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SFゾーン・トゥルーパーズ
ZONE TROOPERS

米 1984年 86分
製作総指揮 チャールズ・バンド
監督 ダニー・ビルソン
出演 ティム・トマソン
   ティモシー・ヴァン・パタン
   アート・ラフルー
   ビフ・メイナード


 チャールズ・バンド率いる天下のエンパイア・ピクチャーズ提供ってことで、レンタルビデオ・バブル期にはどの店にも常備されていた作品。しかし、私はパッケージのセコいエイリアン造型にパス。低予算SFに当たりがあった例しがない。
 ところが、後に「まずまずのお味」との評判を聞き、古本屋で見つけたのを機に観てみたら、なるほど、低予算にしては「なかなかのお味」。駄菓子屋で喰う麩菓子みたいなもんですな。スカスカだけど、結構美味しく頂きました。

 舞台は第二次大戦中のイタリア。連合軍のアメリカ兵士はナチスに囲まれ四面楚歌。マヌケな指揮官の失策のために、4人を除いて部隊が全滅してしまう。
 ここまではミリタリー・マニアの自主製作映画かと見紛うほどの安い戦争映画である。ところが、生き残った4人が宇宙船の残骸を見つけたあたりから、物語はドラスティックな展開をみせる。


 要するに「ロズウェル事件」のナチス版として物語が動き始めるのだ。宇宙人を捕獲するナチスと、これを奪って逃げようとするアメリカ兵士の攻防戦。
「う〜ん。そう来たかあ」。
 と思わず唸る展開だ。
 特に面白いのが、4人の一人、SFマニアのボンクラ兵士の変貌ぶりだ。それまでは何をやっても駄目な与太郎だったのだが、宇宙船を見つけてからは、
「ボクの空想は現実だったんだ」。
 と喜び勇んで、優秀な兵士へと様変わりする。上官をリードするほどの成長ぶりには顔が綻ぶ。
 脚本さえしっかりしていれば貧乏でもなんとかなることの見本のような作品であった。

 なお、パッケージのセコい造型のエイリアン、蠅男+ゴリラのような風貌だが、ラストで実はメスだということが判る。オスは「むじんくん」のCMに出てきた宇宙人とそっくりのヒューマノイド型で、異種配合=獣姦型のエイリアンであったのだ。


関連人物

チャールズ・バンド


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