銭 湯 解 析

若狭湯 (調査:H17.02.17)







足:近鉄・JR「奈良」駅下車、柳生・青山団地方面行き奈良交通バスに乗り「今小路」バス停下車すぐ。奈良公園中央病院斜め向かい。
もしくは近鉄奈良駅より東北へ徒歩約20分。東大寺西側。
<平成19年春、廃業確認>

営業時間:15時30〜22時30、日曜休
入場料:大人350円
住所:奈良市押上町30
電話:0742−26−2054

東大寺の傍らに佇む名銭湯。
外観を見たときに、なにやらピントくるモノがあったが、暖簾をくぐってみると、思っていたとおり、

 

とまぁ、銭湯というよりも旧い民家に来たような錯覚にとらわれるほどに木のぬくもりが出迎えてくれた。入口横には
「つえの先をふいて下さい」との張り紙が、了解しました。
硝子障子を開けて中れば、いきなりのお客さん達の談笑が耳に入ってきた。みんなの笑顔を見ていると寒い中歩いてきて少々不機嫌気味だった私も思わずニッコリ。
番台で入浴料を支払い、奥へ。ロッカーは木製でアラビア数字で描かれ、また脱衣場室内は旧き木造のやわらかい感じがたまらない、天井は低いが立派な格天井であるし、仕切壁もなかなかに年季が入っている、そしてなによりも「ならシルクロード博覧会」のポスターが貼ってある壁と同化して馴染んでるのはなかなかである。
そして浴室内へと足を運ぶと、石畳の床に二段構えの天井、この天井の構造は旧い木造建築の浴室によく見られる(桜井市の「力湯」もそうであった)。浴槽は
仕切壁に沿ってメイン(深・浅)浴槽に奥にぬるい目の湯が張られた浴槽が、対面奥角には薬湯(宝寿湯)風呂がある。メイン浴槽の縁石は永き年月と共に少々傾いているところは旧い銭湯ファンには堪らないであろう。また薬湯側の壁には小さな白糸の滝のタイル画が描かれていた。
洗い場のカランには固定式シャワーが付いていた。けど浴室内の流しになぜかホースシャワーがあったのは妙であったが。
後で主に尋ねたら、どうもこの建物は大正年間に建てられたそうである。これは驚いた、大正年間の銭湯建築って今ではほとんど現存して織らず、とても貴重な存在である。これからも末永く頑張ってほしいと強く願うばかりである。

風呂上がりには明治の牛乳&コーヒー(各120円)と各種缶があり、ただ冷蔵庫が家庭用のそれなので、その存在に気づかないかも。
評価:★★★★★
コメント:東大寺と並ぶ奈良最古の木造銭湯かも。
     銭湯遺産として末永く頑張って欲しい。


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