じぇすとーな、小説案雑倉庫。

この文書では、私の頭の中にある未作成の小説案を紹介致します。
全部で7案。
ただし前半5つは実際に作成する予定がボツとなってしまった残念な案です。
本当はこれを書きたいという未練も依然あるのですが、
なにぶんメルカバーの現行コンテンツもかなり長期間に渡っての労を要しますし
それに私がこのHPに公開せずに独自の夢実現のため書いている小説、書きたいと思っている小説もあります。
風呂敷広げておいて申し訳ありませんが、ここでの概要公開だけでご勘弁願います。
ただ、強い要望があるというのならば、その時は喜んでお応えします。
また、ここで提示したボツ案のうち気に入ったものがもしあれば、
連絡ひとつで自由にパクってしまっても結構です。
お持ち戴ければメルカバーでの公開も検討致しましょう。

PS2『XenosagaEpisodeT』 番外編
『マシューズせんちょの
     借金返済大作戦』
 それは、エルザにモモとジギーがやってきてすぐの、これから嵐が始まるという時期でのお話。 
エルザが借金のカタにもっていかれ、しかも違法な改造の数々がそのため見つかり、投獄される。 
そんな嫌な夢を見てしまったマシューズは、なんとしても借金返済のための大枚を稼ぎ出そうとクルーを巻き込む。 
登場するのはマシューズ、アレン、ハマー、ケイオス、シオン、アレン、モモ、ジギー、コスモス。通信画面でならミユキも登場。 
◆パニック・バラエティ小説ネタ。本当はシオンがエルザに来る前のお話にするつもりだったんですが、 
よくよく考えるとシオンやコスモスやモモやアレンがいた方が楽しい展開になるのは確実。よって企画変更しました。 
しかし具体的なエピソードが浮かばず、また話のまとめかたもテーマが無いため難しい。 
結局ボツとなり、悔いもあまり無いです。これは所詮、ちょっと書いてみようかな程度の気持ちでしたからね。 
そういえば、アンドリューが時期的にいるはずだけど完全に忘れてたな・・・ 
アニメ『s.CRY.ed』  
番外編  
『ホーリーな日常』
 第1話以前を舞台とした、HOLY隊員たちの日常的なドタバタ騒動を描く。 
◆何か事件を起こすつもりでいたんですが、お話の目的はその事件における起承転結を描くことではなく 
その事件を通して各人の日常バカを描くことだったため、そっち系のエピソードだけが頭に出来上がっています。 
解決策を実行するためにシェリスの助力が必要になったためクーガーたち(たち? あと誰がいるんだろ)は説得に入るのだが 
シェリスにも劉鳳にも無関係な問題であったためシェリスはそっぽを向いてしらんぷり。 
しかしクーガーが「ここに、劉鳳の実家から拝借してきた、あの野郎の幼少時代のアルバムなんてものがあるんだが・・・」 
あと、何かのキッカケでプッツン切れたあすかがクーガーを追いかけてる絵が頭の中にあるんですよねー。 
足にラディカルグッドスピードしたクーガーが「はーははは」とか笑いながら走ってて、 
その後ろをエタニティエイトの円盤に乗ったあすかがブイーンと追い掛けてる。 
「橘ってばまだ追い掛けてんの?」「このーーーーー!!」「はーははははははは」 
PS『SaGaFrontier2』 
外伝小説 
『ラストリッター』
 エッグの野望が潰え、デーヴィドの統治のもとに人同士の争いも終息した『デーヴィドの平和』時代。 
偽ギュスターヴに放置された石切場のスライム洞窟に、1人のヴィジランツ青年が迷い込んでしまった。名はミリオン。 
彼は表向きヴィジランツを名乗っているが、せいぜいがモンスター駆除の依頼を受ける程度で 
クヴェル探しの一行に参加したり特定のディガーに親しんだりということは無い。 
獣を飼ってはそれを立ち寄った村の者に売り、そうやって日々の糧を得ていたというただそれだけの彼は、 
だが世界中を1人で渡り歩いてきたために精神的には安定しており、また達観している。 
そんな彼の優れたアニマに、メガリスの光は反応した。 
それまでストックされていたアニマが彼の身体に凝縮され、彼はかつてのエーデルリッターと同じ存在になった。 
 人間でありながら、量質ともに人間には持ち得ないアニマを有し、自身を支えるアニマにすら干渉できる。 
石ころ1つ拾い上げればそのアニマを利用し砲弾のようなつぶてを撃ち出すこともできる。 
自分の身体を変化させ、モンスターになることも、モンスターから人間に戻ることもできる。 
そして彼が持った最大の力とは、その力に対しなんの責任も負わずにいられたという「自由」である。 
だがその無責任なまでの自由は、彼にのそれまでの生き方を無意味なものへと貶めもした。 
もう何も要らない。その気になれば誰とも会わずとも生きていける。仙人のように。 
これは、色々な意味で行き場を失った「最後のエーデルリッター」の旅路を描いた物語である。 
市販されている模造品とは違うオリジナルのツールソード「風伯」「雷伯」を携え、ミリオンは以後、 
それまでの隠遁者のような生き方から一変して、逆に人の流れへ飛び込んで生きることを望むようになる。 
人に関わればその横を過ぎ去るタイミングを1日だけ遅らせて、その繋がりをゆっくりと感じ取る。 
人でないが故にどの街にもどの温もりにも留まることを許されないラストリッターは、 
