原発震災を発生させないために
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阪神・淡路大震災から10年、新潟中越地震、スマトラ島沖大地震・大津波と自然災害の脅威にさらされています。人間が造り上げた構造物がいとも簡単に破壊されています。政府は、首都直下の大地震や東海地震の発生確率について、30年以内に首都直下で70%、東海地震で84%と公表しています。
大地震国日本で、地震や津波の時に、原発は大丈夫か?大きな不安が拡大しています。しかし、この原発と地震に関する報道は極端に少なくなっています。中越地震の際も、近くにある柏崎市(東電の原発あり)の震度がすぐに発表されませんでした。スマトラ島沖大地震・大津波では、半月も経って、『毎日新聞』が「インド原発が津波の海水流入で停止」と報道されたにすぎません。報道統制が強化されているのではないかと思われます。
それだけに、地震・津波の時、原発は危ない!この心配・不安を多くの国民が抱くのは当然だと思います。東海地震の震源域が発表されましたが、そのほぼ中心に浜岡原発5機が稼働しています。巨大直下地震が確実視される場所で稼働している原発は、世界中でも浜岡原発だけです。浜岡原発の1、2号機は、東海地震が判る前に計画・設計・施工されています。1979年の米国・スリーマイル原発事故、1986年のチェルノブイリ原発事故が起こる前です。
地震災害の上に、放射能汚染が起きれば、救援医療活動も復旧活動も全く別物になります。基本的に人が近づけなくなります。地震災害でメチャメチャになっている街に放射能汚染が襲う様子を想像してみてください。日本上空は偏西風が多く、風下に当たる関東平野が放射能汚染にさらされることになります。人口密度が極端に高い首都圏での被害は、急性死する人も含めて176万人もが後にガンになるとの試算もあります。
中部電力では、原発が占める割合は12%にすぎず、地震は止められなくても、原発は止められます。原発震災だけはスットプさせようと、現在「原発震災を防ぐ全国署名」が取り組まれ、大きな広がりを見せています(3月1日の「3.1ビキニ・デー」を最終集約)。
こうした運動の広がりに危機感を持ちだした中部電力は、浜岡原発の耐震強化のために、これまでの600ガルから1000ガルまで引き上げる「指針の見直し」に着手することを明らかにしています。このごまかしを許してはならないと思います。
このような原発震災を発生させないために、この松戸市民の中から「原発震災をとめる松戸市民の会」の発足と「映画と講演会」の企画が始まり出しました。3月26日(土)に映画『東京原発』の上映と講演「原発震災を知っていますか」の企画です。この企画をスタートに、市内各所でのミニ集会・映画上映と原発震災についての論議を巻き起こしていきたいと思います。原発震災を発生させないために、浜岡原発をストップさせよう!の世論をさらに大きくしていきたいと思います。
2005.02.02 - 吉野 信次 -
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