記事一覧

月山の木霊と遊ぶ春氷柱 有馬朗人

2012.02.10

 月山は、出羽三山の一つで山岳信仰の山である。頂上には小さな
祠もあり、人々の信仰を集める。句の春氷柱、神の山の樹木の精霊
と遊ぶという。雪に反射した光にきらきら輝いているのだろう。『耳順』

白魚やさながら動く水の色 来山

2012.02.07

 白魚は、春を告げる魚。春先に産卵のため海から河口付近に集まるのを、四手網や刺網で捕らえる。来山の句、透き通った白魚の動きを、水の動きとしてとらえる。煮たり蒸したりすれば、その透き通った色も真っ白になる。『きさらぎ』

選句結果

2012.02.06

選句結果アップしました。
今回のトップは7点、山水さんと紅葉さんでした。

ほかによかったかたは

いつせ さん
えいこ さん
ふうこ さん
みづほ さん
花筏 さん
甘梨 さん
孤愁 さん
松の さん
正男 さん
藤川和子 さん
如月 さん
白雲斎 さん
百合 さん
弥生 さん

間違いがありましたら「お問合せ」で御連絡を。

僕の感想はあとで「草の花の掲示板」にアップします。

選句結果はこちらから。
http://cgi.www5b.biglobe.ne.jp/~matu0909/matu/kukai/2012_01.html

立春の水に沈めて皿白し 菖蒲あや 

2012.02.04

ファイル 270-1.jpg

 今日二月四日は立春の節入りの日。一日だけでなく、この日から約十五日間、雨水の前日までが立春となる。暖かい地方では梅が咲き、草が萌えはじめるが、まだ深い雪に覆われている地方も少なくない。句の水の中の白い皿、どちらかといえば春の寒さを感じさせる白である。『鶴の天』

投句一覧

2012.02.01

投句一覧アップしました。

http://cgi.www5b.biglobe.ne.jp/~matu0909/matu/kukai/itiran.cgi

 選句は2/5まで。5句でお願いします。

雪の夜やひとり釣瓶の落つる音 千代女

2012.02.01

ファイル 265-1.jpg

 雪に埋もれた井戸である。誰も居ないのはずなのに勝手に釣瓶が井戸底に落ちたという。物音のない雪の夜だけに、大きく響いたのだろう。千代女には同じように釣瓶を詠んだ句で「朝顔に釣瓶とられて貰ひ水」という有名な句があるが、句の品格からいえば、こちらのほうが上であろうか。『はしの松』

冬ごもり眠れる龍のかたはらに 長谷川櫂 

2012.01.29

 「冬籠」は冬の間家にこもって暮らすこと、とくに雪の深い地方ではこの季語がよく働く。「眠れる龍」を起さないようにひっそりと暮しているのだ。「眠れる龍」は静かさを象徴的に表現したもの、春が来れば目覚めて「龍天に昇る」のである。作者の心の中に棲む龍ととらえてもいいだろう。『初雁』

浮寝鳥よべは大きな月の中 長谷川櫂

2012.01.29

 「よべ」はきのうの夜のこと。「よべは大きな月の中」の係助詞「は」が、「よべ」を強調している。ことのほか美しい月をいただいて、浮寝鳥のなんと安けらくあることか。月の光の中に浮かぶメルヘンのような浮寝鳥であるが、それ以上に、昨夜の月の美しさが作者の心を占めているようだ。浮寝鳥は、むしろ、その満月に添えられた脇役のようである。『初雁』

思ふ人の側へ割り込む炬燵かな 一茶

2012.01.23

ファイル 514-1.jpg

 四五人で談笑しているのだろう。そこへ外から来て、いきなり美人の隣へ割り込もうとする。炬燵の中で手でも握ろうという魂胆か。図々しいがなんとなく憎めない。このごろは、若い男女の幾人かが一つ炬燵で語り合うことも滅多にない。古きよき時代のちょっと艶のある一句。『寛政句帖』

鵜の揺らし鵜の揺れてゐる枯木かな 長谷川 櫂

2012.01.21

 オーソドックスな写生句のように見えるが、この句の構造はそんなに単純ではない。二つのばねが秘められているのだ。ひとつは「揺らし」「揺れてゐる」というリフレインのばね、もう一つは「鵜の揺らし」という能動態を「揺れてゐる=揺れさせられてゐる」という受身で撥ね返すばね。まるで鵜がトランポリンで遊んでいるようではないか。一九九五年冬、はじめてこの句を目にしたときの感動は今も新しい。『古志』

ページ移動