ごみの有料化では、ごみゼロ社会は目指せない!
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今、全国各地で「ごみ問題」が緊急で重大な問題となっています。日本のごみ排出量は、家庭・事業系ごみ(一般廃棄物・一廃)で5210万トン、産業ごみ(産業廃棄物・産廃)で約4億トン(01年度)にも達しています。
排出されたごみは、再利用や資源化もされていますが、8割ほどが焼却されています。残さや直接の埋め立てで、5995万トンものごみが、全国各地で埋め立てられています。最終処分場の残余年数は、一廃で12.5年(02年3月末)、産廃で4.3年(02年4月)と「ごみ非常事態」が生まれています。
こうした中でも日本のごみ行政は、発生源で減らしたり、なくしたりする制度が弱く、「出たごみをいかに処理するか」「燃やしていかに減らすか」という焼却中心の制度となっています。ごみを生産の段階で減らさない限り、ごみ問題の根本的な解決はできません。拡大生産者責任が求められています。
廃棄物に関する法体系は、「循環型社会形成基本法」で廃棄物の適正処理、リサイクルの推進を決めています。ごみ問題の解決の前提として、第1にごみを発生段階で出さないようにする(リデュース)。第2に繰り返し使用するようにし、ごみの発生を抑える(リユース)。第3に再生して資源を循環させる(リサイクル)。第4に燃料として利用する(サーマルリサイクル)としています。
昨年10月、環境省の中央環境審議会「廃棄物・リサイクル部会」は、「意見具申」を行い、一廃の有料化について、「一定の減量効果」「負担の公平化」「住民の意識改革につながる」との提案をしています。ここ数年で、有料化する自治体も拡大しています。有料化によって本当にごみは減るのか、実際は有料化後の数年を見ますと、ごみは増えだしていきます。ごみの有料化だけでは、ごみ減量は実現しないことが明らかになっています。
この松戸市でも、昨年6月から「資源循環型社会構築検討委員会」で、ごみの減量化や家庭ごみの有料化が検討され、3月には『最終報告』が出されようとしています。最終処分を他県・他市に頼る状況で、ごみの減量は緊急の課題です。生産の段階で減らす法制度の改正を求めると同時に、生ごみの堆肥化やバイオマスなど生ごみの資源化を検討していく取り組みが求められています。市民・企業と行政が連携し、ごみ減量のために何ができるか、ごみゼロ社会に向けた真剣な論議と具体的な取り組みを開始するときです。
2005.03.01 - 吉野 信次 -
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