EXPO2000を見て来ました(10/8、Hannover)
準備
 金曜日(10/6)の夕方、職場では一つのイベントが成功したことで、そのお祝いにみんなでシャンペンを飲んでいました。おかげですっかり酔っぱらってしまった私は、アパートに帰ってから体のお手入れなどの女の子になる準備をする気がまったく起きず、土曜日のお出かけを断念しました。というわけでこの日はまずはお買い物です。食料品とそれからあのEXPOのチケットを購入しました。これで今月末までの好きなときに行けることになりました。その後は美容院へ行って、髪を少しカットしてもらいました。今回は「2cm切って下さい。」とちゃんとオーダーし、仕上がりはグッド! 前よりかわいくなったかな。それからは、おうちでお昼寝したりしてのんびりと過ごしました。夜になって体のお手入れを開始し、明日のエキスポ行きに備えました。ということは、当然女の子で行くことになるんですけれどね。
衣替え
 そういえば10月は日本では衣替えの季節だったんですね。厳しかった暑さも落ち着いて、ようやく涼しくなってきた頃でしょうか。それにしても、どうして男の人ってあんなに暑い真夏でも、スーツの上着を脱ごうとしないのかなっていつも思ってしまいます。見ているだけでも暑苦しそうなのにね。私のいるドイツでは、何日かはメチャクチャに暑い日はありましたけれど、それ以外は本当に快適でしたからね。私が職場に行くときのスタイルも、半袖のTシャツだけで行ったことはまれで、たいがいは長袖のトレーナーでしたからね。お昼に晴れてきて暑くなってきたらそこで半袖Tシャツに着替える、という感じでした。だからこちらでは夏場でもスーツの上着を着ていても、特に不自然な感じはしないんですけれど、日本のあの暑さにはどう考えても合わないと思うのは、私だけかな? 夏場でも上着を着られる温度にするために、冷房をガンガンかけるなんておかしいとか思わないのかな? というわけで、日本の男の方にも少しは世の中を変えようと努力してほしいな、と思う一女性(?)からの苦言でした!
 などとよけいなことはさておき、私もこの日から衣替えです! 朝晩の冷え込みも少しずつ強くなってきているし、お昼でも風が吹くと涼しいを通り越して寒いくらいになっていますからね。というわけで上着はカーディガンからコートへ、そして足許もサンダルからブーツへチェンジです。
いざエキスポへ
 さて朝7時過ぎ、車に乗っていざ出発!と思ったら、何とフロントガラスが凍っていました。ワイパーで取り除こうとしてもダメで、結局エアコンで風を送って解かしましたけれど、もうそんなに寒くなっているんだってちょっとビックリ! でもしばらくしてからのラジオのお天気情報で「ブレーメン、霧、2℃」って言っていたので、納得! もうこれからのお出かけは道路の凍結などに気を付けないといけないなって思いました。
 ハノーファまではアウトバーンを走っていきました。途中工事が結構やっていたけれど、それ以外は140〜160km/hでけっこう快適に走ることができました。でも私は実をいうとエキスポがどこでやっているのかまったく知らず、道路にある[EXPO]の案内だけを頼りに行きましたが、アウトバーンを降り、道路の渋滞が始まったことで、「これに付いていけばエキスポに行けるんだ」って安心しました。しばらくその渋滞にお付き合いしていたら駐車場の案内が出てきて、無事に着いたみたいです。適当に会場の南側の駐車場に止め、会場に向かいました。到着は10時前くらいでした。
エキスポ会場へGO!
 会場の入口近くでエキスポのガイドブックを購入したのですが、あとでドイツ語のガイドだった!と気付いたときはすでに遅くて、まあいいかということで英語版を買い直すこともなく、このガイドを片手に会場内を歩くことになってしまいました。入口ゲートをくぐり抜けたところで、ボディーチェックがありました。ここでは男性用ゲートと女性用ゲートがあったのですが、私は当然女性用ゲートへ進みましたよ。どうせたいしたものを持ってきていないし、大丈夫だろうと思ったら、何とブザーを鳴らしてしまいました。係員のお姉さんに「バッグを開けて下さい!」って言われ、中をチラッと見せたら、それでOKでした。空港みたいにお触りされたらどうしようって思ってしまいましたからね。ということは、ただの爆発物検査だったのかな?
 今回エキスポへやってきたものの、特にお目当てのパビリオンなどはなくて、とりあえずどんな感じかが分かれば十分だと思っていました。とはいえ、まずはやっぱり日本のパビリオンへ行くことにしました。だってそれ以外の国のパビリオンには日本語のガイドがあるとは思えませんでしたからね。でも地図を見ると、私が入場した南入口からいちばん遠いところにあって、結局端から端まで歩くハメになってしまいました。まあこれも全体を見回すにはいちばんいいかなって思ったし、それに最近ちょっと太ったかな???って気がしてならないので、この日は歩き回って余分な脂肪を燃やし切ろうと思っていたので、ちょうど都合がいいんだって考えました。体型の目標は、ごはんをおなかいっぱい食べたときに、9号のスカートがちょうどいいくらいになる感じかな。今だったら、食後は少しキツイですからね。
まずは日本パビリオンへ
 全体を見回したところ、どこのパビリオンも入場待ちの行列ができていたので、そんなにたくさんのパビリオンは回れないなって思いました。延々と歩いて日本のパビリオンに到着しましたが、ここもやはり長い行列ができていました。そして予想通り、周辺ではたくさんの日本人観光客(当然お仕事で視察されている方もいらっしゃるとは思いますが)を見かけましたし、日本語の会話も聞くことができましたよ。
 行列のいちばん後ろに並び、「入場まで30分」の看板がありましたが、実際には15〜20分くらいでパビリオンに入ることができました。中に入ると、テラドームの白い屋根とそれから骨組みが目に付きました。白い屋根は紙製で、再生可能だそうです。また骨組みはよく見るとダンボールから作られていました。
 パビリオン内は5つのブロックに別れていて、全体のテーマとしては、地球上の二酸化炭素を減らすために日本が取り組んでいることという感じで、そのための技術、新しい生活スタイル、社会システムのモデルなどが紹介されていました。最後の5つ目のブロックは、2005年の愛知万博の紹介でしたけれどね。各ブロック間にも日本の自然や文化の展示、二酸化炭素のリサイクルシステムや新しい車社会のモデル、また環境に関連した切手の紹介などが展示されていました。この切手の紹介のコーナーでは、パソコンが置いてあって、観客が自ら画面をタッチして見ていくというシステムで、子供さんにも楽しめる内容でしたよ。ここではあの「かぐや姫」のお話も紹介されていて、日本語、ドイツ語、英語で説明を聞くことができました。私がちゃんと理解できるのはこの日本パビリオンだけだと思い、ゆっくりと見て回ったんだけど、他の多くの人たちはけっこう早足でさっと見ているだけって感じでした。全体としては、主張していることが明確で分かりやすかったなというのが印象でした。

