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スピーシーズ・リターン/種の終焉
THE PROGENY

米 1998年 96分
監督 ブライアン・ユズナ
脚本 スチュアート・ゴードン
特撮 スクリーミング・マッド・ジョージ
出演 アーノルド・ヴォスルー
   ジリアン・マクホワーター
   ブラッド・ドゥーリフ


 お色気エイリアンが地球に子種をもらいにやってくる『スピーシーズ』の3作目かと思ったら、全然関係のないブライアン・ユズナの監督作品であった。しかも、脚本はスチュアート・ゴードンで、黄金の『死霊のしたたり』コンビ復活に喜ぶべきか悲しむべきか。昔、松本人志の『一人ごっつ』の1コーナー、「写真で一言」に「さあ、まずは正常位から.....あっ、ヨメおれへん!?」ってのがあったが(左写真上)、あれをマジでやったのが本作である(左写真下)。


 要するに、エイリアン・アブダクションもので、子作りに励んでいる最中に嫁を誘拐されて、エイリアンの子種を植えつけられましたってな「ヒル夫妻事件・子作り版」みたいな物語だ。
 子作りしている最中の空白の2時間を不審に思った主人公はカウンセラーに相談するも、
「2時間も勃起していたの!?」。
 と、違うことに驚かれる始末。やがて嫁が懐妊するが、ソナーで調べてみると胎児がおかしい。「宇宙人解剖フィルム」のあれみたいなのである。
 そこでその道の権威ブラッド・ドゥーリフ(『エイリアン4』のキチガイ博士)に相談すると、
「間違いなくエイリアンの子供!」
 との御墨付きを得る。ついでに「宇宙人出産フィルム」なる胡散臭いビデオを見せられて、すっかり信じ込んでしまった主人公がERの外科医だったもんだから、物語は最悪の結末を迎える。帝王切開で胎児を摘出しようというのである。これにはさすがのドゥーリフ博士も「いち抜けたあ」と退散。嫁は死に、胎児は逃げ出して、主人公は死刑を云い渡されるのであった.....。

 まったく救いようのないこの物語、すべてが心の病んだ主人公の妄想だったと考えると、余計に絶望的な気持ちになる。いったいどうしてこんな後味の悪い物語を書く気になったのか?。ゴードンの心境が知れない。


関連人物

ブライアン・ユズナ


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