蛾のからだ


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 蝶類や甲虫類などに比べて、あまり写真などを見かけない蛾類のからだや、形態の特徴を写真を中心に紹介します。

 触角(7)

ハネナガブドウスズメ
スゲオオドクガ
アミメツマキリヨトウ

 大型のスズメガの仲間の触角です。この仲間は、飛翔力が強いせいが,オスもメスも櫛状の触角は持っておらず、一見すると線状でよく見ると、非常に短い櫛状をしています。

次のドクガは、触角が見にくかったので明るく画像処理してあります。そのため羽の色が飛びかけています。コウモリの耳のような大きな櫛状の触角が分かるでしょうか。

次のヨトウガは、触角の一部が折れ曲がったようになっています。これは、触角を体に 沿ってたたんだ時に体の凸凹に合うようになっているようです。ちょうと、スキーの滑降などの選手のもつストックが、曲がっているのと同じ感じです。多分飛行に抵抗が 少なくなる効果があると思われます。

 脚(2) 

オオキノメイガ
ハネナガブドウスズメ
チャドクガ

 まったく異なる3種の前足を並べてみました。メイガは細く,スズメガは少し太く、ドクガは毛むくじゃらな足ですが,基本的に同じ構造をしていることが分かります。ドクガの写真は強拡大したので、少し荒れています。

キバガ科1 キバガ科2  下唇鬚(4) 

ギバガ科(多分)の2種

 下唇鬚といえば、有名な蛾にキバガ科があります。1cm以下の小さな蛾ですが、下唇鬚が大きく、牙のように見えることから名前がついています。強拡大をしているので、画質がよくありませんが、りっぱな牙が分かると思います。しかし、小さなホソガ科などの蛾も立派な下唇鬚を持っているものも多く、下唇鬚だけでは科を判断できません。

 

オオトモエ ニカメイガ ? モンチビツトガ  下唇鬚(3) 

上から オオトモエ
ニカメイガ
ノメイガの一種か?
モンチビツトガ

 いろいろな蛾の”かしんしゅ”を集めました。

オオトモエは、大型種で、頭から少し離れていて見やすくなっています。
ニカメイガは、前方に突き出ていて頭がとがった形に見えます。
3番目はノメイガの一種と思われます。 小さいですが、前方に突き出たタイプです。
4番目のツトガはノメイガの仲間なので、同じく前方に突き出た形をしています。

このような多様な下唇鬚ですが、その役割を少し調べましたが、よく分かりません。 どの下唇鬚も、多くの毛に覆われているので、臭覚に関する重要な器官の一つと思われます。

マエキトガリアツバ ムラサキツマキリアツバ カバフヒメクチバ ウスキミスジアツバ  下唇鬚(2) 

上から マエキトガリアツバ
ムラサキツマキリアツバ
カバフヒメクチバ

 いろいろな蛾の”かしんしゅ”を集めました。

 マエキトガリアツバは、直線状に前に出ており、角のように見えます。タテハチョウの 仲間に似たような形のものがあります。
 ムラサキツマキリアツバは、ハナオイアツバのメスと似た形をしていますが、この個体がオスかメスかはわかりません。
カバフヒメクチバは、ヤガ科ですが、見て分かるように同じヤガ科のアツバと非常に似た形態をしています。
一番下は多分ウスキミスジアツバです。立派な鬚ですが、各画像は拡大率が異なるので、実際の大きさはこちらの方が小さいです。

ハナオイアツバ(オス) ハナオイアツバ(メス)  下唇鬚(1) 

ハナオイアツバ(上:オス、下:メス)

 タイトルの漢字は”かしんしゅ”と呼びます。口の下のほうから延びているヒゲ状または、棒状のものです。
下唇鬚と言えば、蝶では、テンクチョウが有名ですが、蛾ではもっと大きなハナイアツバのものが有名です。オスの写真では、体の中心にある筋のように見えるものがそうで、胴の部分まで延びています。知らないと、単に模様の一部のようです。 メスでは、短めですが、それでも先端が2つに分かれて(もともと2本です)角のように見えます。

 脚(1) 

