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Last Update : 2007/11/12 
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「政軍財」の癒着・利権構造にメスと、
シビリアンコントロールを!

  国会で「政軍財」の癒着・利権構造にメスが入れられようとした矢先に、自民党と民主党の「大連立」の動きと失敗、民主党・小沢一郎代表の辞任劇が起き、その矛先が宙に舞いました。さらに8日(木)、東京地検特捜部は、守屋武昌前防衛省事務次官への接待を繰り返していた防衛専門商社「山田洋行」の元専務・宮崎元伸容疑者ら2人を業務上横領などの疑いで逮捕するなど事態が急転換しています。

見返りの便宜供与は?

  容疑は、宮崎元専務が新しく設立した商社「日本ミライズ」の資金に流用するために、山田洋行から1億円余りの着服等です。特捜部の狙いが、元専務ばかりか、守屋前次官ら防衛官僚、さらに防衛族と呼ばれる政治家との癒着の実態を解明する突破口にするのかどうか、疑問が残ります。

  15日の参院外交防衛委員会で守屋前次官と共に、宮崎元専務も証人喚問することを自民、民主両党が合意したばかりでした。証人喚問は国会が、国政調査権に基づき、問題の真相を明らかにする場です。前次官への異常なまでの接待(200回を越えるゴルフ接待、飲食接待等々)や政治家とのつながりについて、宮崎元専務が何を語るのか、国民は注視していました。

  守屋前次官は、見返りの便宜供与を否定していますが、新たな事実が明らかになりだしています。
  • 航空自衛隊の次期輸送機(CX)エンジンを、山田洋行が代理店だった米ゼネラル・エレクトリック(GE)製に決定した装備審査会議長だったこと。

  • 山田洋行による装備品の過大請求が発覚した際に、山田洋行側から相談を受けていたこと。

  • GEの代理店が日本ミライズに変わった際に、省の担当者に日本ミライズとの随意契約でなぜいけないのかと発言をしていること。

  • 元専務との宴席には防衛庁長官経験者ら複数の政治家が同席していた
等々です。

「政軍財」利権構造の解明を!

  年間5兆円もの巨額な軍事予算、中でも防衛装備品の調達総額は年間2兆円にも達しています。徹底して食い込んだ癒着関係が軍需商戦の利益とどう結びついていったのか。便宜供与の有無などの解明が焦点になります。

  さらに、巨額な軍需予算をめぐる「政軍財」の利権構造、問題が表面化するたびに政治家の名前が浮かびます。防衛族議員を中心とした癒着構造で税金がどのように食い物にされているのか、「軍事機密」に守られた深い闇に光をあてる絶好な機会です。捜査ばかりか、国会の場で明らかにすることが求められています。

  こうした「政軍財」の利権構造を解明すると同時に、一方で大きな問題となっているシビリアンコントロール問題も明らかにしていくことです。日本の平和問題を考えるとき、政治と軍の関係をもっと真剣に考えていきたいものです。肥大化する自衛隊をしっかりと監視しましょう。


2007.11.12 - 吉野 信次 -    
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