それぞれの居場所を持って生きている様々な人に触れ、その苦痛を氷解させては去っていく。 
具体的に苦痛の源を取り除くのではなく、苦痛を感じる人々の心にほんの少しの自由と余裕をもたらすことで。 
◆ハートフル・シリアスな小説のネタ。 
ラウプホルツ、ヴァイスラント、グリューゲル、ヤーデ、ワイド、フォーゲラング、ノースゲート。 
テルムを第1話の場所として各所を廻りなにがしかの事件を起こす予定だったが 
具体的なエピソードが浮かばなかったためにボツとなりました。 
PS2『TheBouncer』  
原作のワンシーンを抜粋した小説  
『エージェントの矛盾』
  原作の、選択キャラがドミニクを護衛してロケット塔方面を逃げていくシーンが起点。
ドミニクの護衛をコウが買って出たことにして、ルキスエージェントとしての本音と建前が頭の中で交錯する。 
ルキスからすれば、そもそもドミニクを放置していたこと自体が問題だった。 
こうやって実際に問題が起きてしまった以上、 
もう「監視」という姿勢は認められないだろう。ドミニクは拘束か排除か・・・少なくとももうFATEには戻れないはずだ。 
だが。コウにはそれをどうしても歓迎できない。実際に彼女の言動を前にして、責務への至誠心が揺さぶられるのを感じる。 
そして、ドミニクの気弱げな問いかけ。ついにいてもたってもいられなくなり、コウはドミニクに対して、 
またフェイトに戻れる、元通りの楽しい日常に戻れると保証してしまった。 
自分の発言に驚きながらも、コウはその予言を現実のものにしてやりたいと思った。 
「最悪の事態さえ防げばいいんだろ・・・」そのためにどんな痛い目を見ようと、どんなリスクをかかえようと。 
◆企画してからもうだいぶ経つので、思い出しながらこの概要を書きました。 
でも、どことなく肝の部分が抜け落ちてしまっているような・・・風化してしまいました。 
PS『Xenogears』  
エピローグ小説  
『替えがきかない碧の輝き』
 神からの自立を果たしたハッピーエンドより1年。 
ようやく復興の目途がたってきたアヴェにヒュウガが来訪し、 
原作にもあったアヴェ王都のレストランでバルトと会う。 
 2人はまず、自分たちの知っている仲間連中の近況について語り合った。 
フェイとエリィはイグニスで、ラハン村の復興に励んでいる。はじめは死んだ人間のことを気にして 
俯いていたものだが、今では周りの人間に色々ひやかされながら毎日笑顔で過ごしているとのことだ。 
ビリーは父妹と共に、雪原のシェバト廃墟へ残った。 
第2の孤児院と言わず、シェバトの人々の手助けもしたいらしい。マリアやチュチュも一緒だ。 
リコは崩壊したキスレヴに拘った。生き残りがアヴェへ移ったいまや 
キスレヴに人口はほぼ無いというのに、そこが居場所なのだという。 
エメラダはフェイと共に生きるのかと思いきや、自立してしかも1人旅に出てしまった。 
フェイだけといわず知る者全員心配していたのだが、先月フェイのもとに一文だけの手紙が届いたのだとか。 
旅といえば、ラムサスは世界を放浪しては復興に役立つ旧文明の遺産を探しているらしい。 
旅立つ前にフェイと一戦交えた結果は敗退。しかし満足げですらあったという。エレメンツの4人も一緒なはずだ。 
みんなに一通り会ってきたヒュウガは、次にはこのラムサス一行になんとかして会おうとしているらしい。 
しかし妻ユイやフェイたちには帰って来いと言われているらしく、一旦観念して帰るのだと苦笑いした。 
色々と話は脱線し、次第に物語は本題に入ってゆく。バルトに何か深刻な悩みがある・・・ヒュウガは察していた。 
 バルトは表向きアヴェの公王ということになっているが、その自覚に自信が伴っていなかった。 
身の回りを忙しく駆け回っているのはいつもシグルドとメイソンであり、 
マルーですらニサンの復興に腐心しているのを見て、自分の存在意義が今のここにあるのだろうかと彼は思う。 
自分は、ここにいてもいなくても構わない人間なのではないか。 
シグルドの本当の素性なら知っている。自分はシグルドの血筋を国民に公表し、全権を委ねるべきなのでは・・・ 
 そんな時、街の一角で事故が起こる。ちょっとした事故が、発展して火事へ。 
その現場に駆け付けるバルトとヒュウガ。 
しかし昔と違ってエーテルが使えないため、ヒュウガにも火を消すことはできない。 
砂漠には水気が無い。乾燥した街中では火災は国家レベルの死活問題だ。 
火は広がる。シグルドからの伝令も来たが、今は事態の悪化を抑止するのが精一杯だという。 
人員は、国民の避難と火災拡大の抑制に全て裂かれてしまった。 
鎮火どころか、完全な拡大阻止もできない。 
このまま現在被害に遭っている区画は見捨てるしかない。それがシグルドの采配であった。 
最悪、国民を全て無理矢理ユグドラシルに収容し、未完の新王都そのものを放棄するしかない、と。 
ヒュウガも賛同する。確かに街も大事だが、人命には替えられない。自分たちも避難誘導を手伝おうと言った。 
だが。「冗談じゃねえ! みんなして苦労して育てた新しい街なんだ! 見捨てられっかよ!!」 
また家を喪うのかと悲観していた人々の姿を見て、バルトはどうしても決断することができなかった。 
