国境強硬突破!? そこはメルヘンの世界でした。(4/7 Utrecht→Haarzuilens)
実を言うと、いつまでヨーロッパに滞在できるか、分からない状況なんです。ひょっとしたら今月中の帰国もあり得るんじゃないかってことも、否定できないんです。といって、本当のところは未定なんですけれどね。というわけで、今のうちに行ける所へは行っておこうと思いました。その中で、往路のアムステルダム行きの飛行機の中で見た機内誌に「オランダ古城物語」というコーナーがあって、そこで見たお城がとってもステキだな〜って思ったので、行ってみようと思いました。
オランダといえば、そうです! 今、口蹄疫で大騒ぎしている国で、連日ニュースでもいろいろ取り上げられている、ちょっと大変なところなんですけれど、私の「お城見に行きた〜い!」っていう願望の方が強くて、ムリヤリ行くことにしました。でも本当はいろいろ不安はあったんだけどね。
というわけで、今日は念のため、パスポートを持参しました。とはいっても、服装は完全に女の子モード! 検問所で何か聞かれたら、適当に答えて逃げちゃえばいいかなって軽く考えていました。
天気予報では、晴れ時々くもりたまににわか雨って感じだったのに、朝方はひどい雨。本当に引き返してブレーメンかハンブルクでのショッピングに切り換えようかと真剣に考えたくらい、激しい雨が降っていたのでしたが、オランダ国境に近づくにつれて、回復してきました。
さて、いつもだったら、ドイツとオランダの国境は、そのままのスピードで通過できるんだけど、この日はいったん国境のサービスエリアに入って検問を受けなければなりませんでした。で、係員さんがおられたんだけど、そのときは何もなくて「行っていいよ!」のサインでした。というわけで、サービスエリア内の両替所に入って、"Bitte wechseln!"でドイツマルクからオランダギルダーに両替してもらいました。駐車場で、イギリスナンバーの車に乗っていた男の子に手を振られちゃったけれど、何のサインだったのかな??? 私も軽く手を振り返しちゃったけれどね・・・(^^;)
このあとは特に迷うこともなく、ユトレヒト(Utrecht)という街の中心部に到着しました。ここはオランダのほぼ中央、首都のアムステルダムから南東へ少し行ったところにある街です。今日のお目当てはこの街の観光ではなくて、このユトレヒトの郊外にあるデ・ハール城(Kasteel de Haar)なんです。ここへはお昼ごはんを食べにきただけのつもりでした。ということで、まずはレストランをいろいろ探しながら、市内を少しブラブラ散歩していたのでしたが、近代的でとても活気がある街だな〜というのが、第一印象でした。ここで目に付いたのがファーストフードの自動販売機なんです。お金を入れるとサンドイッチなどが出てくるシステムなんだけど、正直いって利用する気になれなかったな〜 これがオランダスタイルなのかな? アムステルダムでもよく見かけました。結局はふつうのカフェレストランのようなところへ行って、イタリア料理を食べました。
お昼ごはんを食べ終わって、お目当てのデ・ハール城へ向かいました。駐車場に車を止めて、お城へ向かって歩いていったつもりが、全然違う方向へ行ってたみたいで、駐車場へ引き返しておじさんに「お城はどこですか?」ってガイドブックの写真を見せて聞いたら、「あっちだよ!」って教えてくれました。でも私が歩いていったお城との反対方向には、とってもかわいらしい村があったんです。これはお城見学が終わってからまた来ようと思ったくらいステキな所だったので、「時間ソンしちゃった!」って気にはならず、かえってよかったって思ったくらいでしたよ。
引き返した駐車場から10分以上歩いたころに、お城の門が見えてきました。まさに童話に出てくるお城!って感じなんです。本当にそんな風景に出会うことができたんですよ。そしてお城の建物自体も、写真で見るよりずっとステキ! 早く中も見てみたい!ってちょっと急ぎ足になっちゃっていたかも。お城の建物の中に入ろうとしたら、「口蹄疫の恐れがあるので、足をよく拭いてからお入り下さい。」って貼り紙がありました。相当神経質になっているみたいでした。そして「ガイドツアーに付いて行きたいんです。」って受付のお兄さんに申し込んだら、ちょうど最後の15時からのツアーに間に合うよっておっしゃってくれました。それから「どこから来たの? 中国? それとも日本?」って聞かれて、「日本ですよ。」って言ったら、日本語で書かれたお城のガイドツアーの内容が書かれたリーフレットを出してくれました。これを見れば、ガイドさんの言葉が分からなくても、何とかお城のことは理解できそうで、安心しました。
