松戸の市長選が終わってから4日がたちました。明日からは松戸市議会6月定例会が始まります。市長選にあたって、多くの市民、友人・知人から絶大なご支援をいただいたことに感謝いたします。こんなに勇気と感動をいただいた選挙は経験したことがありません。
▼ 有権者の「3分の1」の投票、この現実をどう見るか?
6月18日投票の松戸市長選は、現職市長の勝利で幕を下ろしました。投票率は34.44%でした。得票は、川井敏久氏(無所属現、自民党、公明党、連合千葉推薦)当選 59,734票(得票率46.6%)、私たちが応援した本郷谷けんじ氏(無所属新、多くの市民団体、民主党、日本共産党、新社会党推薦)2位 45,333票(得票率35.4%)、中田 京氏(無所属新)3位 15,483票(得票率12%)、林 千勝氏(無所属新)4位 7612票(6%)でした。
川井市長が戦った4回の市長選の投票率は、いずれも30%台で終わりました。
・1994年: 35.42 %
・1998年: 32.00 %
・2002年: 35.65 %
・2006年: 34.44 %
と有権者の3分の1しか投票しない中での市長誕生でした。この現実をあらためて正面から問いかける時だと思います。地方分権の時代に、市民が多様な市民活動に参加し、「生活が政治」という当たり前な政治感覚を取り戻すことが求められています。
▼ 市政を変える大きな第一歩に!
今回の市長選は、これまでの市長選とは大きな違い、新たな構造の中で戦われました。特に、市民団体が架け橋となって、民主党、日本共産党、新社会党の連携を実現させ、「みんなが市長の会」として、これまでに経験したことがない多様な取り組みがおこなわれました。
それだけに、川井陣営は、過去にない危機感を持って組織のたがを引き締め、「絶対に許せません! 水と油の市政はごめん 共産党 民主党の市政はNO!」(法定ビラ)との反共攻撃を煽り立てました。
このような中で、「川井市長 4期16年はゴメン!」「東葛一番低い市民サービス こんな市長はゴメンだ!」と市民の連携は日に日に拡大し、市政を変えられる所まで川井市長を追いつめることができました。
戦後初めて市民団体と政党が連携し戦った市長選は、千葉県でも初めての取り組みでした。本郷谷けんじの政策マニフェストの作成も、大変好評な内容が提案できました。各地で市民の「勝手連」もできて、地域の宣伝を受け持ちました。
市民不在の市政から、市民が主役の市政に転換できる希望が生まれ出したところです。今一歩の力負けに、後4年間を見据えた市民の取り組みが求められています。
▼ 敗北の要因は?
戦後60年間続いてきた保守・自民党市政のあらゆる組織力を総動員した厚い壁をうち崩せなかったことが敗北の大きな要因だと思います。市長派の反共攻撃の中で、投票率を高める諸行動が提起できず、国政の50〜60%と市長選の30%台のギャップを埋めるカギを見つけることができませんでした。
市長を変えたいと考えた多くの市民から、反川井派の一本化が強く求められました。しかし、予備選挙で敗北した中田 京氏が、予備選を無視して立候補したことが反市長派の乱立となりました。得票率を見れば、反川井派の得票率が上まっていただけに、この一本化の失敗が大きな痛手となりました。
▼ 今後の課題は
この4年間、市民不在の川井市政の中で、問題ごとの批判と対案を出しながら、いつでも市民に問いかける運動の継続が求められます。「みんなが市長の会」の継続も大きな課題だと思います。
さらに、市議選(今年11月)、県議選(来年4月)、参院選(来年7月)等の選挙で連携した選挙戦をつくりだし、反川井派の陣営を拡大していくことです。
最後に、次期市長選では「1対1の勝負」に持ち込むことの努力を市民の力でつくりだすことだと思います。
2006.06.22 - 吉野 信次 -
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