バルトはなんとしても、少しでも街の損失を食い止めようとした。鎮火に拘った。 
しかし実際、王室の人員は限られている。人々を逃がすだけで精一杯な今、一体何が・・・ 
そう訴えかけたヒュウガに、バルトは突拍子の無い奇策を持ちかけた。 
なんと、国民を避難させるのではなく、国民の安全を確保するのではなく、 
本来国家が護るべき人民を強引に手伝わせてでも火の手を喰い止めようというのだ。 
国民は火を前に混乱して逃がすことすらままならないというのに。 
ヒュウガはシグルドの言葉を代弁し、それを否定する。犠牲を招くわけにはいけないのだと。 
だがバルトは頑として、街の放棄を拒んだ。 
「確かにシグの言ってるこたぁ正解だよ。先生の言ってることもわかる。 
 俺たちはみんなを護らなきゃいけないんだ。何を失おうと人が死ぬことだけは止めなきゃいけねえ。 
 でも。でもなぁ、譲れないもんってのがあるんだよ! みんな大切に思ってた場所なんだ。 
 みんなだって失いたくないと思ってる。全員力合わせて。やれることやって。そんでなんとかしたいんだよ!!」 
叫びを聞いた者のうち何分の一かが我こそはと名乗り出る。 
更には、乗り気でない者たちさえも、その名乗り出た者とバルトの剣幕に圧されて協力を承諾させられる。 
あまつさえ、手伝いたいと言ってきた子供や、それを止めようとしていた母親でさえも、 
バルトの「なんでもいいから手伝わせてやれ!!」という言葉と火の手の勢いに圧倒されて参加してゆく。 
弱い者を守護するという発想はそこには無かった。 
力持てる者も、力持たざる者も、病に伏せている者も、火から逃げてきた者も、 
正真正銘見境無しに消火・援護・伝令・手当・求人となんらかの役割のもとに、消火作業の波へ呑まれていった。 
バルトは消火の総指揮をヒュウガに一方的に任せ、火の手の特に強い区画へ砂入りの袋を抱えて飛び込んでいった。 
 バルトが定期的にやって来る伝令員にすら役割をあてがったため、シグルドが事態を把握するのは随分と後だった。 
急に連絡網が途絶え始め、動かせる人員の数が圧倒的に減ってからシグルドはバルトの暴走を知り、 
いてもたってもいられなくなって火災区画へ急ぐ。 
「おかしい・・・あれから2時間も経っているんだ。この区画もとうに全焼しているはず・・・一体何が?」 
結局シグルドは炎には1度も遭遇せず、結局火種のあった建造物の全焼跡にまでやってきた。 
そこには、疲労と火傷で動けなくなりながらも、達成感が溢れて笑わずにはいられない、 
バルトを含むそんな大勢の男たちが仰向けに倒れながらバカ笑いをしていた。 
顔の真っ黒になった主婦たちが、ガレキ山の下から「とにかく降りて来い」と怒鳴り散らしている。 
そのうち幾人かの腕の中では、10歳にも満たなそうな子供が、未使用の包帯を手に握りながら眠りこけていた。 
全てが落着し、負傷者は数知れずとも死者の報告が何故か来ない。 
その結果に愕然とするシグルドに、へとへとのヒュウガが言った。 
「あなたがここに帰ってこようと我武者羅に無茶を繰り返してきた理由が、今日やっとわかりましたよ。はは・・・」 
 ヒュウガは最後に、バルトにこう言った。 
確かにシグルドは優秀だし他の誰にも替えはきかない。だが、「若くんの代わりができる人もいないんですよ」と。 
シグルドの采配は王者として理想のものだ。だが、バルトはバルトにしかできない方法で 
失われる筈だったすべてのものを救い通したのだ。 
バルトは、単に自分は我侭を貫いただけなのだと言う。 
しかしシグルドはこうも言った。「私は素性を明かすつもりもないですし、明かしたくありません」 
「明かしてしまえば王としての資質を、民に測られることになるんでしょうが・・・そんなのはまっぴら御免です」 
「私は勝てない勝負なんて望みません。それにあなたが去った後におこぼれに預かるなどというのも御免です」 
シグルドは、バルトの悩みなどとうに見通していたのだろう。 
バルトは戸惑う。王の資質? 火を消したのは自分の力じゃなく、これは全員の出した結果だ。 
「若くん、王はもともと人を導くのが責務。求められるのは力ではなく、もっと別のものなんですよ」 
じゃあなんなんだと訊かれると、実はヒュウガもよくわからないのだという。 
しかしバルトはとにかくそれを持っているのだと、シグルドは嫉妬しているかのように遠回しく言った。 
◆ハートフル・シリアスなお話。概要だけ書いてみてもこれだけの文章量になって驚きです。 
実は実際に作成へ取り掛かっても完成まで持っていけるくらいイメージは固まっていたようですね。残念・・・ 
ちなみに話の流れがケルビナの「護られてばかりでは人は成長できない」という言葉に絡んできたのは 
この概要を書いていて初めて芽生えてきたというもので、尚且つこのお話の新たな中核ベクトルだったりします。 
ていうか、概要を書くという作業を経たおかげで、ほんとにボツにするのが勿体無いほどの案に成長してしまったような。 
ちなみに消火方法は水ではなく砂。燃えてる物に砂をぶっかけ、最終的には砂で埋めて酸素から隔離するという手法です。 
ギアがあればもっとてっとりばやく消火できるんでしょうが、一万年前以後に作られたほとんどの機械はもう動かないので・・・ 


