ここ暫く続いているのですが昨年購入した新譜は、やはり海外のジャズメンのアルバムが少なかったように思います。色々な方のブログを拝見して、面白そうだなと思う新譜もあるのですが、定番となっているアーチストが参加しているアルバムしか購入していません。と昨年と全く同じ事を綴っています。笑。

 また、ジャズ以外のアーチストをかなり購入した年で、特にJ-PopとC-Popの購入したアルバムが多く、沢山の素晴らしい作品にめぐり合うことが出来たのではないかと思います。

 昨年は、以前より考えていた海外のショップからの購入も行なうようになり、C-Popの新譜も台湾や中国の発売とあまり時間差が無く購入出来るようになりました。

 ちなみに、今回も以下の作品は購入した順番に掲載しており、特に順位というものはありません。





我相信

张靓颖


北京少城时代
文化传播有限公司
GE0439CT (China)

環球國際唱片股份
有限公司(台灣)
2738709 (Taiwan)

北京少城时代
文化传播有限公司
旗艦版
0060257529837 (China)

C-Pop
 张靓颖(Zhang Liangying:Jane Zhang)は昨年最もハマってしまった歌手ではないかと思います。中国の四川省出身の张靓颖を聞くようになったきっかけは少しややこしいのですが、ファンキー末吉さんのソロアルバムである「亜州鼓魂~ASIAN DRUM SPIRIT」が未だ手に入る事が判り慌てて購入したのが約二年前の事でした。何回も繰り返し聞いていたのですが、そこにゲスト歌手として参加していたのが李慧珍(Li Huizhen::Jennifer Li)で彼女のソロアルバムを聞いてみたくて発注をしたのです。その時は、たまたま国内のショップに在庫があり、すんなりと購入出来たのですが、その「爱死了」というアルバムに収められていた「你叫什么名字」という曲でデュエットしていたのが张靓颖だったのです。
 しかし、その段階では気になりつつも张靓颖のアルバムをどうやって購入していいのか全く判らない状態だったのです。しかし、ひょんなきっかけでHMVでも取り扱いがある事が判り、その段階で最新作であったサードアルバム「张/靓颖@音楽」を発注したのが一昨年の11月だっと思います。長い間待たされて手元に届いたのが昨年の1月の初旬でした。
 届いたアルバムにただただ圧倒されるばかりで、これは手に入る作品を全て購入しなければと言う気持ちになったのです。
 そんな中で昨年の2月に発売されたのがこのアルバムです。初回限定盤がある事が判り一刻も早く手に入れたいと思ったので、中国の広州にあるネットショップに発注をかけました。運良く手に入れることが出来たのですが、それが写真の一番上にあるCDです。
 3枚のアルバムの写真がありますが、実は全て同じアルバムで、2番目の写真のCDはプロモーションビデオが付いた台湾盤。そして、一番下にあるのが11月にリリースされた中国盤の特別バージョンになるのです。これはボーナスディスクが更に付いたもので、サウンドトラック盤などに収められていた曲を集めた物で、张靓颖が1曲しか歌っていないサウンドトラック盤を買うよりは効率が良いと思い、結果的に同じアルバムを3枚も購入してしまうという事になってしまいました。
 いずれも海外にあるショップから購入したのですが、数をまとめて発注をかければ送料もかからず、しかも早く入手出来るので、頻繁に利用する様になってしまいました。
 結局、张靓颖に関係するアルバムやシングル盤やDVDは昨年だけで14枚も購入という事になってしまいました。まぁ、それだけの価値がある素晴らしいアーチストであるので大いに満足している訳ではあるのですが...
 このアルバムは、これまでの北京华谊兄弟音乐というレーベルからユニバーサルへ移籍して自ら立ち上げた北京少城时代というレーベルからのリリースになっています。プロデューサーには台湾で自らも歌手として活動している名プロデューサー阿弟仔(Adia)を迎えたもので、これまでの作品の中でも最も素晴らしい仕上がりになっています。
 中華圏の音楽であるC-Popを聞いている方々はどちらかと言えば、しっとりとしたバラード等をを好んで聞いている場合が多いのではないかと思うのですが、张靓颖の場合はR&B系からバラードまで、幅広い音楽性を持ったアーチストで、最も影響を受けたアーチストがマライア・キャリーと言うことも納得出来ます。
 最近は韓国勢のK-Popは日本でも人気があるのですが、C-Popは残念ながらあまり人気があるとは言えない状況にあります。张靓颖の様な素晴らしいアーチストもいるので、多くの方々にもC-Popを聞いてもらいたいものです。
わたしのかけらたち

