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Last Update : 2004/04/22 
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日本政府は、イラク政策を抜本的に見直せ!
人質事件とイラク特措法から、今すぐ、自衛隊の即時撤退を!
ついに、イラクで日本人への人質事件が2件も発生しました。拘束された5人の若者たちは、日本含め世界のNGOの努力イラク・イスラム聖職者協会の尽力で、15日と17日に無事解放されました。この間の日本政府の対応は、今後に大きな問題を残したと思います。ブッシュ政権のいいなりになって、イラクへの侵略戦争をいち早く支持した小泉政権は、その後、5500億円の戦費拠出を約束し、さらに自衛隊の派兵を強行してきました。このような対応の中では、独自の救出作戦もとれずに、米英占領軍に救出を依頼する道しかなかったのでしょう。これでは、5人の人命は危険にさらされるだけです。ここに日本政府の大きな限界を見て取ることができます。

しかし、3人の人質が救出された以降、一部マスコミや政府、与党などによって、「自己責任」や「費用の一部負担論」などが一斉に宣伝されました。若者たちが、危険な戦場に赴き、イラクの人々への人道支援や真実の報道をしたいという行動や家族の救出活動に対して、なぜこのようなバッシングがおこなわれたのでしょうか。このようなバッシンブは、自衛隊派兵の問題点を覆い隠す役割を持っておこなわれたものと思われます。

一方、昨年4月9日、フセイン政権が崩壊した以降イラク情勢は最も混乱し、米英占領軍の統治政策が失敗し、6月末の主権委譲が難しいことを世界中に示しました。バクダッド西方・ファルージャでの戦闘では、米軍に包囲されて700人以上の市民が殺されています。自衛隊が派兵されているサマワでも、自衛隊の宿営地に迫撃砲が何発も打ち込まれ、自衛隊の活動が宿営地内に封じられる事態を生み出しています。さらに、ファルージャや南部のナジャフへの米軍の攻撃に対して、イラク人の「民間防衛隊」治安維持のために派兵されている「有志連合」の軍隊も戦闘への参加を拒否しだしています。さらに、スペイン政府の撤退開始が引き金で、「ドミノ現象」とも言われる「有志連合」内の撤退開始・決定・検討が相次いでいます。ブッシュ政権のイラク政策が根本から問われ出しています。もはや、米英両国が、大義名分のない戦いについて、謝罪することからしかイラクにおける秩序再建は進まないと思います。

このようなイラク情勢を見るとき、第3、第4の人質事件を発生させないため、さらに、イラク特措法第2条の「非戦闘地域」がなくなってしまった現実を見るとき、今すぐ自衛隊の撤退が求められています。今こそ、日本政府は、犯行グループの要求如何に関わらず、日本の主体的な判断で、即時自衛隊を撤退させ、イラクへの復興支援・人道支援政策を転換するときだと思います。イラク政策を転換させる中で、米国への全面依存の「日米同盟」を見直し、米国との関係を再設計し直すときだと思います。

2004.04.22 - 吉野 信次 -    
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