競艇の魅力

1.引き波と旋回

船が通ると航跡が出来ます。推進力を得るために水を後ろへプロペラで掻き送っているからです。

さて、この引き波を利用することによって、競走相手の進行を妨げることが出来ます。

競輪では風の抵抗を避けるために、「後ろにぴったり」ですが、競艇ではとんでもありません。

たちまち引き波の影響を受けて、ずり下がってしまいます。

競艇は先手を取ることが大きな効果を上げます。

相手の行き先に自分の引き波を作ることで、有利にレースができるわけです。

したがって、インコースからスタートする選手は、なんとしてでも第1ターンマーク(以下1M)を先に回ろうとします。

アウトコースからやってくる選手は1Mでイン選手を追い抜くには、引き波を越えて交差するか、外側から遠回りすることになります。

イン有利、が競艇の鉄則と呼ばれる理由がここにあります。

では、アウトの選手は引き波の恩恵は何もないのでしょうか。いえいえ、「ツケマイ」という手があります。

ちょっと説明してみましょう。

イン選手のすぐ外を素早く旋回することによって、イン選手のドリフトを利用して自分の引き波に入れてしまうことができます。引き波にはまると失速するというわけです。 「ツケマイ」とは「付けて回る」という意味から来ています。

                 

かなりへたくそな絵ですが、なんとなくわかるでしょうか。気にせず、話を進めましょう。

そして、1990年頃には「モンキー・ターン」と言って、旋回速度を上げる技術がすっかり定着しました。

旋回するときに競馬騎手の「モンキー乗り」のように腰を浮かせて体の重心をあげます。

そうすることによって、舟とのバランスの調整がしやすくなり、より速いターンができるようになります。

発明したのは当時選手中堅層の飯田加一選手です。

今までのターンは重心を低くして、つまり選手は舟底にへばりつくようにして舟の安定を図っていました。

これは、全く逆転の発想です。

初期は施行者側からも、「危なっかしくて事故の元になるからやめなさい」としつこく言われたそうです。

しかし、そこは飯田選手、自分の信念を押し通します。このターン技術に目をつけたのが若手選手たちでした。

敏捷性にすぐれた若手選手は自分のターン技術にモンキーを採用し、向上したターン速度は、今までのターンに固執した(することしかできない)ベテラン選手を追いやり、一気に世代交代をも加速させました。

やがて、対応能力があるベテラン選手たちは「モンキー・ターン」を取り入れるようになります。

世の中、何でも革新的なことはなかなか受け入れてもらえないものですが、本当にすぐれたものはいつか陽の当たるときがやってきます。

ところで、このツケマイ、俊太郎が実際見た中で一番すごかったのは、何年か前の戸田で行われた第11回賞金王決定戦競走の優勝戦。 植木通彦選手が1M先回りしようとする2コースの安岐真人選手の外を全速で抜けていったものです。

スタートライン過ぎても、1M手前まで来ても、「よし、先まくりで逃げた」と安岐選手の優勝を信じて疑いませんでした。

投票(舟券購入のこと)も安岐選手から、どっさりとしていたのです。

有名なレースなので、ヴィデオが残っています。それで繰り返し見ても、1M手前までやっぱりそう思います。

それくらい植木選手の旋回は強烈です。「艇王」と呼ばれるゆえんです。

次にすごかったのが多摩川の記念レースで見た、烏野賢太選手が2M全速ツケマイで岩口昭三選手を沈めたターンでした。ちなみに烏野選手のターンは「ハイテク・ターン」と呼ばれています。

今の競艇界では、ターンの完成度はこのふたりが高いことは衆目の一致するところです。

 

なお、競艇はレース中に舟と舟が接触することなどはしょっちゅうあります。「水上の格闘技」と称されるのももっともです。

一番すごかったのが、これまた何年か前の賞金王決定戦の優勝戦での植木通彦選手と中道善博選手のバトルです。

これは競艇史に残る名勝負ですので、知らない人はぜひヴィデオを見ておきたいものです。

競艇の公式サイト:Welcom to Kyotei official webから、なんとかなるんじゃないでしょうか。

 

2.フライング・スタートとゴールまで

 1Mの展開もスリリングですが、フライングスタートという助走をつけたスタートがこれまた迫力満点です。

選手は大時計が0秒を指してから、1秒以内にスタートラインを通過しなければなりません。

スタートラインはホームストレッチ中央の空中に小さな何枚もの三角フラッグを付けたラインが張ってあります。

(絵はめんどうくさいので、上の競艇公式サイトの説明を探して見てください。) 

さて、このスタートですが、他艇より0.1秒遅れるともう、勝ちはほとんど見込めません。

一方いいスタートを切った選手は1Mの展開を有利に進められますので、大きく勝ちに近づきます。

よって、スタートラインを通過した時点で、すでにもうファンの興奮は頂点に達するわけです。

 1Mを回ってしまえば1着は十中八九決まってしまいます。つまらなそうに思うでしょう。

だが、実はこれも競艇の魅力のひとつです。

ほとんどのファンの心理として、投票がはずれた展開のときは、あきらめもついて割と落ち着いていられます。

逆に的中している展開では、下駄を履くまで何があるかわかりませんから、ドキドキが続きます。

コースを3周してゴールするまでは、決して安心できないのです。

「頼むからそのまま転覆などしないで走ってくれ」と祈るような気持ちになります。

2番手、3番手はけっこうよく入れ替わります。3連単の投票も始まって興奮度がまたあがった気がします。

スタートしてから約1分50秒の興奮持続の快感は、勝ち舟に投票した人でないとわかりません。

 

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