夏休み旅行(後編)(2010.8.11〜14)

8/11(水)
 前編の続きです。19時を過ぎて暗くなりかけていたのですけれど、ナビの力も借りて道にも迷わずにクラクフ市内のホテルに無事到着です。(^o^) そして落ち着いた頃に、またまたアメリカからのしつこいマチガイ電話(?)がかかってくるので、恐る恐る出てみると、何とニューヨークの方からで、「近いウチにウィーンへ行きたいんだけど・・・」ってお仕事関係の電話だったので、ビックリ!(^^;) もちろん、「ぜひお待ちしています!」って回答して、詳しくは職場のメールに入れておいていただいたとのことでした。

 この後は、旧市街へトラムを利用して出てみました。晩ごはんも最初に見つけた雰囲気のよさそうなレストランに入ってみたのですけれど、食べ物はワルシャワよりも豊富な感じがしましたよ。(^o^) そう、ポーランドの首都は、今はワルシャワですけれど、昔はここクラクフだったんですよね。そしてさらにビックリしたのが、ワルシャワよりもさらに飲食がお手頃価格だったことでした。ワルシャワの6割くらい? ウィーンと比べたら半分以下で、スープとメインとお酒がいただける感じなんですよ。ポーランドでも有数の美食のエリアだったりするのかも知れないですね。

 少し旧市街の夜景の中をお散歩して、ホテルに戻って、彼女がお風呂に入っていたら、何とお風呂から水漏れ発生! ひょっとして、後進国へ来ちゃったのかな???(^^;)
8/12(木)
 水漏れのおかげで、お部屋のカーペットも湿ってしまって、仕方なくホテルのフロントに事情を説明して、お部屋を替えてもらうようにお願いしました。取りあえずは、今朝のチェックアウトの状況を見ないと分からないとのことで、朝のところはそのままで観光に出かけることにしました。

 最初の目的地は、旧市街の中にあるヴァヴェル城からです。ホテル前からトラムに乗って1本ですね。最近の欧州旅行では、公共交通機関を使うことにも抵抗がなくなってきたような気がしています。前日にクラクフカードの72時間券を買っていて、市内交通はすべて乗り放題だったんですよ。

 で、このヴァヴェル城を見学しようと思ったのですが、チケット売り場は長蛇の列・・・・・ しかも1日に入場できる人の数に制限がかかっていて、見られたのはお城の内部と宝物殿だけ。王族の私室はすでに制限がかかっていて、入ることができないとのことでした。オマケに、クラクフカードではお城の見学はできないようになっていて、改めて入場券を買うことになってしまいました。このクラクフカード、あまり使い勝手はよくないかも知れないです・・・・・

 指定された時間になって、お城の入口へ。お城は天井に木彫りの顔の胸像が飾ってあったり、ちょっと独特の雰囲気ですね。そして宝物殿の方は、武器などが展示されていました。ここクラクフは、昔のポーランドの首都でもあったし、ウクライナの領土だったり、いろいろ複雑な歴史を抱えた国でもあるんですよね。

 ここヴァヴェル城は、王宮だけじゃなくって大聖堂もあるので、感じとしてはチェコのプラハ城みたいな感じかな〜? 大聖堂自体は無料で、その博物館が有料とか、とにかくややこしいシステムにはとまどわされます。とにかく朝早くに訪れて、チケットを確保しないといけないところでした。(^^;)

 ヴァヴェル城(Zamek Królewski na Wawelu)の旧王宮の中庭です。
このお城の観光、かなりややこしかったです・・・・・(^^;)

 お城を見た後には、そのウクライナ料理のレストランがあったので、軽くスープだけいただくことにしました。スープもウクライナ風で、これがとってもおいしいんですよ。(^o^) ワルシャワではあまり見かけなかったんですけれど、次の日になって、その答えが分かったような気がしました。

 さらに国立博物館を見てから、教会でオルガンコンサートがあるということで、見に行くことにしました。旧市街の中心、中央市場広場から少し南へお城方向へ向かったところにある、聖ペテロ聖パウロ教会というところなんですけれど、教会って天井が高くて、夏場でも涼しく過ごせるんですよね。オルガンの曲となると、やっぱりバッハの曲が多くなりますね。連日の疲れが出て、少しウトウトしてしまいましたけれど、パイプオルガンはいつ聞いてもホッとさせてくれますね。

 あとは織物会館の中にあるギフトショップを見たり、旧市街をダラダラと歩き回っていたら、すっかり夕方ですね。ここクラクフは歴史的な建物に囲まれていて、ただ歩くだけでも楽しめますね。

 晩ごはんは、けっこう呼び込みのしつこいお姉さんのお誘いに乗ってしまって、そこのレストランに入ってしまいました。というのも、旧市街だったのに、周りにあまりレストランが見当たらなかったので、仕方なく・・・・・だったのでした。で、ボッタクリ価格だったらどうしよう・・・・・(^^;)って心配しながらも、出てきたお料理は本当においしく、お酒も満喫して、いざお会計したら、あまりにも良心的なお値段で、すっかり拍子抜け・・・・・