植村花菜


KING
KIZC 59/60

J-Pop
 私が植村花菜さんの存在を知ったのは、どういうきっかけだったかは忘れてしまいましたが、キングレコードからのセカンドシングルの「ミルクティー」はリアルタイムで購入しています。そしてデビューシングル「大切な人」とその前にベルウッドレコードから「花菜」という作品をリリースしているのを知りすぐに購入しました。
 その後もアルバムやシングル盤がリリースされる度に購入していたのですが、順調に活動をされていると思っていました。ところが実際はそうではなく、リストラ寸前だったそうです。もし、このミニアルバムに収められている「トイレの神様」のヒットが無ければ今頃はレコード会社との契約も終わっていたのかも知れません。何はともあれ大ヒットという結果になり、多くの方々にそのお名前が知れ渡ることになりファンとしても嬉しい限りです。
 「トイレの神様」だけの一発屋にならないように今後も順調に活躍されることを祈るのみです。
 このアルバムをプロデュースした寺岡呼人さんのサイトに、この作品創りに携わった3人のクリエーターのページがあます。是非ご覧になってみてください。(こちらです!)
maiden voyage

Salyu


Toy's Factory
TFCC-86323

J-Pop
 このアルバムは昨年最もヘビーローテーションとして聞いたアルバムではないかと思います。私が Salyu さんの存在を知ったのは、CDショップの店頭に置いてあったタブロイド版のフリーペーパー「Salyu TiMES」においてでした。それは8枚目のシングルとなる「プラットホーム」の発売の告知のフリーペーパーだったのですが、結局そのシングルは購入せずその直後に発売されたセカンドアルバム「TERMINAL (2007年1月作)」というアルバムを購入したのです。
 この作品「maiden voyage」は、3枚目のオリジナルアルバムとなる作品で、Salyu さん自らプロデュースを行った作品です。ちなみに「TERMINAL」は小林武史さんがプロデュースを行っていましたが、このアルバムではコ・プロデュースという形になっており、曲によっては小林武史さんは全く絡んでいない作品もあります。
 「TERMINAL」を聞いてその圧倒的な歌唱力に完全にノックアウトされてしまったのですが、この作品でも当然ながら存在感のある歌声を聞く事が出来ます。「TERMINAL」では、楽曲は主に小林武史さんが担当されており、何曲かで一青窈さんが作詞を担当しており Salyu さんは1曲のみ作詞を担当していただけですが、このアルバムでは自ら6曲の作詞を手がけられており、共同作曲という形ではありますが、2曲において作曲も手がけられています。
 それに加えて初回限定盤に付属しているDVDは、一昨年に行われた武道館でのライブをおそらくノーカットで収録されているのではないかという物で、全26曲が2時間以上にわたって収録されています。日本のCDは価格が高いと言われる事が多いのですが、新しいアルバムに加えてDVDが付いて3990円というのはお買い得ではないでしょうか。但し既に初回限定盤は完売しておりプレミアが付いています。
光を描く人

