ZOMBIO/死霊のしたたり
RE-ANIMATOR
米 1985年 85分
製作 ブライアン・ユズナ
監督 スチュアート・ゴードン
原作 H・P・ラヴクラフト
脚本 スチュアート・ゴードン
デニス・パオリ
音楽 リチャード・バンド
出演 ジェフリー・コムズ
ブルース・アボット
バーバラ・クランプトン
デヴィット・ゲイル
これだけ遊ぶと最早ホラーだか何だか判らない。ユズナ&ゴードンのコンビが乗りに乗って作り上げた爆笑スプラッター快作である。
生意気な医学生ハーバート・ウエストは屍体を蘇生させる妙薬を発明した。これを盗もうとするヒル教授を殺害したウエストは、その首を切断し、早速実験に用いる。ところが、蘇生したヒル教授の生首はテレパシーで胴体を動かして逃走。モルグの屍体を蘇生させて、ウエストに報復するのであった。
と、あらすじだけだと凡庸だが、スチュアート・ゴードンの手堅くもテンポのいい演出と実力派俳優たちの見事な演技が奏功して、第1級のホラー作品に仕上がっている。
ただ、サービス精神溢れる人体破壊描写があまりにも過剰で、最早シュールの域にまで達しており、笑いなしには見ることができない。ゴードンもその線、つまりブラックユーモアを狙って演出しているのだと思われる。
とにかく圧倒されるのが、今やブロッケン伯爵と化したヒル教授が学長の娘を誘拐して、その裸身を舐め回るシーンだ。この上なくグロテスクであると同時に、この上なく滑稽でもある。よくもまあ、こんなバカなシーンを思いついたものだ。これが撮りたかったから作られた映画だと云っても過言ではない。
ラストでヒル教授の胴体が暴走して破裂するシーンも凄まじい。はらわたがヒュンヒュンヒュンと飛び出して、あたかも食指のようにハーバート・ウエストに絡みつくのだ。ここまで行くともう笑うほかない。
ホラー・マニアの間ではあまりにも有名な作品だが、マニアでない方でも十分に楽しめることをここにお約束する。
↑「こら〜、しんのすけ〜」。ぐりぐりぐりぐり。
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