「天文教育普及研究会・九州地区集会(第7回)」の報告
さる1998年12月12日(土)に福岡教育大学にて行われた天文教育普及研究会の九州地区集会に参加して来ましたので報告します。この研究会は天文教育の振興及び天文普及活動の推進を目的とする全国規模の研究会で会員数587名ですが、九州支部は現在約30名からなっています。毎年11月頃に支部集会を行っておりますが、今まで参加が少なく非会員を含むより多くの方に参加してもらおうと、一昨年から会の運営を工夫されておりよりフランクな会となっているようです。
宮崎を朝7時の「にちりん」で出発。折尾で乗り換え福岡教育大学には13時過ぎにつきました。初めて参加したので、顔見知りはおそらく渡部先生と松本直弥氏(長崎県天文協会)だけかとおもいきや、いきなり白石茂孝氏、大石千津留氏、前田利久氏(鹿児島県天文協会)にあってびっくり。会場(理科教育第2実験室)をのぞくとすでに十数名が集まっていました。今回は、最初に渡部潤一氏(国立天文台広報普及室長)の特別講演がありました。これは福教大のフレンドシップ事業(大学外の人との交流を深めていこうといった趣旨らしい)によるもので、地区集会はこれに便乗して行われたというのが妥当なところでしょう。渡部先生の講演時には約50名近く集まり会場はいっぱいになりました。講演のタイトルは「野外授業と天文教育ー話題となる天文諸現象と天文普及」でした。といっても話はいきなり「だいたい天文現象の予想というのは当たらない…」ということに始まり、オースチン彗星、SL9彗星木星衝突、百武彗星、HB彗星、しし群について、その出来事、当たらなかった理由などおなじみのユーモアたっぷりの話しぶりでとても面白く聞くことが出来ました。直前になると出版される渡部本についてのエピソードも紹介され会場は大爆笑の連続でした。最後に来年のしし群についての話があり、今年の突発極大は来年はハワイ・太平洋地域、いつもの極大はヨーロッパにあたるがいつでるかはわからない、ということでした。そしてしし群でよかったのは多くの人が星空を見上げたことであって、今後も野外で星を見ていくチャンスをつくっていかねばならないでしょう、と述べられました。 渡部氏の講演後の30分の休憩時に屋上にある40cmカセグレン望遠鏡が公開されました。この望遠鏡は実は白石氏がよく使用されているとか。福岡教育大はまわりは雑木林などに囲まれてわりに静かなところですが、西に福岡、東に北九州(折尾)、すぐとなりに赤間市ということで街が明るくあまり星は見えないそうです。
そして3時30分から地区集会がありました(出席者は少し減って約30名ほど)。発表演題は次の通りです。
「1998年しし座流星雨の普及活動」 松本 直弥(長崎県天文協会)
「天体望遠鏡取扱講座を実施して」 木佐貫 篤(宮崎県天文協会)
「天文解説に役立つ『電子紙芝居』」 艶島 敬昭(熊本県民天文台)
「WWWを使った太陽系の公開講座の試み」 浅田 正(九州国際大)
「1998年2月ベネズエラ皆既日食の観測」 松本 直弥(長崎県天文協会)
「ドイツ・ルーマニアの皆既日食現地情報」 高城 敏郎(アイ・ポイント)
最初の松本氏は、しし群にあわせ観測ガイドを郵送で配布するサービスをしたが400部以上の申し込みがあって返送作業が大変であったこと、3ヵ所で観察会を行ったがそのために自分たちの観測に影響があったこと(移動が遅れた)などを発表されました。この日初めて知ったのですが、松本氏は綾町へ、川野氏(長崎県天文協会)らのグループは須木村へ来たそうです。ただ松本氏は観望会の後で移動して来たので3時前になり雲のため結局ほとんどみえなかったそうです。