おおはた雄一


Columbia (tropical)
COCP-36046

J-Pop
 Jesse Harris に興味を持ち出して、Jesse Harris 関連のアーチストにも興味が湧いてきて購入したのが、おおはた雄一さんの前作 Music From The Magic Shop でした。既に入手困難となていたプレミアム・エディションの存在を知り購入するのに色々と葛藤があったのですが、運良く帯なしではあるのですが中古が安くAmazonに出展されておりそちらを購入しました。。
 そして、新しいアルバムも前作同様に Jesse Harris と Richard Julian がプロデュースを行ったという事で楽しみにしていました。
 この作品は、前作のワーナーミュージック・ジャパンからコロンビアへとレコード会社を移籍していますが、基本的には前作と同様に比較的シンプルな編成で、極力アコースティックな路線で制作されています。でもパーカッションが色々な形で活躍してカラフルな音作りがされていたり、ブラスバンドの様な編成のバックがついていたりと面白いものとなっています。
 Jesse Harrisに興味が湧いたのは本当にひょんなきっかけであったのですが、それからおおはた雄一さんという素晴らしいアーティストにたどり着くことが出来たのは嬉しい限りです。
 Jesse Harrisは昨年の秋に来日してライブを行ったのですが、会場が私にはちょっと鬼門である渋谷クアトロだったので見送ったのです。後から知ったのですが、おおはた雄一さんがシットインされたそうです。不覚なり。
Nikki

Nikki Yanofsky


Decca
UCCU-1265

Jazz
Pops
 昨年の2月に行われたバンクーバーオリンピック。大会自体は大いに楽しんだのですが、「昔に比べると開会式や閉会式を見てもあまりワクワクする感じがしないなぁ。」と思いながら見ていました。
 それでも、色々な有名人が登場し「わぁ、こんな人も居たな、懐かしい!」とか思いながら見ていたのですが、「おっ!」と思ったのが当時は日本ではまだあまり名前を知られていない Nikki Yanofsky の登場でした。開会式ではカナダの国歌 O Canada を歌い、閉会式にもまさかの登場で驚いてしまいました。
 ようやくリリースされたデビューアルバムは、残念ながら私がお気に入りの Jesse Harris が全面的にプロデュースを行った訳ではなく、Phil Ramone との共同プロデュース、Phil Ramone の単独プロデュース、一部で発売されていた「Nikki Yanofsky Ella... of Thee I Swings」のライブを仕切っていた Bob Fahie のプロデュースと主に3種類のセッションから構成されているものです。
 Jesse Harris に興味がある私には、ちょっと他の人達のプロデュースした曲は余分だなぁと思い購入をためらっていたのですが、結局発売日に店頭で何も考えずに手に取りレジへと向かってしまいました。Amazon の画面とのにらめっこは一体何だたのかと思ってしまいます。笑。
 Jesse Harris が関わった曲はやはり私的には一番しっくりと来るものがありますね。メンバーには Larry Goldings や、ホーンセクションに Chris Cheek が参加したりしているのですが、Nikki Yanofsky と Jesse Harris と Ron Sexsmith の共作という事もあり、ジャズっぽさはありません。でも、現時点の Nikki Yanofsky にはその方が合っていると思います。
 Bob Fahie の仕切るビックバンドをバックに歌うスタンダードナンバーも確かに上手いのですが、やはりちょっと力が入り過ぎかなと。まぁ、もしかしたら意識的にその様な歌い方をしているのかも知れませんが...それでも、ピアノトリオをバックに歌う You'll Have To Swing It (Mr. Paganini) なんかは、出だしではしっとりと歌ったりしてジャズっぽい曲が悪い訳ではありません。 ちなみに、ライナー氏によると Jesse Harris と曲を作りたいと思ったのは Nikki Yanofsky 自身だそうで、彼女からアプローチを行ったそうです。しかし、無名であった Nikki Yanofsky からのアプローチに、なかなか動かなかった Jesse Harris だそうですが、ニューヨークのライブを Jesse Harris が見に来てくれてコラボレーションが始まったそうです。Nikki Yanofsky も良いセンスを持っているという事ですね。
 11月には来日してコンサートを行なってくれたのですが、楽しい時間を過ごす事が出来ました。
Imagination
- LIVE@新宿PIT INN