さて残りは、完全ボツになっていないもの、
つまり今後メルカバーに更新される可能性がある小説案です。
ただし、絶対に更新すると断言できるのは『CRY』の方だけで、
『継承者の素顔』については文面にネタバレの展開まで記述してある通り
このまま案が風化してしまうかもしれません。
プライベートとネットのスケジュールが都合して作成が後回しになるうちに
私の中で描こうとしていたイメージが薄れてしまったのです・・・すいません。
もし作成するとすれば、下に記述してある通りの内容に、おそらくなると思います。
ただ、案を先に提示しておいて、それから公開するとなると
公開にあたって皆様の注目するポイントは純粋な私の技量になります。
そういう意味ではちょっと意欲を掻き立てられたりするので
他のコンテンツがスランプに陥ったときなどに、作成することがあるかもしれません。
ただやはり、概要で著せる以上の魅力を描くという難関を突破できない限りお蔵入りとなります・・・(−−;)。

PS『VagrantStory』 
エピローグ小説 
    『継承者の真実』
  施設を包み、満たす炎。
 人々を取り巻き、うねり、そのうちの何人かを灼き殺しながら、炎は法王庁の施設を廃墟へと滅ぼしてゆく。
 “魔”の扱いに長けた第2第3のギルデンスターンというべき精鋭ですら、炎の見せる幻影に為す術も無く落ちていった。 
 炎に灼かれ、灰と化す。“魔”に感染し不完全な死を宿命づけられているにも関わらず、魂すらも消滅する。
 焼き払われた灰燼は風もなく舞い上がり、黒くなった廃墟の壁の表面に集まっていった。
 白い灰が文字を編み上げ、文字は単語を作り出す。
 そこにはただ1つの単語があった・・・ヴァレンディアの言語でただ一言、「レアモンデ」と。
 
