『ボトムズ:サクラ大戦』ルール案

0.はじめに
 本ルールは、サクラ大戦を『装甲騎兵ボトムズTRPG』で遊んでしまおうというためのものである。
 なお、ボトムズとはスラングで、”最低野郎ども”という意味である。
 つまり、最低野郎どものサクラ大戦。
 あながちまちがっていないと思うが、どうだろう?

1.コンバットスタイル
 以下のコンバットスタイルからひとつを選ぶ。
 いわゆる、キャラクタークラスである。
 A:装甲騎兵
   格闘・回避・射撃とバランスに優れたスタイル。
   成長がはやい。
   例)該当なし
 B:バトリングパイロット
   格闘に秀でたスタイル。
   例)さくら、すみれ、カンナ、レニ
 C:ブルーパー
   射撃に秀でたスタイル。
   例)マリア、香蘭、アイリス、織姫
 D:コマンダー
   隊長のスタイル。
   格闘・回避・射撃と装甲騎兵よりいずれも劣る。
   また、例外的にレベル5からスタートする。
   例)大神さん
 E:クエント傭兵
   パイルバンカー使い。
   例)該当なし
 F:機甲猟兵
   霊子甲冑に搭乗しないで戦うスタイル。
   例)米田、藤枝、真宮寺、山崎
2.霊子甲冑
 光武とか、光武・改とか、神武とか、光武Fとか、アイゼンクライトとか、あれ。
 名前はどうでもいいけど、つまるところ、ATのこと。

3.武器
 とりあえず例を挙げる。
 さくら :  刀 →アームパイルバンカー
 すみれ : 薙刀 →バトリング用凶器(大)
 カンナ : 空手 →アームパンチ
 香蘭  :ミサイル→ショルダーミサイルポッド
 アイリス: 魔法 →へビィマシンガン
 大神さん: 二刀流 →アームパンチ(左右)
 大事なのは演出である。
 データはへビィマシンガンでもそれを魔法のように演出すれば、それは魔法である。
 想像力と妄想力をフルに使おう!

4.異能
 いわゆる特殊能力。
 こちらも例を挙げる。
 カンナ :《ウェポン習熟》《パワーアタック》
 マリア :《ウェポン習熟》《狙撃》
 香蘭  :《間接射撃》《複数目標攻撃》
 アイリス:《ウェポン習熟》《全方位攻撃》
 こちらも大事なのは演出である。例えば、《シールド防御》という異能があるが、ルール的にはシールドを所持する必要があるが、演出上はシールドなしでシールド相当の装甲を持っている、として《シールド防御》の異能を使用しても構わないのである。

5.感情ポイント
 女キャラは隊長に対する感情を示すパラメータとして、4枚までトランプを手札に所持できる。
 隊長が何らかの行動を行ったときに、「ときめき!」でも「切なさ炸裂!」でもいいが、何らかの宣言を行って山札からカードを1枚引く。以下、便宜上この行為を「感情判定」と呼称する。
 手札が5枚になったら、既に手札にある4枚から1枚選んでそれを捨てる。引いたカードを直後に捨てることはできない。
 とりあえず、初対面時に山札から1枚引く。
 そのときの感情が隊長に対する第一印象。
 スートはそれぞれ以下の感情を示す。
 
 スペード:尊敬やあこがれ
 ダイヤ :友情、あるいは、肉親の情
 ハート :恋愛
 クラブ :興味、気になる

 数札:感情ポイント1
 絵札:感情ポイント2
 A :感情ポイント3

 例1)さくらの手札は、ハートA、ハートK、ハートQ、ハートJである。
   さくら「大神さん、ラブです!」
 例2)アイリスの手札は、ダイヤ9、ダイヤ2、ハート4、クラブ8
   アイリス「お兄ちゃん、だいすき!」
 例3)マリアの手札は、スペードK、スペード4、ダイヤ4、ハート10
   マリア「隊長、信頼しています」
 とまぁ、こんな感じ。

 他の女キャラが「感情判定」を行った際に、自分の手札をその女キャラに押し付ける事も可能。その女キャラの引いたカードは場に捨てる。
 この行為を便宜上、「感情のおしつけ」と呼称する。
さくら「大神さん、今日の舞台はどうでしたか?」
大神「今日のさくらくんは一段ときれいだったよ」
さくら「『ときめき!』ということで、感情判定。カードを引きます」
マリア「ちょっと待った! そのカードをわたしの手札のハートのAに交換する」
さくら「あら、じゃあこのダイヤの3は捨て札になるのね」
 好感度が下がったとして、隊長の行動に対してカードを捨てる事も可能。
 それらしい感情のカードを任意に選んでよい。

 隊長は女キャラに対する感情を示すパラメータとして、各キャラに1枚づつのカードを手札に所持できる。
 隊長は女キャラと異なり、引いたカードをすぐに捨てることが可能。
 スートの意味は同じ。
 「感情のおしつけ」も普通にできる。

6.累積感情ポイント
 手札にあるカードを使用することによって、その感情ポイントは累積感情ポイントに蓄積される。
 感情ポイントが現在の(うつろいやすい)感情であるのに対して、累積感情ポイントとは、それまでの関係の中で培ってきた(不変の)感情であると考えればいいだろう。
 カードを使用する、とは以下のような場合である。
い)合体攻撃(後述)を行う
ろ)協力攻撃(後述)を行う
は)必殺攻撃(後述)を行う
に)感情のおしつけを行う。
 キャンペーン終了時に、累積感情ポイントのハートの値の一番高い女キャラのエンディングを迎える(エンディングってなんだ?)。