徳田雄一郎 RALYZZ DIG


GoodNessPlus Records
GNPR-1141

J-Jazz
 従来の徳田雄一郎QuINtetからRALYZZ DIG というユニットに名前を改めて活動をしている徳田雄一郎さんは注目している若手アルトサックス奏者のお一人です。この新宿PIT-INN でのライブ盤とスタジオ録音盤が同時に発売されましたが、何れも70分程の収録で1500円という大変お買い得な作品となっていますが、これは自ら主宰するレーベルからのリリースであるが故に可能な事なんでしょうね。
 従来のユニットである徳田雄一郎 QuINtet からスガダイローさんが抜けたのは残念ですが、RALYZZ DIG では M-OTO さんの Human BeatBox を導入した新しい音作りを行っています。このあたりは QuINtet のスタートが SOFFet のツアーに参加してメンバーとなる鈴木直人さんと出会ったところから始まっており、二人が幅広い活動を行っているという事もあるのでしょう。
 ライブ録音盤で司会者のMCから始まる作品というのも結構ありますが、このアルバムは徳田雄一郎さん本人の「皆さん今晩は!」という挨拶から始まるのです。それに対してお客さんも「今晩は!」と挨拶を返しているというのが何となくいい感じですね。
 ところで M-OTO さんの Human BeatBox ですが、これは分かりやすく言えばボイスパーカッションを中心としたもので、サンプリングしたループにのせて新たにボイスをかぶせるというような面白い事をやっています。通常、この様な事を行なうとヒップホップ色が強くなるのですが、RALYZZ DIG の演奏に関してはそれ程感じません。まぁそれでも新しいイマ風の音楽が展開されています。
 今年はマレーシアのジャズフェスからのオファーがあり、海外公演も行なう予定だとか。マレーシアの人たちにも素晴らしい音楽を届けてくれると思うと今からワクワクします。
 嬉しかったのは10月の横濱ジャズプロムナードでライブを聞きに行ったのですが、その時に2~3分だけお話をして別れ際に名前を聞かれたのです。12月になってライブへ足を運んだら名前を覚えて頂いていたという事です。笑。
大友良英サウンドトラックス
vol.0

大友良英


K.M.N Sound Factory
FMC-044

J-Jazz
 昨年の4月から京都にあるAM局であるKBS京都放送で「大友良英のJAMJAMラジオ」という放送が始まりました。私は大友良英さんがツイッターで告知をされていたので番組が始まることを知ったのですが、千葉県在住のため放送は聞けないと諦めていたのです。放送が始まる前にツイッターでハッシュタグを設定して皆んなで交流しながら番組を聞こうという事になり、取りあえずツイッターだけでもという事で参加したのです。
 番組に併せて大友良英さんが直接解説を行ってくれたり、質問に答えてくれたりと番組を聞いている様な雰囲気でした。ところが、あるソフトをパソコンにインストールすると聞けるという事が判り翌週からは番組を聞きながら参加という形になりました。そしてエンディングテーマとして流れてきたのがこのアルバムに収められる事になった阿部芙蓉美さんが歌う「その街のこども」だったのです。聞いている音はAM局よりも酷い雑音混じりの音質ではあったのですが、素晴らしい歌声に感動してしまったのです。
 私と同じ思いをされた方が多かったのか、急遽ミニアルバムという形でリリースされたのです。しかも5月に阿部芙蓉美さんがゲストで出演された時にオンエアーされた岡林信康さんの「私達の望むものは」のカバーも収録されているという嬉しい作品になりました。
PRAY