 クラクフに来て、ごはんが本当においしいし、そしてワルシャワと比べても6割くらいのお値段でお飲み物に前菜にメインにとおなかいっぱいに堪能できるんですよ。ウィーンと比べると、1人分でお釣りが来る感じですね。(^o^)

 ホテルに戻って、お部屋のお引っ越しです。ただ今度のお部屋は、お風呂は大丈夫だったのですけれど、エアコンが効かない・・・・・ まあ、朝晩は窓を開ければ涼しいので、もうあんまりマトモなお部屋を期待しない方がいいのかな〜?ってことで、あきらめてしまいました・・・・・
8/13(金)
 今日の午前中も、メークのOKをもらっていました。(^o^) ここクラクフは、17世紀初めまでポーランドの首都だったんですね。それからワルシャワに首都が移ったので、ちょうどワルシャワが日本で言えば東京みたいな感じ、クラクフは京都みたいなイメージでいいみたいです。

 この後は、またまた女性2人で旧市街散策です。(^o^) 女性のファッションは、ウィーンよりも暑さが少し控えめな感じもあって、露出はちょっと控えめな感じもしました。

旧市街へ入ってすぐのところにある劇場です。スウォヴァツキ劇場というそうです。

そのスウォヴァツキ劇場の前の通りです。

旧市街を形づくる城壁で、ここはフロリアンスカ門(Brama Florianska)といいます。

ちょうどフロリアンスカ門のウラ辺りの通りです。

フロリアンスカ門を旧市街中心側から見ると、こんな感じで、後ろでは絵が売られています。(^o^)

フロリアンスカ門側から旧市街中心方向で、後ろに見えるのがクラクフでいちばん大きな教会、聖マリア教会です。

クラクフ旧市街の中心部、中央市場広場です。バックがそのシンボルのような、織物会館です。

中央市場広場の東側です。ここクラクフは人口70万人以上の大都市でもあり、観光都市でもあるので、すごい人の数でしたよ。

織物会館の中は、ギフトショップが並んでいるんですよ。

中央市場広場からヴァヴェル城方面へ向かう途中の、聖ペテロ聖パウロ教会です。きのうオルガンコンサートを聞きに入ったところです。

私の後ろがヴァヴェル城になります。

 お昼ちょうどにホテルに戻って、ふつう(?)の夫婦に逆戻りです。(^^) そこから、今度はユダヤ人地区へ行ってみました。このクラクフから少し離れたところに、アウシュヴィッツ収容所があるんですけれど、このポーランド南部って、伝統的にユダヤ人の多く住む地域なのかな〜? 最初にユダヤ博物館へ入ってみました。展示はちょうどストーリーになっていて、最初はユダヤ人家族もふつうの幸せな生活を送っていたのですが、戦争が始まってその幸せが一気に奪われてしまって、アウシュヴィッツなどの収容所に送られてしまうというモノで、まさにユダヤ人迫害の歴史を、見せつけられた感じがしました。

 さらにユダヤの教会シナゴーグや、ユダヤ人墓地なども見て回りました。ユダヤ人墓地やシナゴーグに入るときは、男性は小さい帽子をかぶるように、係の人が指示をされていました。どういう意味があるかまでは分からなかったのですけれど、神聖な場所ということなんでしょうね。

ユダヤの教会、シナゴーグです。

 ユダヤ人地区で、お昼ごはんを食べようかな〜?とも考えたんですけれど、ユダヤ料理とポーランド料理、そんなに変わらない気もしたので、旧市街に戻って、ちょうど屋台でピエロギが売っていたので、彼女と2人で分けながら食べました。そしてここポーランドには、Lodyという日本でいうソフトクリームが売っているんですよ。これもウィーンとかでは出会えなくって、バニラ味を食べてみると、ミルクの味がスッキリした味わいで、とってもおいしいんですよ。(^o^)

 この後は、ワルシャワだけでなくって、ここにもあるバルバカンとフロリアンスカ門の内部を見学しました。ここクラクフの城壁が形成されていく歴史が展示されていたんですよ。クラクフは、第2次世界大戦でもそんなに被害を受けていないので、古い街並みがそのまま残ったそうですね。

 さらには旧市庁舎の塔に上って、クラクフ旧市街やヴァヴェル城の景色を眺めたり、中央市場広場にある大聖堂の聖マリア教会などを見て回りました。本当のところは、クラクフカードで無料で見て回れる場所を当たって行ったような感じなんですけれどね。(^^) ここ聖マリア教会では、1時間に1回、教会の塔の上からラッパが鳴るんですよ。機械仕掛けじゃなくって、ちゃんと係の人が吹いていて、みんなその姿を楽しんでいるんですよ。

 おみやげを買えるのも今日が実質最終日だったので、いろいろ買いそろえて行きましたよ。彼女はコハクのアクセサリー、あとはポーランド産の陶器とか、買い込んで行きました。車で来てるから、重さにはそんなに気を使わなくていいんですよ。(^o^)

 あと、回り忘れがないかな?と思っていたら、クラクフ大学方面がまだだったので、少し歩いてみました。そちらにもクラクフカードで見られる場所もあったのですけれど、あいにく工事中だったり閉館時間だったりで、お散歩だけになってしまいました。それでも、ここクラクフは、旧市街を緑いっぱいの公園が取り巻いている感じの街で、歩くだけでも楽しめるところですよ。(^o^)

