ご心配なことと存じます。
これはさぞかし御心配であろうと存じます。
御相談者の御気持ちが大変よく判る御相談です。
#1
##1
「横浜在住です。
うちの子供(生後4ヶ月ちょっと)が昨日(7/21)のAM4時頃
頭部をかなり強く打撲したため、その対処が必要かどうかを悩んで
いますので、メールにて失礼かと思いましたがご連絡させていただきました。
【事故内容】
授乳のために子供用ベッドから大人用ベッドに移動させる際に
抱えていた親が誤って転倒しました。
その際抱えられていた子供の頭がベッドの枠(木製)にかなり強い
勢いでぶつかりました。
子供は数秒後に大泣きし始めて、10〜20分泣き続けましたが、
その後泣き止み、いつもと変わらない様子になりました。
【対処状況】
当日の朝にかかりつけの小児科に伺い、診療していただきましたが、
先生からは「この様子だと特に問題ないでしょう。様子を見てください。」
との言葉をいただきました。
子供の頭部は、やや腫れている部分があるように感じましたが、
様子は特に変わったところも無く、痛がったり気にしたりする様子も
有りませんでした。
⇒事故が起こってから今まで18時間ほど経ちますが、特に変わった様子も
有りません。
ただ、頭部が相変わらず腫れているように感じられます。
以上の状況ですが、ぶつけた時の衝撃がかなり強かったと感じているため、
何もないか、今後何か起こらないか、ととても心配しています。
一度、詳細な検査を受けさせていただきたいと考えていますが、
山本クリニック様にお伺いして検査を受診させていただくことは可能でしょうか。
ご返信いただければ幸いです。
宜しくお願い致します。」
との事です。
#2
##1
御相談者の御相談内容要旨御記載を熟読ささせて頂きました。
##2
「授乳のために子供用ベッドから大人用ベッドに移動させる際に
抱えていた親が誤って転倒しました。
その際抱えられていた子供の頭がベッドの枠(木製)にかなり強い
勢いでぶつかりました。」
が今現在36時間経過されています。
##3
「小児頭部外傷」の際は「お受けもちの先生」の
「小児科専門医先生」を御受診されることが多いものです。
##4
けれどもこれは「間違い」です。
必ずや「脳神経外科専門医先生」を「御受診」下さい。
##5
「小児頭部外傷」で「悲惨な結末の事例」の97%が
「小児科専門医先生」の「お受けもちの先生」のみを
「御受診」されたまま元気であるが故に放置される
事例であることが指摘されています。
##6
お受けもちの先生も一生懸命でいらっしゃることよく分かります。
けれども「中枢神経系」は「中枢神経系専門医」でなければ
判断不能なデリケートな「部位」。
##7
決して慌てる必要は今現在はありませんから
週があけられてから。
##8
公立の総合病院の「脳神経外科外来」の「脳神経外科専門医先生」を。
或は大学病院の「脳神経外科外来」の「脳神経外科専門医先生」を。
「御受診」されることをお勧めいたします。
##9
お子様連れで
横浜からは近くはありませんんから
当院までお越しいただくのもお気の毒に思います。
#3
##1
「頭部外傷」のときは必ずや「「脳神経外科専門医」を
御受診下さいますよう。
##2
「頭部外傷」の場合「頭部X線撮影」は特殊でございます。
##3
また「頭部外傷」には「意識清明期」という怖い「落とし穴」があり
「頭部外傷」
の「重症な病態」が見落とされることがございます。
#4
##1
御相談者の御相談内容からは「意識障害」がなく
「おおごえでなかれたようなので」
ある意味で安心はできますが。
##2
「頭部外傷」の「「部位」の御記載が御座いません。
##3
因みに
「頭部外傷」でも「後頭部打撲」の場合は
「後頭骨骨折」の有無の
診断は「大変重要」です。
##4
「後頭骨骨折」による「硬膜外血腫」は「静脈性」のため
場合により
「意識清明期」が数日ー数週間に及ぶことがございます。
##5
「意識清明期」は「頭部外傷」の後に
現在意識状態は「清明」であっても
時間経過とともに「意識障害」が出現するという怖い「症状」
で御座います。
#5
##1
「以上の状況ですが、ぶつけた時の衝撃がかなり強かったと感じているため、
何もないか、今後何か起こらないか、ととても心配しています。」
との事です。
##2
「小児頭部外傷」或は成人の「頭部外傷」の場合も
「「中枢神経系」に異常」があっても
「症状・症候」がすぐにはでないことが
御座います。
##3
よくある御相談で
「脳に異常や頭蓋骨に異常があった場合、打ったあとは元気に
うごくことは出来ないのでしょうか?」
というご相談が御座います。
=>このような場合
はおおむね
御相談者のご指摘どおりで「正解」で御座います。
##4
けれども「小児頭部外傷」の場合は
「打った後に元気に動けるから」といって
「「異常所見」無し」であると考えるのは間違いです。
#6
##1
さて
「脳神経外科専門医」を御受診されると宜しいのです。
##6
このとき頭部X線撮影は
###1「正面」
###2「側面」
###3「タウン撮影」の
「3方向」は必ず「脳神経外科専門医」は撮影
致します。
##3
通常は
「頭部X線撮影」のみで宜しかろうと今の私は考えます。
##4
「お受けもちの先生」の判断により
脳CTが必要あれば撮影されれば宜しいでしょう。
##5
脳CTのみでも「骨折」の有無と程度を「診断」することも
できることも覚えておかれて下さい。
#7
よくある御質問を貼布いたします。
(Q1)今後、どの程度の期間、どのような点を注意して
経過観察すれば宜しいでしょうか?