日本パビリオンの前です。屋根も骨組みも紙製だそうです。
パビリオン前には、各都市の紹介がパネルで展示されていました。

 日本パビリオンを出て、どこかでお昼にしようと思ったのですが、近くにお寿司が売っているのを発見し、うれしくなってパック入りの巻き寿司8個入りを買って食べたのですが、中身はカッパとカニソーセージだけで味はイマイチ! 他のものにすればよかったと後悔してしまいました。口直しに他のものを食べようかとも思ったのですが、これ以上食べたらスカートがキツくなっちゃうよ〜 というわけで、これでガマンです!
カナダパビリオンへ
 さて次はどこにしようかと思ったのですが、近くにあったカナダ館に行きました。ガイドを見ると、何やら360度の画像が見られるということでしたが、中に入ると両サイドだけでなく床にも天井にもテレビモニタがあって、カナダの大自然が写し出されていました。夏の美しい緑、秋のモミジの紅葉、そして冬の雪に覆われた厳しい季節などがダイナミックに表現されていました。そして劇場に入ると、ガイド通りの360度全面、そして天井がスクリーンとなって、カナダの豊かな自然やそれを守る人たちの映像が音楽とともに映し出されていました。特に言葉や文字はなくて、どの国の人にも楽しめるようになっていたはずなんだけど、何だか印象が薄かったな〜 万博の展示ってこんな感じなのかな?って思ったくらいでした。