熊谷ヤスマサ


anturtle analog recordings
ANTX-4009

J-Jazz
 前作となる「Ol'school Jazz」はベースの川村竜さんとのデュオであり、更にスタンダードナンバーやジャズメンのオリジナル中心の選曲であったために、比較的おとなしい感じがするアルバムに仕上がっていました。まぁ、それはそれで素晴らしい作品ではあったのですが。
 この作品では新世代のドラマーとも言える小森耕造さんを迎えたトリオの作品であり、デビュー作の「I Need a Change, too」のヒップでグルーブ感溢れるスタイルに戻った素晴らしい作品になっています。どちらのスタイルでも素晴らしいのですが、私の好みからするとトリオ作品のほうが心に響くものが大きいでのはないでしょうか。スピリチュアルな雰囲気を持った作品が多くどの曲も心の底まで染み渡る素晴らしいものです。
 このアルバムを聞いてどうしてもこのトリオの生演奏を聞きたかったのですがスケジュールがようやく合って9月にライブハウスへ足を運ぶことが出来ました。ヽ(^o^)丿
 熊谷ヤスマサさんはトリオを聞く前に石崎忍さんのカルテットの演奏でも聞くことが出来たのですが、その時は屋外の会場であり環境があまり良いものとは言えませんでした。昨年発売された石崎忍さんのDVDも素晴らしいものなので、このグループにも足を運びたいと思っています。
 余談になるのですが、トリオの演奏を聞いたのは柏のナーディスというお店なのですが、私がお店へと向かっている時にメンバーがお店から出ていくのを見かけたのです。何でも熊谷ヤスマサさんがお気に入りのお寿司屋さん(回る系?笑)が近所にあるそうで、そちらへと向かうところだった様です。私は近くの某餃子店を目指していたのですが行列が出来ておりいつ入れるか判らない状態で、ライブに遅刻してはいけないという判断で断念しました。笑。
Israeli Song

Eli Degibri


disk union(Anzic Records)
DUJ-074(ANZ-3002)

Jazz
 冒頭に書いた定番となっているアーチストの一人がイスラエル出身のサックス奏者の Eli Degibri です。但し、サイドメンとして参加している作品まで何がなんでもコレクションするという所までは行っていないとは思います。ただFSNTよりリリースされたデビュー作 In The Beginnings (2003) はリアルタイムで購入しています。まぁ、サイドメンの豪華さとCDのシュリンクフィルムに貼られた Herbie Hancock の推薦文で購入したのですが...
 直ぐにお気に入りのサックス奏者になったのですが、イマイチ決定打が無いというイメージを抱いていました。そんな中で伝わってきた新譜の案内を見てこれは決定打になる作品になるのではないかという予感がしたのです。理由は単純なのですがピアニストに Brad Mehldau を迎えた作品であったからです。とは言いながらも実は一瞬これはミスマッチではないかと思ったのも事実です。そのミスマッチ感はベースに Ron Carter が参加していると言うことも拍車をかけていたと思います。Eli Degibri は Ron Carter に師事していたにも関わらずです。
 それでもこうしてお気に入りのアルバムに選んだのは冒頭に収められたソプラノサックスで繰り広げられる Unrequited という Brad Mehldau の曲の美しさ故でしょうか。(The Art of the Trio, Volume 3 に収録) しかも Ron Carter と Al Foster も実に繊細な演奏を行っており、これまでの二人に対するイメージもがらりと変わってしまいました。
 それはリーダーである Eli Degibri に対しても言える事であって改めて Brad Mehldau の凄さを感じずにはいられませんでした。ちょっと残念なのは Al Foster とのデュオと Ron Carter とのデュオは要らなかったのではと思える点です。これが無ければ名盤になっていたと思います。
 知名度としては未だ低いと思われる Eli Degibri ですが、この作品で少しは知名度が上がったのではないでしょうか。
表参道ワンピース