木佐貫の発表では、8月1日に行った望遠鏡取扱講座の紹介をアンケートも交えておこなったのですが、たくさんの質問意見があり予定の10分を大幅に越えてしまいました。内容は「今回の参加者への来年以降の働きかけはどのようにするか?」「花火大会があったのなら望遠鏡で花火を見てもよかったのでは」「このようなイベントは学校教員向けに行って、教員がもっと望遠鏡を使えるようにするべきだ(熊本県民天文台ではやっているらしい)」「壊れた望遠鏡が来た時のために工具一式等の準備が必要ではないか」「欠陥望遠鏡の対策として、悪い三脚の場合は砂袋をつるすとかアンカーボルトを使って固定するなどのアイデアを指導するとよい」などなど。渡部先生からは「企画の着眼点がとてもユニークですばらしいのでぜひとも何らかの形で広く公表して欲しい、欠陥望遠鏡を作ったメーカーに対してスタッフ側から改善点を提案していくことでよりよい望遠鏡作りへの助言を、宮崎科学技術館との連携がとてもうまくいっているのがよい」との意見を頂きました。皆さんおおむねこの企画について好評であったようなので自信がもてました。 次の艶島氏の発表がとてもおもしろかったです。これはMicrosoft PowerPoint のアニメーション機能をフルに発揮して天文解説ソフトをつくってしまおう、という企画の紹介です。実際に画面を提示しながら解説されたのですが絵が動いてとても面白く合間には天体写真や流星ビデオの張り込みもあってこれは子供たちにとてもおおウケというのも納得でした。艶島氏はお金もかからないし訂正更新も容易、と強調されていましたが、ただここまで作るにはものすごく時間がかるだろうな、と思われました。 浅田氏の発表は大学のWWWを通して小学生高学年にnine planetsを通じ太陽系について学んでもらおうということでしたが、参加者が少ない、パソコン操作などの違いによって満足度が違うなど、工夫次第ではもっと効果があがるものと思われました。 最後の2演題は、日食の報告及び来年の日食ツアーの案内でした。松本氏によると長崎佐賀のツアーは定員50名に対してすでにキャンセルまちの状態だそうです。 発表後今後の支部集会の在り方の話しがありましたが、このような会であればお互いの交流といった面でも大いに有意義であるのでぜひ継続していきたい、より多くの会員・非会員へ参加を呼びかけていく、E-mailをつかった連絡を緊密にしていく、などが提案されました。引き続き平井教授(福教大)の司会で、坂上務氏の小惑星命名披露(5862 Sakanoue =1983 AB)があり花束贈呈、あいさつなどが行われ記念写真を撮影して支部会は無事に終了しました。
終了後、渡部氏を中心に、平井、宮脇、仲野、松本、前田、高城、高田(熊本県民天文台)、学生さん数名、木佐貫で駅前へ移動して懇親会が行われ、さらに中洲へJRで移動し懇親2次会が行われ夜遅くまで盛り上がった(?)ことでしょう。
今回の集会に参加して、九州各地で活動している天文関係者と広く交流することが出来とても有意義だったと思います。以前宮崎で行われた時に出席してくれたみんなにいい印象を残さなかった会ですが、以前と違って一般の会員(実際に活動している天文アマチュア)の発表が多く質疑応答も盛り上がり、いろんなアイデアや活動状況なども提案されるなど今後の我々の活動にも参考になることもありました。ぜひ来年も参加したいと思います。ちなみに来年は11月頃に佐賀で支部集会を、そして武雄温泉で1泊して温泉懇親会を開こうということで話がまとまりました。来年もぜひ参加したいと思いますので、会員で興味のある人もいっしょにいきましょう。
最後に、渡部先生が来年6月17日頃に宮崎へ来られるかもしれないとのことです。そのときには宮崎でわれわれの会員といっしょに宴会しましょう、と話しました。 天文普及教育研究会のHPが下記にありますので、もし興味のある方はどうぞ。http://www.obs.misato.wakayama.jp/tenkyo/index-j.html
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