、もうこのような事態になれば自衛戦争である。もう一つが、自衛隊法第82条の2の破壊措置命令である。

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破壊措置命令とは
自衛隊法82条の2では、弾道ミサイルや人工衛星などが日本に落下し人命や財産に被害を及ぼす恐れがある場合は、防衛大臣がミサイル防衛システムを使って上空で破壊する命令を発令することができると定めている。ただ、その「破壊措置命令」には次の2種類がある。

(1)弾道ミサイル等が飛来するおそれがあり、被害を防止する必要があると認めるとき、内閣総理大臣の承認(閣議決定)を得て、防衛大臣が命じるもの(自衛隊法82条の2第1項)

(2)弾道ミサイル等が飛来するおそれがあるわけではないが、事態が急変し内閣総理大臣の承認(閣議決定)を得るいとまがなく弾道ミサイル等が飛来する緊急の場合における被害を防止するため、防衛大臣が作成し、内閣総理大臣の承認(閣議決定)を受けた緊急対処要領に従い、あらかじめ、自衛隊の部隊に対し、防衛大臣が命じるもの(同条第3項)

○ミサイルなどが落下する具体的な兆候がある場合は1項が適用され、内閣総理大臣の承認(閣議決定)が必要になる。今回の河村官房長官の発表を聞くと、飛来する恐れは認められないが「事故が発生したら落下する場合がある」と判断し、自衛隊法82条の2第3項を選択したもののようである。簡単に言うと、今回は「日本への落下は考えにくい」にもかかわらず、3項を使って「万が一の緊急事態に備えて」命令を発動させたこととなる。

○ただ、3項の場合は非公表が前提であるのに公表した理由については、北朝鮮の事前通知があったことと、国民の不安を和らげるためできるだけ説明する必要があったことを挙げていた。

○自衛隊法82条の2の3項で定める「内閣総理大臣の承認を受けた緊急対処要」では、ロケットが発射されれば直ちに迎撃・破壊するとまでは言っていない。また、同条1項での弾道ミサイル等の定義は、「弾道ミサイルその他その落下により人命又は財産に対する重大な被害が生じると認められる物体であつて航空機以外のものをいう」と定められていて、北朝鮮のロケットが本当に人工衛星打ち上げロケットならば、この定義には該当しないため、破壊はできない。

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○この自衛隊法82条の2の「弾道ミサイル等に対する破壊措置」は、2005年の改正で付け加えられたものである。今回のように北朝鮮が日本に向けて弾道ミサイルを発射した場合を想定したものである。このような場合、着弾までに要する時間は10分未満であるため、首相・外相・防衛庁長官など関係閣僚で組織された安全保障会議や閣議を経て首相が命じるという通常の防衛出動の手続きを踏んでいる時間は全くないことから、追加されたものである。

○最初の防衛庁案では、領空侵犯に対するスクランブルと同様の方式が模索されていた。つまり、事前に作成し首相が承認した「緊急対処要領」にもとづいて防衛庁長官が一度命令さえしておけば、いつでも現場の指揮官の判断で迎撃できるというものである。しかし文民統制上で問題があるとの意見から、結局「飛来するおそれ」がある場合(82条の2第1項)には首相の承認を要することとし、例外たる3項の「事態が急変」した場合に備えた事前の迎撃命令には、期限が設けられることとなった。緊急性と文民統制とのバランスを保つための構成であるが、緊急対応のための漏れがないようにしないとならない。

○なお、自衛隊のMDシステムは、「集団的自衛権は保持しているが、行使できない」という現行の憲法解釈との兼ね合いの問題も抱えている。同システムは、最初に海自のイージス艦からSM3ミサイルで大気圏外で撃破し、万一撃ちもらした場合は航空自衛隊のPAC3ミサイルで対応するという二段構えだが、日本領空での撃破たるPAC3は日本国内だが、もし最初のSM3による大気圏外での撃墜ミサイルが、アメリカ合衆国に向かっていたものならば、「集団的自衛権の行使」にあたることになるという問題である。このため82条の2第3項は、「我が国に向けて弾道ミサイル等が飛来する」場合に迎撃対象を限定した。しかし、発射から数分の間に、どこに向けて発射されたのかの区別が本当に可能jなのかは、気になるところではある。「弾道ミサイル等」の「等」の部分にはミサイルの部品が含まれ、アメリカ合衆国に向かっているミサイルでも日本領空で部品等が落下してきた場合の撃破は個別的自衛権となると解している。本来は、こういった現実の前で、集団的自衛権に踏み込んだ国会論争が必要なところと思うが、先送りされているのは仕方がないのであろうか。