横田寛之カルテット
「ゴウダヴ」


anturtle analog recordings
ANTX-4010

J-Jazz
 関西を中心に活動をされているピアニストの生田さち子さんがツアーを行われて東京の小岩にあるCOCHIというライブハウスに出演されました。ベースは安東昇さんが担当されていたのですが、ライブの終盤にメンバーの告知タイムというのがあったのです。その時に安東昇さんは暫くの沈黙の後に「私が参加している横田寛之さんのアルバムがもうすぐリリースされます。」と言われたのです。この一言が無ければこのアルバムにも巡りあうことがなかったかも知れません。
 家に帰ってうろ覚えのお名前で検索したところホームページがヒットしたのです。当然CDの情報もあったのですが、そのメンバーを見て一気に期待が膨らんだのです。近所CD屋に並ぶかどうかは判らなかったので、取りあえずAmazonに取り扱いがあったので速攻で発注をかけたのは言うまでもありません。
 「ゴウダヴ」というユニットは自分が表現したい音楽を実現してくれるメンバーを長年かけて探した結果生まれたユニットだそうで、まさに最適なメンバーであることは言うまでもありません。
 オーソドックスなカルテットではあるのですが、ポップなセンスが表れたそのサウンドは横田寛之ワールドが見事に描かれています。
 いつの日かこのアルバムを聞きながら表参道を歩きたいと思うのですが、表参道はもう何年前に行ったかも判らないくらいご無沙汰しています。当時とは激変しているので是非実現させたいものです。
Live in New York
at jazz standard

Antonio Sanchez


Cam Jazz
CAMJ 7826-2

Jazz
 Antonio Sanchez の名前は Pat Metheny グループでの活動でその名前を頭に刻み込んだミュージシャンだと思います。但し、その頃のPMGは私の好みの対象から外れており殆ど聞いていませんでした。その後も様々なクループで活動を行うものの私にはあまり馴染みのないミュージシャンであったと言えるでしょう。前作のリーダー作「Migration」も豪華なメンバーが参加していて話題になっていたにも関わらず、何となくスルーしていたアルバムだったのです。
 実はこのアルバムに参加している Miguel Zenón も私には同じようなポジションにあるミュージシャンであり、その二人が共演しているという事でようやく思い腰を上げたのです。
 コードレスで繰り広げられる圧倒的な展開には完全に打ちのめさせられてしまいました。メキシコの出身と言うこともあってラテン系のリズムを想像していたのですが、実際には複雑なリズムが交錯する圧倒的なドラミングはただただ驚くばかりで、それに追従する Scott Colley の素晴らしいベースと絡み合いながらフロントの David Sanchez と Miguel Zenón を強烈に煽りまくっているのです。
 2枚組で約120分の演奏が展開されるのですが、値段もソコソコ安いと言うのもポイントが高いですね。はい、普段は安CD買いの人間です。
home

UoU


Tippin Records
1107

Jazz
(J-Jazz)
 日本では未だ認知度があまり高いとは言えないニューヨークで結成されたユニットUoUのデビュー作です。UoUとoを小文字で表記するのがどうやら正式なものらしいのですが、何となく顔文字みたいに見えてしまいますね。笑。
 左の写真ではちょっと判りづらいのですが、何れも日本人でボストンのバークリー音楽大学へ留学しその後ニューヨークで演奏活動を行っているという共通点があります。ちなみに現在サックスの山田拓児さんとドラムの二本松義史さんは活動の拠点を関東へ移し、ピアノの小森陽子さんは福岡へと移されており、ニューヨークで引き続き活動をされているのはギターの阿部大輔さんとベースの津川久里子さんのお二人だけになっています。録音は2008年の秋にニューヨークに置いて録音されたのですが、発売は昨年の10月にアメリカのレーベルよりリリースされました。
 色々な情報源がある現在に於いても中々ニューヨークで活動を行っているミュージシャンの状況をキャッチするのは難しいのですが、メンバーである山田拓児さんと阿部大輔さんの活動状況をチェックしていて偶然に知ったユニットなのです。
 バークリーが絶対という訳ではないのですが、やはりジャズのメソッドをきちんと取得された上に成り立っている音楽であり、メンバーのオリジナルも個性豊かなものになっています。
 私的に一番ハマってしまったのは、山田拓児さんのバスクラの音色と阿部大輔さんのソフトなトーンのギターの組み合わせです。
 上記の如く活動の拠点がバラバラになってしまっている現在は活動のペースが著しく落ちているのは当然の事ですが、3月に日本でのライブを行なう予定になっていますが残念ながら今のところ関東での2公演のみになっています。せっかくメンバーが集まるのですから本格的に日本をツアーしても良いのではないかと思うのですが、多忙なメンバー故にスケジュールを合わせるのが大変なんでしょう。現在調整中の様です。より多くのライブが出来ると良いですね。
Request

