郵便物を集めて届ける郵便のシステムは時と共に変化しているようです。
そのような流れの中で、丸ポストにもちょっとした変化があるみたいです。
今回は、そんな丸ポストでの変化について。
丸ポストを撮影している際、まれに取集めの場面に出会うことがあります。
取集にやってきた局の車
丸ポストの撮影を始めた当時、ポストに投函された郵便物の取集手順は以下のような感じだったと記憶しています。
- ポストの取集口を解錠して、開ける。
- ポストの中の郵便物を郵袋(ゆうたい、郵便物を入れる袋)に入れる。
- 取集口の扉に差し込まれた便札(びんさつ、下の写真参照)を差し替える。
- ポストの取集口を閉じて、施錠。
長方形の窓の中に見えるのが便札
(見にくいですが「次の取集は1号便」と書かれています)
脱線して便札について少々。
便札の多くは金属製のプレートで、「次の取集は1号便」のように次の取集便が刻印されていたり、色が付けられていたりしました。取集の際には、取集口に差し込まれている「次の取集は1号便」の便札を「次の取集は2号便」の便札に差し替えたり、異なる色の便札に差し替えたりしていたようです。ポストを回って取集作業が終わったとき、取集対象のポストの数だけポストに差し込まれていた便札が回収できていたことで、取集忘れがないことを確認していたとのこと。
取集の様子で変化があったのは、取集の手順の「3.取集口の扉に差し込まれた便札を差し替える」の部分。(丸ポストだけではなく、他の型のポストでも同様のようです。)
正確な時期は記憶にないのですが(2010年以降?)便札の差し替えは行わず、携帯端末で取集口の扉の裏側を「ピッ」とやっている様子を見かけるようになりました。取集作業を近くで見ていると、取集口の扉の裏には下にある写真のようなラベルが張り付けてあるようでした。
取集口の裏側の様子(記憶をもとに作成した合成写真)
すべてのポストで同じ内容かどうかはわかりませんが、記憶を頼りにラベルを再現してみると上のような感じだったと思います。左側にQRコード(2次元バーコード)、その右側には上から数字列、設置場所の名称、住所が印刷されているようです。「ピッ」というのは携帯端末でQRコードを読み取っている音だったみたいです。
使われている携帯端末ですが、「郵便携帯端末機」というそうです。
日本郵政のサイトに郵便携帯端末機3型(Postal Handy Terminal 3)の調達/配備に関する
仕様書
がありました。この中に端末のイメージ図もあります。
この端末には、FOMA回線を利用した通話・通信機能、GPS、BlueTooth、WiFi、バーコードスキャナ等の機能が搭載されているようです。取集口の裏側のQRコードを読み取ることで、「ちゃんと開函して取集しましたよ」という記録が残せるという仕組みのようです。便札を交換するよりは効率が良さそうですね。バーコードデータと時刻データから、どのポストをいつ開函したのかもわかるので、効率の良い取集ルート作成等にも使えるのだと思います。
電子機器が搭載されたり、ネットワークにつながったりした訳ではないのですが、システムの変化に合わせて丸ポストにもちょっとした変化があったのですね。郵便に詳しい方には「今頃気づいたの?」と言われてしまいそうですが、そんな変化に気づいて時の流れを感じています。
(2018年6月)
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