  「“魔”がレアモンデだけにしかないとでも思ったか?」というギルデンスターンの言葉が、
 アシュレイの生きていく上での目的を1つ指し示した。“魔”を人の欲動と隔離するためにアシュレイは1人で戦い続けている。 
 レアモンデを名乗りながら。
 
  物語の主人公は、法王庁の混乱に乗じて聖印騎士団から脱走した背信騎士。
 彼もまた“魔”の感染者であり、負の能力を備えていた。自分が今いる場所で、過去に何があったのかを見る能力。
 彼はレアモンデ廃墟や、アシュレイが破壊した施設跡をキャロ=メルローズと共に周遊し、
 そこで起きた過去の出来事を知覚しながらアシュレイに会おうと探し続けている。
 騎士の目的は、その過去を見る能力がキッカケである。
 アシュレイの行動を辿り、ギルデンスターンとの決戦を見て、騎士はアシュレイの真意に戸惑った。
 騎士は、アシュレイの本当の過去を知っている。だがアシュレイはそれを知らないどころか、
 知っていたとしても妥当でない奇妙な行動をとっているからだ。
 あなたの掴んだ結論とはいったいなんだったのですか・・・そう問うために、騎士はアシュレイを探していた。
 そして、ついに邂逅のときが訪れ、騎士は後継者を相手に、2人きりで焚き火を囲むことになる・・・
 
◆『VagrantStoryPhantomPain』でヴィンセントたちに語らせたことを、アシュレイ本人に語らせようとしたお話です。 
加えて、あの世界の続きを私なりに空想したものを発表するという内容でもありますね。 
シドニーやバルドルバの遺言を受け継いだ以上、アシュレイは“魔”を完全に法王庁やVKPから取り上げようとするはず。 
ディーガーについても、アシュレイが脱出の際に救っていったことにしています。 
ジョシュア=バルドルバは目撃者と判断されたため、後々の禍根の芽として口封じの陰謀に巻き込まれます。 
実際にジョシュアが死んだのかどうかは私も決めていないのですが、 
いずれにせよ、その死を看取ったか、あるいは未然に防いで何処かに預けてきたキャロも彼女なりに 
今の世界をどうするつもりなのかとアシュレイへ問いに行こうと、騎士への同行を申し出ました。 
具体的なことは決まっていませんが、実際に書いてみれば結構うまくまとめられるような気がします。 


アニメ『s.CRY.ed』 
エピローグ小説 
    第27話『CRY』
  以下には、概要ではなく予告のようなものを書きます。
 なのでこれを先に読んでしまっても、本編アップデート時につまらなくなるということはありません。
 まあ確かに本編のネタバレも混ざっているのですが、運命的なベクトルについては予め承知の上で読んで欲しいので。
 しかし、原作アニメ(アニメ、です! 漫画版スクライドでは駄目!!)をご存知でない方は、
 当メルカバーで26話の補完が完了するまで以下を読まないでください
 以下の文章には、原作ストーリー部分のネタバレが非常に多く含まれています。