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○今回の発令に関して、共産党は外交努力をもっと果たすべきであるとの意見を述べている。外交努力が基本であることはもっともであり、この意見は間違いではないが(十分な外交努力はしていると思うが)、自衛隊法82条の2の3項に基づく発令は、これを出しておかないと、万一の時には、いつでも自衛隊が動けるようにしておかなければならず、その意味でも今回の発動は当然であろう。いざ、危険だという事態になってからあわてても、あっという間に落下してくるからである。

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○自衛隊法
(防衛出動)
第76条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃(以下「武力攻撃」という。)が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至つた事態に際して、我が国を防衛するため必要があると認める場合には、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。この場合においては、武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成十五年法律第七十九号)第九条の定めるところにより、国会の承認を得なければならない。
2  内閣総理大臣は、出動の必要がなくなつたときは、直ちに、自衛隊の撤収を命じなければならない。

(弾道ミサイル等に対する破壊措置)
第82条の2  防衛大臣は、弾道ミサイル等(弾道ミサイルその他その落下により人命又は財産に対する重大な被害が生じると認められる物体であつて航空機以外のものをいう。以下同じ。)が我が国に飛来するおそれがあり、その落下による我が国領域における人命又は財産に対する被害を防止するため必要があると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に対し、我が国に向けて現に飛来する弾道ミサイル等を我が国領域又は公海(海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。)の上空において破壊する措置をとるべき旨を命ずることができる。
2  防衛大臣は、前項に規定するおそれがなくなつたと認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、速やかに、同項の命令を解除しなければならない。
3  防衛大臣は、第一項の場合のほか、事態が急変し同項の内閣総理大臣の承認を得るいとまがなく我が国に向けて弾道ミサイル等が飛来する緊急の場合における我が国領域における人命又は財産に対する被害を防止するため、防衛大臣が作成し、内閣総理大臣の承認を受けた緊急対処要領に従い、あらかじめ、自衛隊の部隊に対し、同項の命令をすることができる。この場合において、防衛大臣は、その命令に係る措置をとるべき期間を定めるものとする。
4  前項の緊急対処要領の作成及び内閣総理大臣の承認に関し必要な事項は、政令で定める。
5  内閣総理大臣は、第一項又は第三項の規定による措置がとられたときは、その結果を、速やかに、国会に報告しなければならない。

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○自衛隊法施行令
(緊急対処要領の作成等)
第104条の2  防衛大臣は、法第82条の2第3項に規定する緊急対処要領を作成するについては、次に掲げる事項を定め、これについて内閣総理大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
一  防衛大臣が法第82条の2第3項の規定による命令を発する場合及びこの場合において同項に規定する緊急の場合に該当することの認定に関し必要な事項
二  法第82条の2第3項の規定による措置の対象とする弾道ミサイル等の範囲及びその破壊方法
三  法第82条の2第3項の規定による措置を実施する自衛隊の部隊の行動の範囲
四  法第82条の2第3項の規定による措置を実施する自衛隊の部隊の指揮に関する事項
五  関係行政機関との協力に関する事項
六  法第82条の2第3項の規定による命令が発せられている場合において同条第1項に規定する弾道ミサイル等が我が国に飛来するおそれが認められたときにとるべき措置に関する事項

