銭 湯 解 析

双葉温泉(調査:H15.04.04)







足:阪急宝塚線『三国』駅下車、北東へ徒歩約6分、旧三国橋北詰の先。
<平成18年1月、廃業確認>
とても残念である。

営業時間:15時30〜24時、土曜休
入場料:360円
住所:大阪市淀川区西三国4−11−5
電話:06−6332−6888

旧き良き銭湯として雑誌にも取り上げられているほど全国に名を馳せている有名な銭湯。
私は最初そんなに有名な銭湯だとは知らず、単に地図に神崎川を越えた大阪市の飛び地に銭湯のマークがあったので興味がてら行ってみれば、この圧倒的な外観にたまげてしまったのだ。

もう市内にも少ないであろう農村集落的な風情の中に、長い年月と共に重厚さの中に繊細さが混じり調和のとれた建物は賞賛に値する。また破風の上の鬼瓦がなんとあの大横綱・双葉山なのも主人に教えられて驚いた。建物は昭和11年に建てられたそうで、当時のヒーローにあやかって屋号も双葉を取り入れたという。阪神淡路大震災にも耐えたこの建物はきっと双葉山が守ってくれたのだろう。
中にはいると、脱衣場の風情にもほんのりのどかさを感じる。また女湯との仕切上部のステンドグラスの立派さにも驚かされる。ロッカーはチェス盤のように洒落たタイル風なつくり。浴室とは別棟となっており、その間には湯気抜きも兼ねた渡り廊下が設けられている。この渡り廊下が年月と共に少々傾き歪んでいるのが個人的には好きだ。ここから女湯方向を中庭越しに見ることが出来るが女湯自体は覗くことは出来ない。ちと残念だ。(冗)
浴室は真ん中にメイン(深・浅)浴槽があるのみで、奥の浅い浴槽にはジェット(けっこう強力)付。浴槽自体は御影石造りでかなりの年季を感じる。手前入口側には水はちあり。カランは一部固定式シャワー付、というシンプルさ。浴室入口には日の丸を型どったステンドグラスがはめ込まれ、床は石畳で目地にタイルを貼っている。
今のスーパー銭湯などに慣れた人にはちょっと物足りないかも知れないが、このシンプルながらも歴史の風情を感じさせてくれるのを是非味わって欲しい。
また風呂上がりにのんびりと脱衣場で湯の余韻も楽しんで欲しい。初めて訪れたときは夜だったので、本当のここの良さを知りたくて、数日後の夕方に再訪して存分に堪能したほどだ。是非、ここは夕方に訪れて愉しんで欲しい。

風呂上がりにはシーホープ・みかん水・コカコーラ・ファンタ(オレンジ・グレープ)の瓶(各80円)の他、メグミルクの牛乳もあり。
評価:★★★★★
コメント:大阪市内にも数少ない名建築な銭湯。
     是非、時間を忘れてここの湯を愉しんで欲しい。


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