   あの壮絶なラストバトルの後、カズマと劉鳳は2日だけ、かなみ・水守の看病のもと療養を余儀なくされた。 
 しかし結局は2人とも置手紙すら無く姿を消す。その後月日は流れ・・・いや年月が流れ、 
 由詫かなみも、記憶に残るカズマの年齢にやっと追い付くほどになった。
 ・・・そんなかなみに、運命の刻がついに訪れる。
 肉体を酷使し続けるカズマの命が、ついに尽きるのだ。
 
   カズマと劉鳳は、将来への布石も打算も拒絶して、己の無軌道ながらも純粋な信念の戦いに身を投じていた。
 しかし、それは彼らが「戦い続ける」からこそ強く握り締められる信念。
 自分がいる限り許せない所業は絶対に阻止し、それを目論む者を打ち滅ぼすという前提があっての理屈。
 死が迫るようになって彼ら2人は、次第に自らの背負っている責任について考え始める。
 「戦い続ける自分」がいなくなった後のことを真剣に考えるようになる。
 即ち、自分の道を貫く上で果たしていかなければならないもの。無責任に放置したままであってはならないもの。
 
   身体に鞭を打ち始めた時期が遅い分だけカズマよりも残り時間の長い劉鳳は、
 そのタイムリミットの間になんとしても本土側の中枢・・・つまりアルターを求める本土政府との決着を果たすと、心に誓う。
 そのためにイーリャンと再会し、本土へ渡るための準備を整えるのだった。
 
   対してカズマが死を前に考えたのは、ケンカの後始末などではなく、もう何年も会っていない1人の少女のことだった。
 確かに彼女は強い。自分の力で歩いてゆける。
 だが、自分が最期に彼女にできることはなんだろうと、カズマは考えるのだった。
 かつてクーガーが自分に言葉を遺したように、自分にも。自分もまた、何かを遺してやらなければならないのではないか? 
 それがなんなのか、カズマにわかるはずはない。
 しかし、カズマはせめて最期に、かなみに会おうとする。会いたいと思っている自分がいることに、薄々気付いてもいる。
 そして、そんなカズマの想いを、かなみは夢で感じ取った。
 「・・・来る。カズくんが、来る」
 水守と2人で暮らしていたかなみは、どうしようもない運命と共に、そう感じとっていた。
 
   だが、カズマとかなみの再会は、かなみの幸福を願う者にとって必ずしも歓迎されるとは限らない。
 カズマのいない日常で笑顔と共にもう何年も生きているかなみにとって、
 彼の存在が、大切な彼女の鍵であると同時に、彼女の痛みと悲しみの源でもあるからだ。
 カズマに会おうとするかなみを、近隣に住むあすかは引き止める。
 かなみはカズマに会うと心に決めていた。だが、自分を傷付けまいと真摯に想ってくれるあすかを拒絶することもできない。
 しかし、かなみにはやはりわかってしまう。
 今自分を封じ込めても、カズマは必ず来ると。あすかが止めようとしても、カズマは全ての障害を破壊して、自分のところへ・・・ 
 そして、たとえその果てにあすかがどんな目に遭おうと、自分はカズマのその行為を止めるわけにいかないのだと。 
 「カズマ。僕にはあなたの生き方を否定する気はありません。いや、むしろ羨ましい。
  あなたは確かに強く生きている。余所見などせず誰より強く生きてきた。
  私はあなたを尊敬しています。僕には・・・たとえあなたのような力があってもそんな生き方はできなかったでしょう。
  でも! そのあなたが何故あの子の所にやって来るんです!
  今あなたがあの子に会っても。なんにもならない。ただ傷付けるだけです! なんでこんなことを!」
 「ゴチャゴチャうるせえよ・・・どくのか。どかねえのか。それだけ言やいいんだよ」
 「どきません! 例えあなたが相手でも、諦める方向には進まない!」
 「そうかい。・・・いいぜ。好きにしな。俺は俺で、勝手にやらせてもらう」
 「・・・あなたは! かなみちゃんが大切じゃないんですか!」
 拳を握り締めるカズマ。口から漏れたのは、あすかの問いとは一見無縁に思える言葉だった。
 「・・・欲しいもんは、奪う」
 シェルブリットの鎧を融合装着するカズマ。エタニティエイトを旋回させるあすか。
 アルターに侵蝕され過ぎたカズマの能力は、劉鳳との決戦の当時に比べると衰えていた。
 カズマの拳と正面からは衝突せず、最も侵蝕の著しい右腕の表面をかすめ、痛みを伝えてはエタニティエイトに離脱を指示する。 
 カズマの腕は苦痛に耐えられなくなりつつあった。あすかは感じる。今のカズマにならば、自分の力でもあるいは・・・ 
 「うおおおおおおおおおっ!!!」
 しかし。次の瞬間、カズマが奮った拳の衝撃が、あすかの横を間一髪で擦れ違ったかと思うと、切り立った山を粉砕した。 
 ≪ロストグラウンドの悪魔≫。そう呼ばれるだけの力を目の当たりにし、身震いするあすか。
 「・・・でも! 渡せないものがあります! 譲れないものがあるんです! 
  そのためには! 戦うしかない時もあります!!」
 「抹殺のぉっ!!」
 背中に生えた尻尾のような衝角装甲が砕け、噴出される光。加速するカズマ。
 「エタニティエイトぉっ!!」
 「ラストブリットぉぉぉぉああああっ!!」
 