JUJU


Sony Music
Associated Recirds
AICL 2178

J-Pop
 冒頭にJ-Popのアルバムも沢山購入したと書いていますが、この中でもカバーソングを取り上げた素晴らしいアルバムが何枚かありました。私的にはコトリンゴさんの picnic album 1 辺りは非常に気に入った一枚であるのですが、すこしばかり選曲が渋すぎるという事でJUJUさんの Request を選びました。
 私が普段は聞かないようなアーチストのカバーソングも取り上げているのですが、それでも内容はとても素晴らしい仕上がりになっています。
 かつて、ヒットした作品を取り上げるという事でカバーソングを嫌っている方もいらっしゃるようですが、私はカバーソングは、新たなる解釈で新しく生まれ変わる雰囲気が好きで結構購入しているのではないでしょうか。
 このアルバムを購入するまでは殆どJUJUさんを聞いたことが無くシングル盤を僅かだけ持っているというような状況ではあったのですが、その名前の由来から気になるアーチストではあったのです。
 クリエーターも様々な方を起用しているのですが、面白い事に椎名林檎さんのギブスを取り上げているのに、島田昌典さんにプロデュースを依頼して亀田誠治さんには別の曲のプロデュースを依頼しているという一捻りがある作りになっています。
 中島美嘉さんのWILLを取り上げているのもポイントアップなのですが、この曲もJUJUさんが普段仲良くしている作者の川口大輔さんへはプロデュースを依頼していません。笑。
Countryfied

Myron Walden


Off Minor
(Demi Sound Records)
OFM-017 (DSR 0007)
(USA直輸入盤)

Jazz
 Myron Waldenがアルトからテナー奏者へ転向の準備をしているという情報を得たのはもう数年も前の事で、私もブログに何度かその事を書いた事があります。ずっとリーダー作をリリースせずにサイドメンとして活動を行っていたのですが、アルトやバスクラしか演奏していませんでした。しかし一昨年の暮れにMomentum というユニットで同名のアルバムをリリースしてからは怒涛の如くリーダー作のリリースを始めました。
 これはその中で最新のアルバムにあたるものでギターに Oz Noy を迎えオルガンを加えた編成のユニットになっています。実はMomentum が米国でリリースされて日本でどうすれば入手出来るか判らない状況にあったときに YouTube でオルガン編成の映像を見つけたりしてこの様な編成でも演奏を行なっている事は判ってました。
 オーソドックス編成の洗練された演奏も素晴らしいのですが、この様なルーツ寄りのサウンドも実に素晴らしいのですが、これは Brian Blade Fellowship での活動で大きく影響を受けた様です。ジャズしか聞かない人にはあまり認知度は高くない無いかも知れないのですが Brian Blade は幅広い活動を行っており Daniel Lanois というカナダ出身でアメリカのルーツ音楽に精通したミュージシャンとも親交があり Fellowship のプロデュースも依頼したりしています。
 コンセプトとしては伝統回帰を行いつつそこからカッティングエッジ的なサウンドを構築するというところでしょうか。
 話は逸れるのですが Myron Walden はツイッターを行っており、Myron Walden についてツイートすると必ず反応があるということです。このアルバムのプロモーションビデオも Myron Walden 本人から教えてもらいました。笑。
 ベースの中村恭士さんと自分のバンドで来日してくれるようにメッセージを送ったところ現在準備中との返信がありました。果たして来日してくれるのでしょうか?
Now & Here