##1
まずは慌てずに夜や夕方の場合には動かないで。
また週末は総合病院など腕利きの先生がいないことが
多いですから注意されて下さい。
##2
しっかりとした「脳神経外科専門医」先生を必ずや
御受診されて下さい。
(Q2)後頭部打撲後、所謂「たんこぶ」ができてるから
大丈夫という人が多いですが
医学的根拠がございますでしょうか?
##1
全くの医学的根拠の毛頭も無い「危険極まりない」
「間違った情報」で御座います。
(Q3)単に親の安心のためにX線の検査を
1歳弱の
小児に行うのは
デメリットの方が大きい事でしょうか?
放射線量が気になります。
##1
「親の安心」ではありません。
とんでもありません。
##2
小児頭部外傷のなかでもとりわけ「後頭部打撲」
は怖いと思います。
##3
もしも「3歳未満で骨折」があった場合。
##4
「成長骨折(増大骨折)」
の心配がありますから3歳まで経過観察は続きます。
##5
お気持ちは判りますが
「脳神経外科専門医」を御受診されない
「現実的な危険」=デメリットは計り知れません。
#8結論:
##1
「頭部外傷」の場合必ず「脳神経外科専門医」を御受診下さい。
##2
「頭部外傷」で「脳神経外科専門医」を御受診されるとき
伝達しなければならない「大事な情報」がございます。
##3
「受傷時」の情報とりわけ
###1
「頭部外傷の日時と時刻」=「何月何時何分(何秒)」は
最重要で御座います。
及び
###2
「意識障害の有無」も最重要で御座います。
###3
「受傷機転(何にどのようにして頭のどの「部位」をぶつけた)
も最重要でございます。
=>###4
###4
「御母様」が目撃されていたら問題はないです。
この場合周囲の子供さん達で「目撃者」は必ず
いますから「しつこく聞きまわり情報をあつめることが重要」。
あとになり
「受傷機転(何にどのようにして頭のどの「部位」をぶつけた)
の「情報」如何によっては「治療戦略」に大きな差が出ることが
御座いません。
##4
まずは「小児頭部外傷」の場合は慌てずに動かないで。
たとえば病院終業後や夜間や週末は総合病院などでも
腕利きの先生がいないことが
多いですから。
##5
適切なタイミングで
しっかりとした「脳神経外科専門医」先生を必ずや
御受診されて下さい。
##6
お子様は頭でっかちですから
親御様の心配は耐えません。
##7
「脳神経外科専門医」を御受診され
「お受けもちの先生」と様々に御相談されて下さい。
##8
ご心配なことと存じますが
「すぐなかれたようなので」
私の直感では御心配は要らないように
思われますが。
##9
慌てずに「しっかりとした「脳神経外科専門医」先生」
を御受診されて下さいますようお勧め致します。
##10
御相談者の場合は
お近くの
公立の総合病院の「脳神経外科外来」の「脳神経外科専門医先生」
或は
大学病院の「脳神経外科外来」の「脳神経外科専門医先生」を
「御受診」されることをお勧めいたします。
##10
ご無事を心より御祈り申し上げます。
何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。
上記あくまでもご参考にまでお留めおき
ご無事にされて下さいませ。
何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。
何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。
[2005年7月23日 18時38分20秒]