 隊長には累積感情ポイントは存在しない。
 隊長がい〜にの行動を行うと、その対象となった女キャラに感情ポイントが加算される。
 ただし、は)必殺攻撃に限り、誰の累積感情ポイントにも追加されない。

7.かばう
 隊長は、SPを女キャラが敵から攻撃を受けたときに好きに使用することができる。
 このとき、SP1ポイントにつき「感情判定」が発生する。

8.合体攻撃
 戦闘中、女キャラと隊長が隣接ヘックスにいるときに限り、自分の手番で手札のハートのカードを使用することにより、合体攻撃を宣言できる。
 合体攻撃とは、隊長と女キャラがこっぱずかしい台詞を言ってから攻撃する、必殺技みたいなもの。非常に強力である。
 女キャラの命中値を基本とし、それに隊長の命中値をボーナスとして加える。なお、隊長の命中値は、女キャラの攻撃が射撃ならば射撃基本値を、格闘ならば格闘基本値をプラスする。
 女キャラプレイヤーと隊長プレイヤーの2人で1D20を振り、高いほうの目をを採用する。
 ハート以外のカードも使用可能。
 その際の効果は後述の必殺技に準じる。
 なお、ハートを使用したからといってHPは回復しない、念のため。
 カードは4枚までならば何枚使用してもよい。
 使用したカードは場に捨てる。
 使用したすべてのカードの感情ポイントはハートの累積感情ポイントに蓄積される。
 合体攻撃と協力攻撃(後述)と必殺攻撃(後述)は同時に成立はしない。

9.協力攻撃
 攻撃をする際に、「協力攻撃!」と宣言し、手札から1枚カードを伏せて場に出す。それを受けて、協力攻撃に参加したいキャラは同様に手札からカードを伏せて1枚場に出す。もし、カードのスートがあっていれば協力攻撃は成立する。協力攻撃に参加したキャラは普通に攻撃判定を行い、防御側も普通に防御判定を行う。
 なお、協力攻撃を行うキャラはもちろん、敵を攻撃可能範囲に捕らえていなければならない。
 カードは1枚しか使用できないが、協力攻撃は何人でも行える。
 協力攻撃が成立しなかった場合、使用したカードは手札に戻す(累積感情ポイントには加算されない)。
 攻撃命中のの成否に関わらず、協力攻撃が成立すれば使用したカードは場に捨てる。
 合体攻撃と協力攻撃と必殺攻撃(後述)は同時に成立はしない。

10.必殺攻撃
 手札を使用することによって行うことができる。
 使用するカードのスートによって効果が異なる。
スペード 命中値を+10する。
ダイヤ ダメージを+2D6する。
ハート HPを1D6回復する。
クラブ 目標のいるヘックスを中心に(クラブカードの枚数*2+1)を
直径とする範囲に存在するすべての敵ユニットが攻撃対象となる。

 カードは4枚までならば何枚でも組み合わせてよい。
 使用したカードは場に捨てる。
 合体攻撃と協力攻撃と必殺攻撃は同時に成立はしない。

11.ため
 1回の行動を費やすことによって、山札からカードを一枚ドローする。
 ただし、このドローに対して、感情のおしつけはできない。

12.戦闘開始直前
 戦闘開始直前のハートの感情ポイント分を任意に戦闘能力値(射撃、格闘、反応)に割り振る。
 戦闘中にこれらの値を再配分することはできない。
 また、いったん戦闘が開始されればハートの感情ポイントがどのように変動しようともこれらの値は変わらない。

13.追加TP
 通常のTPとは別に1ターンにつき、4点のTPを使用できるものとする。
 ただし、このTPを使用しなかったからといって、次のターンに持ち越されるということはない。

14.経験ポイント
 ハートの累積感情ポイントがそのキャラクターの経験ポイントとなる。
 それ以外の成長ルールは『装甲騎兵ボトムズTRPG』に準じる。
 ただし、隊長の経験ポイントは女キャラのなかで一番低い値+40点とする。
 なお、レベルアップ作業はシナリヲ中には行わないこと。

15.追加異能

名称
取得可能コンバットスタイル消費TP 効果 
《乱舞》
全スタイル
 同一の攻撃目標に対して、複数の格闘武器を用いて攻撃
する異能。
 《乱舞》使用時の修正は、《一斉発射》に準じる。
《二刀流》
バトリングパイロット
 複数の攻撃目標に対して、同数の格闘武器を用いて攻撃
する異能。
 《二刀流》使用時の修正は、《複数目標攻撃》に準じる。
《突き》
バトリングパイロット
 前方2ヘックスまで格闘攻撃が届く。
 前方1ヘックスと2ヘックスにユニットがいる場合、両方が
攻撃対象となる。
 この異能はバトリング用凶器(大/特大)を使用
時のみ使用可能。
《薙ぎ払い》
バトリングパイロット
 正面の周囲3ヘックスのうち、隣合う2ヘックスにいるユニ
ットを攻撃する異能。