タッタカモクメシャチホコ

 蛾の脚もいろいろ特徴があります。このシャチホコは毛玉が発達していてどこまでが前脚かさえ、はっきりしません。上の写真は上から見たもの、下の写真は横から見たもので、中脚と後脚もちょっと写っています。シャチホコやドクガの仲間にはこの写真のように前脚をそろえて頭より前にそろえてとまる習性を持つものが多いように感じます。どのような意味があるかよくわかりません。木の葉になどへの擬態だとすると、葉の柄に見せようとしているのかもしれません。

触角(6)

上:クロズエダシャク
中:タッタカモクメシャチホコ
下:オオミズアオ

 クロズエダシャクの触角も両櫛状です。各櫛の歯についている微細な毛のようなものが原画では見えかけているのですが、upした画像からはよくわからないようです。このガは約5cmの中型のものですが,これ以上大きくないと触角の細かな構造を生きたまま野外で捉えるのは困難なようです。

 タッタカモクメシャチホコの触角も両櫛上ですが片側が長いので、片櫛上に写真では見えます。中央より先端は櫛の歯が短く、根元の部分は長くなっています。シャチホコ蛾は大きくて立派な触覚を持っているのですが、体に密着させていることが多い様に思います。

 オオミズアオはヤママユガの仲間の代表的な触角です。どの種も似たような立派な蛾眉をしています。橙色をしていてよく目立ちます。よく見ると2本の枝が1組になっているようです。写真にとって初めて気が付きました。

蛇紋斑(2)

上がヤママユガ前羽、中はヤママユガ後羽、下はクスサン後羽

ヤママユガの仲間ははっきりした蛇紋斑を持つ物が多く、見栄えがします。ヤママユガはそれぞれ1cmぐらい、クスサンは7mmぐらいの大きさです。ヤママユガの前羽は、鳥の目玉だけではなくそれに続く隈の部分までついています。目玉の中心は透明で透けていますが縦に瞳に似せた支脈が1本入った凝りようです。

 擬態(1)

 リュウキュウキノカワガの静止姿勢です。みごとに木の枝に擬態しています。キノカワガの仲間は名前の通り、どの種も樹木の表皮そっくりです。

 
撮影日:2000年12月10日
撮影場所:宮崎県宮崎市本郷北方
撮影者:小松孝寛

触角(5)

上がアツバの一種
下はヒトリガの一種

アツバの仲間や、ウワバの仲間の一部の雄の触角は、触角の途中にこぶ状の膨らみがあるものがあります。根本にあったり、中央付近にあったり種によって違います。この膨らみがどのような機能を持っているかは私はよく知りません。

ヒトリガの仲間のメスは一見すると単純な触角ですが、よく見ると短い櫛状の触角をしている種が多いようです。

触角(4)

上がリンゴドクガ
下はエダシャクの一種

ドクガの仲間も雄は立派な櫛状の触角を持っています。エダシャクと違い、櫛の柄の部分が太く、隣粉が覆っているのがよくわかります。

下のエダシャクは櫛が2重構造になっていて、櫛の歯一本一本がまた櫛状です。このような構造の触角は多いようですが、なかなか写真に撮れるほど長い種類は少ないです。囲み写真では先端だけが2重構造になっているように見えますが光の関係で、根本まで生えています。

触角(3)

上がウキミスジアツバ、
中がサンカククチバ、
下はナミシャクの一種

アツバ、クチバの仲間はすっとした単純な構造の触角が多いようです。ウキミスジアツバの触角はよく見ると微毛が生えているのがわかります。サンカククチバは、この倍率ではつるりとしています。

ナミシャクの仲間はエダシャクほど触角の櫛の歯が長くないようです。 このあたりは、蛾の飛翔力と関係があるような気もするのですが、どうなのでしょうか。

触角(2)

上がキイロエダシャク、
中上がトビモンオオエダシャク、
中下がウラベニエダシャク、
下がクロクモエダシャク

エダシャクの仲間の触角を集めてみました。どれも典型的な櫛形です。

蛇紋斑(1)

上がヤママユガの後ばね、
中がシロスジトモエの前ばね
下がイボタガの前ばね

驚かすとこの模様を急に誇示する種がいるので、動物の目に 擬態して身を守っているという説があります。

触角(1)

上がシロスジトモエ、
下がオキナワルリチラシ

蝶と蛾の違いの一つによく上げられますが、蛾の中でも千差万別です。 オキナワルリチラシの場合などは独特で、触角だけで種が特定されます。 暗い場所で活動するのでフェロモンなどを探知するために特に雄で発達している種が多いようです。

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