ガイドさんは女性の方で、話されていたのは英語でもドイツ語でもなくて、オランダ語でした。というわけで、結局はガイドの方はさっぱり分からずじまい。リーフレットの方を読みながら、お城の中を見て回ることになってしまいました。最初に出てきたのは台所。銅製のお鍋やポットなどがいっぱい並んでいたのにはビックリ! こんなの本当に使っていたのかな〜? お玉なんてさびてたよ〜! 次は饗宴の間でした。あっ!徳川家の葵の御紋の入った駕篭があるよ! 隣にいたおじさんに「あれ、キミの国から来たものだよね?」って聞かれて、答えはもちろん"Yes"でした。それからネオ・ゴシック様式の広間がすごかったな〜 石像、石灰石でできた装飾、上方のステンドグラスなど、本当にキレイでした。他にも中国から渡来した陶器もたくさんあって、オランダとアジアの国とのお付き合いが長かったんだな〜ってことも分かりました。

ユトレヒト郊外にあるデ・ハール城です。
お城見学が終わって、少し写真を撮ろうと思ったそのとき、急ににわか雨に遭ってしまいました。そういえば、傘は持ってきたんだけど、重たいから車の中に置いてきちゃったんだ!! どうしよう! 仕方なく雨宿りしながら、少しずつ進んでいったんだけど、しばらくしたら止んでくれたので、少し濡れちゃっただけで済みました。それにしても、大ボケを通り越して大バカですね・・・トホホ・・・・・(^^;;;)
お城から元の駐車場まで引き返す途中、牧場でヤギさんがたくさん飼われているのを見かけました。親子で一緒に遊んでいたのが、とっても可愛らしかったな〜 本当にこの一帯はメルヘンチックな世界がそのまんま残ってるって感じなんですよ!
そしてさっきの村(村の名前はHaarzuilens=ハールザイレンスといいます)の中心部へ向かいました。どのお宅も赤と白のストライプの装飾があって、これがとってもステキなんです。ここでレストランに入ってみました。内装も歴史を感じるもので、とってもいいな〜って思いました。ここももう少し暖かくなればテラスが出るんでしょうけれど、ちょっと早かったみたいでした。しばらくのんびりコーヒーを飲んでから、広場に出て、写真をいっぱい撮っちゃいました。

デ・ハール城のふもとにあるハールザイレンス(Haarzuilens)の村です。
窓枠などが赤と白のストライプで飾られているのが特徴で、とってもかわいらしいんですよ!(^o^)
お城と村の観光が終わって、時間が早ければもう一回ユトレヒトの中心街に戻ろうかなって最初は思ってたんだけど、ここがとってもステキで、もう十分すぎたので、このまま帰ることにしました。もう夕方にもなってたしね。
さてさて、実をいうともう一つ大事なことが残っていたんです。それが国境越え! ドイツからオランダに入る分には何ともなかったけれど、逆は果たしてどうなっているのかな? 何せ、オランダが口蹄疫の元の国だからね。国境の2kmほど手前になると、渋滞が始まってしまいました。パスポートチェックがあったら、どうしよう!なんて思っていましたが、このときはもちろん女性の恰好をしていました。延々1時間以上、その渋滞にお付き合いするハメになってしまいました。サービスエリアに入って、係員さんに止まるように指示され、素直に従いました。そして「肉類、ハム、チーズなどを持ってませんか?」ってドイツ語で聞かれたのですが、「ありません。」と答えたら、それで通してくれました。パスポート提示、クツやタイヤの消毒など一切ナシ! たったこれだけのために延々と待たされたの??? でも無事に通れたし、一つのイベント体験ということで、まあいいかな!ということにしておきます。
おかげでアパートに戻ったら23時を過ぎていました。晩ごはんは途中のハンバーガーショップで軽く済ませてしまいました。とりあえずは、恐れていた国境越えも渋滞と簡単なチェックだけで済むみたいで、少しホッとしています。こちらにいる間に、オランダへはまた行こうと思っています。