奪い合う世界から分かち合う世界へ 憲法第九条をアジアへ、世界へ! 非戦国家・ニッポンを! |
あけましておめでとうございます。今年の希望と抱負はつくられたでしょうか。
小泉政権は2003年12月 9日、イラクへの自衛隊派兵に関する『基本計画』を閣議決定し、18日には自衛隊の活動内容を定めた『実施要領』を承認しました。これを受け、19日には石破防衛庁長官が陸海空3自衛隊に対して「派遣準備命令」とC130輸送機の輸送本隊受け入れにあたる空自連絡調整要員の「派遣命令」を出しました。26日には、空自先遣隊を派遣しています。
米国・ブッシュ政権のイラク侵略・占領を支持してきた小泉政権は、今年初頭にも陸海空自衛隊の本隊をイラクに派兵することで、侵略・占領に直接的に加担しようとしています。12月 9日に小泉首相は「自衛隊は戦争しに行くのではない、戦場に行くのではない。人道復興支援に行くのだ」と繰り返して述べています。しかし、装甲車や重機関銃・対戦車砲を携えた自衛隊がイラクの地に入ることは、人道復興支援ではなく、侵略・占領に加担する占領軍の一部を構成するための派兵であることは明らかです。
2003年11月29日に起った日本人外交官射殺事件は、あらためてイラク全土が戦場であることを示しており、フセイン元大統領が拘束されても、激しい戦闘は繰り返されています。イラクで起っている武力攻撃事件は、決して「一部のテロリスト」によるものではなく、イラクの人々の多くが、米英軍の侵略戦争と占領支配に反対している結果ではないでしょうか。「反米意識」と抵抗の土壌が急速に拡大されています。米英軍の銃撃戦による市民の死者はすでに10,000人に達しており、占領軍による人権を無視した不当な暴力、拘束なども後を絶ちません。また米軍の使用した劣化ウラン弾はイラクの住民の生命と健康に深刻な影響をもたらしています。自衛隊の派兵予定地とされるサワマの周辺でも劣化ウラン弾が大量に使用されており、高度の放射能値が検出さています。
イラクの人々は、日本の復興支援を求めていますが、決して占領軍の一部を構成する自衛隊の派兵を求めていません。イラクに派兵される予定の自衛隊員や家族・友人・恋人の間にも不安や反対の声が渦巻いています。世論調査でも、8割ほどの人々が、自衛隊の派兵に反対・慎重な姿勢を求めています。自衛隊とイラクの人々が「殺し、殺される」関係に入ることがあってはならないと思います。今からでも遅くありません。自衛隊派兵の『基本計画』を直ちに撤回し、イラクに自衛隊を送らないことを小泉政権に強く求めていきましょう。
憲法前文と第九条の精神を踏みにじり、戦争ができる国家に突き進んでいく道を選択するのか。自衛隊をイラクには派兵しない道、憲法第九条の精神をアジアへ、世界に拡大し、奪い合う世界から分かち合う世界に作り変える道か、歴史的な大きな分かれ道にさしかかっています。私たちは、自衛隊のイラク派兵NO!、憲法前文と第九条を世界に広め、奪い合う世界から分かち合う世界に作り変える道を選択したいと思います。
2004.01.02 - 吉野 信次 -
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