カナダ館前です。今日から私も衣替えです。

テーマパーク
 今度は国ごとのパビリオンではなくて、テーマパークを見に行きました。このテーマパークは「新しい世界の発見」をモットーとして、11のテーマに分けての展示がされていて、広さは100,000m2(サッカー場が20入るそうです)もあるんだそうです。ここは特に行列もなく、中も広々とした展示館でした。最初に行ったのは、11あるうちのテーマの一つ、Mobilität(移動)でした。スクリーンでは未来の交通網のイメージ画像、水素を燃料とした自動車、そのためのガソリンスタンドに併設された水素ステーション、あと1リッターカーといってガソリン1リッターで100km走れる車(ドイツでは車の燃費を表すのに、「何リッター/100km」と表現します)など、低公害や省エネを目指したものなどが見られました。他には昔の車などもあって、人の移動が進歩してきたことが示されていました。そしてここの目玉は長さ80mもあるスクリーンで、未来の移動のあり方を映像で説明というより問いかけているという感じでした。ちょうどドイツ語と英語の字幕が並んで見られたので、比べてみると面白かったですよ。英語とドイツ語で、似ている言葉と全然違う言葉がありますからね。
 次はEnergie(エネルギー)です。さまざまなエネルギーがパネルや映像で紹介された後、エレベーターに乗せられて地下へ潜らされてしまいました。そしたらそこは炭鉱があって、石炭を採掘する道具が展示されていたり、実際に採鉱しているところのビデオを見ることができました。煙じゃなくてほこり(粉じんというのかな?)がすごくて、作業員の方が防じんマスクをしておられたのがちょっと印象的で、エネルギーを得るためには、すごいエネルギーがいるんだなって思ってしまいました。炭鉱のパビリオンを出たら、何とそこは地下ではなくて、2階から1階に降りただけでした。何だかすっごく下へ降りていったように感じたんだけどね。これもアトラクションの一つだったのかな? その次にはちゃんと、石炭の発電所の仕組みがアニメーション映像でわかりやすく説明されていました。しばらくエネルギーを発生させる装置の展示が続いたあと、天然ガスの説明がありました。「天然ガス」って、英語だと"natural gas"なんだけど、ドイツ語だと"Erdgas"といって、この"Erd"というのは英語で"earth"とほぼ同じ意味です。ヨーロッパでは北海から取れるそうで、ドイツへも海底パイプで直接送られているとのことでした。日本はどうだったのかな?
第2の故郷? ドイツパビリオン
 さて次は本国ドイツのパビリオンです。しばらく行列に並んでいたのですが、ドイツのパビリオンは全面ガラス張りで、中が見えます。何やら白くて大きな像がいっぱい見えましたが、さて何なんでしょうか? 20分くらい並んでようやく中に入ると、政治家やその時代に流行したキャラクターの石膏像でした。ドイツの方にはおなじみなんでしょうけれど、私にはまったく初めてでよく理解できませんでした。その後、またしばらく途中の通路で10分ほど待たされて、今度は暗い部屋に案内されました。部屋というより劇場かな。案内をよく聞いてみると、ここは「未来への架け橋」だそうで、この中では座席はなくて、通路だけしかありませんでした。でもよく見ると、その通路がたくさんの段に別れていて、ちょうど架け橋のような構造になっていました。出入口を閉鎖され、10分ほどの映像を見ました。特に言葉はなくて、音楽と画像だけでした。内容としては、日常生活から未来の理想の世界へって感じだったかな。その劇場を出ると、ドイツの各州の出し物が一つずつ全部で16あって、行ったことのある州や面白そうな展示のものだけ、見て回りました。説明は英語、ドイツ語両方あったけど、当然英語ばっかり読んでしまいました。ブレーメンはなぜだか宇宙船が展示されていました。何でだったかな? ちょっと忘れてしまいました。
再度テーマパークへ
 さあ暗くなるまでにはまだ時間があるので、またテーマパークの方へ戻りました。こっちだったら行列に並ばなくていいからね。今度はErnährung(食料)、Umwelt(環境)のパビリオンを見て回りました。食料の方は、食器、各種食材、調理用コンロなどが展示されていました。食材については、ごくありふれたものが展示されていて、宇宙食のような感じのものはありませんでした。あくまでも「豊かな食とは何か」って感じの展示だったように思います。あとは各国レストランがあったくらいかな。
 次に環境のパビリオンを回ります。テーマとしては、環境を守るために私たちができること、しなければならないことって感じでした。中には地球温暖化のパネル、環境に優しい製品、このエキスポでの取り組みや、私達が生活の中でどれだけエネルギーを節約できるか、どれだけエネルギーを発生できるかってことが体験できるコーナーなどがありました。この体験コーナーでは、サーモスコープっていうのかな? 体の温度が赤や黄色などで表示される機械があったんだけど、この前に立って見ると、薄着している部分は青っぽくなっていて、コートが当たっているところは赤くなって、目の前にある画面に大きく映し出されていました。このスコープを見る限り、私が女の子として特に不自然な感じはしなかったですよ! たぶん誰も疑ってないでしょう! 最後に出口に向かおうと思ったら、「もし6分だけお時間をいただけませんか? ここの映像で忘れかけていた何かを思い出してみて下さい。」というような看板があって、そこの360度のスクリーンを見回していました。砂漠、緑豊かな森林、雪の降る厳しい季節の中や、大都会まで、地球上の各地を歩いていく女の人の映像がずっと映し出されていました。でも結局は何を思い出したか分からないうちに、パビリオンを出てしまいました。

