森と湿原の中の「芸術の村」です。(4/16 Worpswede)
このイースターの4連休の最終日も、寒くて雨が降るという、あいにくのお天気。お出かけもやめちゃおうかなって思ったくらいだったのですが、でもおうちでボーっとしてるのも退屈でつまんないし、とりあえずは出かけることにしました。
行き先は実をいうと車に乗っているときに決めました。お天気がよければ少し遠出しようと思ったのでしたが、雨が降り続いたので、今日は近場にしておこう!と思い、ヴォルプスヴェーデ(Worpswede)という村へ行くことにしました。たぶんここもマイナーでガイドブックにも載ってない可能性があると思うので、またまた少し紹介させていただきますね。場所はブレーメンから北東へ25kmほどで、多くの芸術家がここで暮らして活動をしているという村で、以前NHK教育テレビの「日曜美術館」(だったかな?)で紹介されたこともあるんですよ。
今日の移動時間はほんのわずか。Worpswedeに着いたのが朝の9時半で、まだ観光案内所も美術館もオープン前。ちょっと早かったみたいだったので、とりあえずは村の中を適当に散策していました。風景としては、特に歴史的な建造物があるというわけでもなくて、かわいらしいおうちが並んでいるという、ごく一般的なドイツの村って感じです。でもウィンドーには陶器、絵画、工芸品などが並べられていて、やっぱりここは芸術の村なんだ!って思いました。それにしても雨はずっと降り続いていたし、寒かったな〜
ようやく教会の鐘が鳴って、10時になりました。辺りのお店なんかも、この鐘を合図に開店するんでしょうね。観光案内所へ入って、いつものように街の案内図をもらいました。今回は2DM必要でしたけれど、イラストが描かれていて暖かい感じのガイドでしたよ。まず目指したのが、19〜20世紀にかけて活躍していたHeinrich Vogelerのアトリエだったというバルケンホフ(Barkenhoff)へ向かいました。パッと見た感じは、もちろんふつうのお宅と変わらないんですけれど、お庭がちょっと凝った作りになっていて、シンプルだけどステキだな〜って感じの場所でした。中は木版画や小さなデッサン画、それからフォーゲラーが使っていた家具類が展示されていたのでしたが、大きな油絵はあまりありませんでした。何だかペンでサッサと描いただけのような絵が多かったのですが、それでも素人さんにはマネできないんでしょうね。思わずスゴイな〜なんて見入ってしまいました。種類は肖像画や風景画などが中心でした。風景もこのヴォルプスヴェーデの湿原や川に浮かぶ船など、20世紀初頭あたりに描かれたものがほとんどなんですけれど、それが21世紀になった今も、その絵と変わりない風景が見られるんですよ。そしてここで活躍された画家さん達の紹介コーナーがあって、ほとんどの方がよそからここヴォルプスヴェーデに移り住まれたんだってことも分かりました。主には1800年代からなんですけれど、今もそれが受け継がれているんです。

ハインリッヒ・フォーゲラー(Heinrich Vogeler)のアトリエ、バルケンホフ(Barkenhoff)です。
そうこうしているうちに、もうお昼に近づいてきてしまいました。レストランに入ってパスタを食べたのでしたが、レストランの中は、ここの画家さんが描かれた絵が飾られていて、私も自分のお部屋をこんなステキな絵で飾ってみたいな〜なんて思ってしまいました。
次にたぶんこのヴォルプスヴェーデでいちばん大きい美術館と思われる、Ludwig-Roselius-Museum(ルートヴィッヒ・ロゼリウス・ムゼウムでいいのかな?)を訪ねました。ここでは"Grosse kunstschau"(大芸術ショー)が開催されているんですよ。まずは油絵の風景画のコーナーからです。描かれたのは1900年前後なんだけど、どの絵の風景も、今とあんまり変わってないんだな〜って感じがしました。それだけドイツが街並みを大切に保存してきたのかな〜? この村に来る途中の川と船の風景も、絵とほとんど同じだったし、教会や石畳の道、階段、そしてそこで暮らしている民族衣装を着た女の子など、本当に今と一緒なんです。ちょっと懐かしさのようなものを感じました。そうそう! フォーゲラーさんの「私の庭」という絵があったんですけれど、これがさっき行ってきた"Barkenhoff"のお庭とまったく一緒でしたよ! そして次に現代画のコーナーの方へも行ってみました。タッチなんかがやっぱり昔ながらの油絵とは違うのは分かるんだけど、やっぱり理解するのはむずかしかったですね。そうそう! いわゆる落書きみたいな絵もあって、「これはいったい何を表しているんだろう?」ってしばらく見入って考えたんですけれど、??? 結局は分かりませんでした・・・・・ 現代画って、ちょっとむずかしいのかな〜? それとも私みたいなシロウトに分かるようなものではダメなんでしょうか? いろいろ見て回って、目を肥やすしかなさそうですね。

Lutwig-Roselius-Museumの入口です。
そして次はフォーゲラーの奥さんが彼と別れた後に住んでいたというHaus im Schlue(ハウス・イム・シュルー)を訪ねました。この"Schlue"とはこの辺りの方言で沼や湿原っていう意味で、この村一帯が森や湿原に囲まれているし、また並木道も多いんです。ここはわらぶき屋根のお宅で、フォーゲラーの奥さんは小さなペンションを経営したり、はた織りをしながら生計を立てていたそうで、今でもここに一般のお客さんが宿泊できるんですよ。見学できたのは2つの建物で、1つは奥さんの肖像画や写真、はた織り機や生活用具などが展示されていて、美術館というよりは博物館という感じでした。もう1つが最近の画家さんが描かれた絵の個展になっていました。名前が「ナターシャ」さんだったから、女性の方かな? とってもカラフルでインパクトのある絵だったけれど、中身は現実と空想の世界がミックスされたとても複雑な絵でした。タイトルは書かれていたので、それがどこに描かれているのかは分かったんだけれど、全体の絵として何を表しているのかまでは理解できませんでした。やっぱり私には芸術を理解するまでには、まだまだ修行が足りないってことなのかな〜?。

フォーゲラーの奥さんが住んでいた、ハウス・イム・シュルー(Haus
im Schluh)です。
また今日も歩き回ってしまったな〜って感じで、カフェで一休み。ここもやっぱり壁には絵が飾られているんですよね。これって画家さんが寄贈するのか、それともお店の方が気に入ったものを買い揃えるのかな〜?
このあとは周辺のギャラリーなどを歩いてみました。その中でここで生活されている画家さんが描かれた絵画が、たくさん売られているショップが何件かあったのでしたが、それが1枚だいたい150DM(9000円弱かな)からと、そんなに高くない値段だったので、いつか買いに来てもいいな〜 ひょっとしたら、年月が経てば値打ちが上がってる!っていう可能性もあるからね。

好みの男性のタイプで〜す!\(^o^)/(?!※@・・・・・)
ここWorpswedeには、この他にもたくさんの美術館やギャラリーがあるんですよ。芸術のお好きな方には、絶対にオススメです。今度行くときは、絵を買って帰ろうかな?って思っています。私が買うとしたら、風景画などの分かりやすい絵になるでしょうね。