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○弾道ミサイル等に関する破壊措置に関する緊急対処要領(平成19年3月27日閣議決定)
自衛隊法(昭和29年法律第165号。以下「法」という。)第82条の2第3項及び自衛隊法施行令(昭和29年政令第179号。以下「令」という。)第104条の2の規定に基づき、同項に規定する弾道ミサイル等(法第82条の2第1項に規定するものをいう。以下同じ。)に対する破壊措置に関する緊急対処要領を次のように定める。
なお、この要領は、航空自衛隊航空総隊中部航空方面隊第1高射群(以下「第1高射群」という。)にペトリオット・ミサイルPAC−3を配備することによる現時点における我が国の弾道ミサイル防衛に関する能力を前提として定めたものであり、今後、その能力の向上等により、必要に応じ変更するものとする。
1 防衛大臣が法第82条の2第3項の規定による命令を発する場合及びこの場合において同項に規定する緊急の場合に該当することの認定に関し必要な事項(令第104条の2第1号関係)
(1)防衛大臣が法第82条の2第3項の規定による命令を発する場合
防衛大臣が法第82条の2第3項の規定による命令を発する場合は、次のいずれかに該当する場合とする。
ア 外国において弾道ミサイルが発射された疑いがあり、又は発射されるおそれがあると認める場合であって、その時点では、発射の目的、その能力等が明らかでないため、当該弾道ミサイルが我が国に飛来するおそれがあるとまでは認められないとき。
イ 外国において打ち上げられた人工衛星打上げ用ロケットその他の落下により人命又は財産に対する重大な被害が生じると認められる物体(航空機を除く。)が事故その他により落下するおそれがあると認める場合であって、その時点では、事故の場所、態様等が明らかでないため当該物体が我が国に飛来するおそれがあるとまでは認められないとき。
(2)緊急の場合に該当することの認定に関し必要な事項
緊急の場合に該当することの認定は、我が国の弾道ミサイル防衛システムにより弾道ミサイル等が我が国に向けて飛来することを確認することにより行うものとする。
2 法第82条の2第3項の規定による措置の対象とする弾道ミサイル等の範囲及びその破壊方法(令第104条の2第2号関係)
(1)弾道ミサイル等の範囲
次に掲げるもののいずれかに該当するものであって、1(2)の定めるところにより我が国に向けて飛来することが確認されたものとする。
ア 弾道ミサイル
イ 人工衛星打上げ用ロケット
ウ 人工衛星
エ その他その落下により人命又は財産に対する重大な被害が生じると認められる物体であって、航空機以外のもの
(2)弾道ミサイル等の破壊方法
法第93条の2の規定に基づき、第1高射群に配備されているペトリオット・ミサイルPAC−3を発射し、我が国領域又は我が国周辺の公海(海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。以下同じ。)の上空において破壊するものとする。
3 法82条の2第3項の規定による措置を実施する自衛隊の部隊の行動の範囲(令第104条の2第3号関係)
防衛大臣から法第82条の2第3項の規定による措置をとるべき旨を命ぜられた自衛隊の部隊(以下「実施部隊」という。)の行動の範囲は、我が国領域並びに我が国周辺の公海及びその上空とする。
ただし、第1高射群の行動の範囲については、上記の範囲のうち、首都圏における弾道ミサイル等の落下による被害を防止するために行動することが必要と認められる範囲であって、防衛大臣が法第82条の2第3項の規定による命令で定めるものとする。
4 法第82条の2第3項の規定による措置を実施する自衛隊の部隊の指揮に関する事項(令第104条の2第4号関係)
実施部隊は、第1高射群、航空警戒管制部隊その他事態に応じ防衛大臣が必要と認める部隊とし、航空総隊司令官の指揮下に置かれるものとする。
実施部隊の運用に係る防衛大臣の指揮は、統合幕僚長を通じて行い、これに関する防衛大臣の命令は、統合幕僚長が執行するものとする。
5 関係行政機関との協力に関する事項(令第104条の2第5号関係)
防衛省は、1(2)に定めるところにより弾道ミサイル等が我が国に向けて飛来することを確認した場合には、関係行政機関(内閣官房、警察庁、消防庁、外務省、水産庁、国土交通省、海上保安庁その他事態に応じ防衛大臣が必要と認める行政機関をいう。以下同じ。)に対し、直ちにその旨並びに当該弾道ミサイル等の落下が予測される地域及び時刻を伝達するものとする。
また、防衛省は、実施部隊が当該弾道ミサイル等を破壊する措置をとった場合には、関係行政機関に対し、直ちにその破壊の状況を伝達するものとする。
このほか、防衛省は、関係行政機関の求めに応じ所要の協力を行うものとする。
6 法第82条の2第3項の規定による命令が発せられている場合において同条第1項に規定する弾道ミサイル等が我が国に飛来するおそれが認められたときにとるべき措置に関する事項(令第104条の2第6号関係)
防衛大臣は、法第82条の2第3項の規定による命令が発せられている場合において同条第1項に規定する弾道ミサイル等が我が国に飛来するおそれが認められたときは、同項の規定により、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に対し弾道ミサイル等を破壊する措置をとるべき旨を命ずるとともに、同条第3項の規定による命令を解除するものとする。
                                            弁護士 三木秀夫

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