  同じ頃、対≪悪魔≫用に特殊な能力精製を受けたアルター使いの男が1人、劉鳳の前に敗北していた。
 彼の名はセツナ。アルター「共有心音」を持つ元市街居住者だった青年で、妹を探したいという。
 暗殺の標的にされた手前、まして本土の手下になりさがっていた男の嘆願など聞き入れる義理は無かったが、
 本土から送り込まれてきているはずのもう1人のエージェントが、その妹の能力を対カズマ戦に利用しようとするのだという。
 自身の身体の具合から劉鳳は、カズマの死期がいい加減近付いてきているだろうと察しをつけていた。
 「・・・いいだろう。カズマを守ってやる気など毛頭無いが、この時期・・・奴に会うのも悪くない」
 「・・・頼む。あいつの能力が利用されれば、あいつは必ず死んでしまう。あいつは。シオジの能力は・・・」
 
  金色の光の柱が立ち上っているのを見て、火雛紫路(シオジ=ヒビナ)はそれがカズマの光なのだと察していた。
 彼女はカズマにとって、いわばかつての君島のような立場にいる女性だった。
 ただし情報屋・仲介屋として以外の、つまり精神的な絆は皆無。亡き君島を知る紫路は、そしてカズマに好意を抱く紫路は、
 自分という女に全く興味を示さない、それどころか拒絶するような気配を全身に纏うカズマに愛憎の混ざった念を抱いていた。
 自分があの君島に劣るというのか・・・そんなことを、1人でいるときも、カズマといるときも、彼女は感じている。
 その日も紫路は、金色に立ち昇ったカズマの光を瞬き見ながらそんなことを想った。
 だが「そんなこと」を想う今日の彼女の隣りには、知り合いの誰も見知らぬ奇妙な男が付き添っていた。
 本土からやって来た男、バゼラード。アルター「ムーン・オブ・ライアス」を有する、対≪悪魔≫用の暗殺エージェントだ。
 「あれがシェルブリットのカズマか。なるほどすげぇ力だな。誰も敵わねえわけだ」
 「その呼び名を知ってるとは驚きね。本土では悪魔としか呼ばれないものだと思ってたけど。
  でも、そんなに平然としている資格はあなたにあるのかしら。あれがカズマよ。あなたに斃せるの?」
 「俺のアルターは、紡ぎ出される力の息吹を拒絶する。奴の身体は傷付き過ぎた。今の奴は俺の能力に耐えられない」
 「じゃあ、なんで私が協力するのかしら。あなた1人で充分なんでしょ?」
 「・・・へっ。ホラ行くぜ。奴の塒はこの先か?」
 「ええ。今の光で多分戦闘は終わったでしょうから、あと2時間もすれば帰ってくるんじゃない?」

 ・・・そう、カズマはその予言通りに、監視された廃墟の塒へ帰ってくる。
 かなみと共に。紫路にとってまさしく憎悪の対象となるであろう、カズマにとっての最愛の少女と共に。


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