OAM Trio + Mark Turner


ContraBaix
KAR 7814

Jazz
 OAM Trio は色々な方のブログでも評判がいいユニットであり、気になっていながらもスルーしていたのです。この辺りは上述の Antonio Sanchez と同じかも知れません。
 イスラエル出身のベーシスト Omer Avital を中心に Aaron Goldberg と Marc Miralta というメンバーはとても魅力的なメンバーで活動を行なっているユニットで、それにお気に入りのサックス奏者 Mark Turner が参加したものなので購入に至った次第です。実はこも作品の前に同じメンバーで Live In Sevilia という大傑作があるのですが、そちらも買いそびれていてこのアルバムを購入する際に併せて発注をしました。Live In Sevilia が入手困難な状況にあったため入荷に手間取り店頭に並んでいるこの作品を恨めしく眺めていました。
 待ちに待ってようやく入手出来たわけであるのですが、何故もっと早くからこのユニットを聞いていなかったのかという後悔の念に陥ってしまいました。
 メンバーのオリジナルは変拍子中心の複雑な構成の曲が多いのですが、何気にスマートに演奏を展開しており、スリリングでありながらクールな演奏に完全にハマってしまったのです。
 このアルバムは昨年のリリースという事で取り上げているのですが、2003年の録音であり更に一部の情報では以前よりリリースされていたという噂もあります。そうなると選出の対象外となるのですが、多くの方々が昨年の秋に入手して、次々にブログにアップされていたのでOKとしておきましょう。
 一つだけ苦言を呈するならば Mark Miralta の tabla は不要です。はっきり言って下手過ぎで、「インドに行って修行してきなさい」とユザーン氏に言われるでしょう。笑。
Kaleidoscope

Naoko Sakata Trio


Atelier Sawano
AS 1004

Jazz
 私が関西を離れた後に活動を開始されたミュージシャンである坂田尚子さんはとても気になる存在でした。帰省した際にライブへと考えていたのですが、いつの間にかスェーデンへと留学されてしまいました。
 坂田尚子さんは同じく海外ヘ留学をされているドラマーの清水勇博さんのトリオのメンバーとして活動をされていたのですが、その音源が清水勇博さんのホームページにアップされていたので良く聞いていました。いつの間にか清水勇博さんのホームページがアクセス出来なくなってしまい坂田尚子さんの名前も忘れかけていたのですが、アルトサックス奏者の浅井良将さんの自主制作盤 A Precious Thing に2曲だけではあるのですが参加していたので購入しました。そのアルバムではスタンダードナンバーをデュオで演奏されていたのですが、斬新なスタイルにリーダー作への期待が膨らむ一方でした。
 そこにタイミングよくリリースされたのがこの作品という訳で、直ぐに予約したのは言うまでもありません。
 これはもう言葉では表現する必要ないくらい私の好みに合うピアノトリオで、届いたその日に続けて3回も聞いてしまいました。実は澤野工房からのリリースという事で、あまり期待はしていなかったのですが、フリー的な要素が強いながらも叙情的なスタイルは独特なものです。この様なスタイルの音楽が一般的に受け入れられる事は難しいかも知れませんが、澤野工房も私が思っていた以上に素晴らしいレーベルであった様です。
 私にとって昨年のジャズの作品No.1はこのアルバムだと思います。ベストトラックはスローなフリーインプロビゼーションから激しいビートへと転ずる4曲目の Line あたりでしょうか。
これらの文章は、既発表のブログからも引用しています。(^^;)

アルバムの詳細を知りたい場合や購入したい場合は、ア-チスト名やジャケットをクリックしてください。



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