バックのドームは、「プラネットM」といいます。夜になると、ライトアップされるそうです。
この"M"には、"medien für menschen"(人類のためのメディア)の意味がこめられています。
上空にはロープウェイ(Seilbahn)が走っていて、会場内をこれに乗って移動することができます。

全体の印象
 これでちょうど夕方5時になりました。明日お仕事だし、それに何よりも朝から歩きっぱなしで足も少し痛くなってきていましたので、そろそろ帰ろうと思いました。そして最後におみやげ屋さん(というよりEXPO SHOPです!)へ寄って、Tシャツを1枚買いました。よく考えたら、私がドイツに来て男性ものの服を買ったのは、これが初めてです。もうそろそろ半年経つのにね。
 また南出口を目指して歩きましたが、けっこう距離がありました。無事車に到着したころには、少し辺りが薄暗くなり始めていました。おまけに車で走って少し経ったら、雨が降り始めてきました。ラジオの天気予報では、「北部地方全域は明日まで雨です」って言ってて、その通りに次の日の午前中まで雨が降り続いていました。
 今回のエキスポは、予備知識をほとんど持たないないままに行ったので、正直言って日本のパビリオン以外はあまり理解できなかった部分も多かったです。でもこの日記を書きながら思ったのですが、未来の地球の姿を説明するというよりは、問いかける感じの展示が多かったような気がします。特にカナダやドイツなどの巨大スクリーンでの映像がそうだったかも。今思えばそんな気がしています。映像から何を説明しているかってことばっかりに気を取られてしまい、こちらから何か考えるという姿勢が、今回のエキスポ見学で欠けていたかも知れませんね。まあ言葉の違いもあるし、仕方ないということにしちゃおうかな? 展示物の説明は、ほとんどがドイツ語と英語が表記されていたのですが、両方の言葉を比べてみたのは、スクリーンに映し出されるごく短い文章というより単語だけですね。それでもすっごくいい勉強にはなったかなって思っています。でも長い文章になると、どうしても英語の説明ばっかり読んでしまいました。
 今回、いろいろエキスポの情報を教えて下さった方、本当にありがとうございました。残りの開催日も少なくなってきましたので、お早めにお越し下さいね(^o^) それともリターンマッチに行って来なさい!ってお叱りがあるのかな? 全部のパビリオンを見ることは当然できませんでしたからね。


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