 晩ごはんは、ちょっと高級レストランを選んでみました。確かに今までと比べると、ずいぶん高かったのですけれど、その分お料理も上品な感じで、ここクラクフはグルメにも楽しめるところだと、改めて実感しましたよ。(^o^) お値段が高いといっても、ウィーンと比べればそんなに高いワケではないんですけれどね。(^^)

 明日も早く出かける予定なので、今日はこれでトラムに乗ってホテルへ帰りました。ここクラクフのトラム、検札がけっこうマメにあるんですよ。旅行者風のお姉さんだったり、地元のおじいさん風の方が検札係だったりするので、ビックリするんですよ。で、けっこう捕まっている人も多かったのにも、ちょっとビックリしてしまいました。(^^)
8/14(土)
 今日が旅行最終日です。早めに起きて、朝ごはんを食べて、荷造りしてチェックアウトです。そういえば、きのうは7時に朝ごはんへ行ったら、レストランが大混雑していて、今日はそれより早い6時半にしたのですけれど、それでもだんだんと混雑が激しくなってきてしまいました。それだけ、ここクラクフが人気の観光地ということなんでしょうね。

 今日は真っ直ぐウィーンに帰るんじゃなくって、最後の目的地、アウシュヴィッツ収容所の見学の予定を入れていました。クラクフからアウシュヴィッツ(ポーランド語ではOswiecim、オシフィエンチムと読みます)まで、西へ50kmほど行ったところになります。ちょっと道に迷いそうになりましたけれど、何とか集合時間の10時半に間に合って、一安心です。(^o^)

 ここは自由に見て回ることもできるのですけれど、日本人のガイドさんにあらかじめお願いしておけば、連れて行ってくれるとのことだったので、確か11日にそのガイドさんにメールを送ってOKを頂いたんですよ。ガイドに参加するのは、日本人ばかりで10人とちょっとです。

 アウシュヴィッツ収容所、外から見る限りは整然としたレンガ造りの建物が並んでいる感じなんですけれど、ユダヤ人が処刑されたガス室や、その処刑に使われたガス、処刑された人の髪の毛、持ち物、写真など、衝撃的な内容でした。ユダヤ人というだけで、迫害を受けないといけなかった時代の歴史を目の当たりにした感じでした。

 一通り見た後は、ここから2kmほど離れたもう1つの収容所、ビルケナウ(Birkenau)収容所へシャトルバスを使って移動しました。そこもそのガイドさんが説明をしてくれました。こちらはアウシュヴィッツよりも広大な敷地になっていて、すでに取り壊されていた建物も多かったのですけれど、当時の何人ものユダヤの人たちが詰め込まれた貨車や、その引き込み線路、アウシュヴィッツよりも大きなガス室、ユダヤの人たちが詰め込まれるように生活させられていたベッドが並ぶ収容所、穴が並んでいるだけのトイレなど、こちらも迫害の歴史をそのまま見ることになりました。

 ところで、そのユダヤ人っていうのが、どうも定義があいまいみたいなんですよね。そんなカンタンに区別が付けられるモノでもなくって、ナチスから「ユダヤ」と言われた人がユダヤ人って扱いを受けていたみたいです。そういえば、去年の年末にアンネ・フランクの家を訪れたのですけれど、そのアンネもここビルケナウに送られてしまったんですね。処刑されてしまったのは、ドイツの収容所だったそうですね。

 ここの両方の収容所の見学は、トータルで約3時間で、暑い中を歩き回って少し疲れてしまいました・・・・・ それでもやっぱりここに来れて、本当にいろいろ感じることができたと思っています。カンタンには言えないんですけれどね。

アウシュヴィッツ収容所です。
"Arbeit macht frei"、「働けば自由になる。」って意味ですけれど、実際にここに連行されたユダヤ人の人たちは、数ヶ月で処刑されてしまったそうです。

ビルケナウ収容所です。貨車みたいに見えますけれど、ここにユダヤの人たちが詰め込まれて運ばれてきたそうです。

 これでアウシュヴィッツを離れて、スーパーマーケットで食料品を最後のおみやげに買い込んで行きました。そう、きのう飲んだウォッカも、ロシアよりもここポーランドの方が本場だったんですね。他にもビールもおいしかったので4本ほど買って帰りました。彼女はポテトチップとかのお菓子類に関心アリですね。

 ここからウィーンまでは約450km。行きと同じようなルートで、チェコ経由でひたすらウィーンを目指しました。21時前に、ようやくオーストリア国境手前までたどり着いたのですが、そこのスーパーマーケットがまだ開いていたので、そこで生鮮食料品などを買って帰りました。そう、オーストリア以外の東欧方面では、土曜日も遅くまでお店が開いてるし、日曜日も営業しているところがけっこう多くて便利なんですよ。

 帰宅できたのは、22時過ぎ・・・・・ さすがに体もクタクタでしたけれど、初めてのポーランド、とっても楽しく過ごせましたよ。(^o^)

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