ザ・ダーク 米 1979年 90分 カラー |
私はこの『ザ・ダーク』のような映画を「最後で台無し」と呼んでいる。つまり「最後で今までの物語を台無しにしてしまう映画」の意味だ。東京12チャンネルの『金曜スペシャル』で予告編を見て「面白そうだな」と思った私は、東劇までロードショーを観に行って、ラストで椅子から転げ落ちてしまった。 ロサンゼルスで怪事件が発生している。深夜に何者かが一人歩きの女性を狙って殺害し、これを焼き払っているのだ。当然に刑事は変質者の犯行を考える。映画前半は陰気な刑事ドラマに終止する。 この映画、当初は「浮浪者による連続殺人」の物語だったらしい。ところが、撮影半ばで『エイリアン』が大当り。そこで侵略SFものに内容が変更されたという、なんとも情けないシロモノで、こんな映画をロードショーで観てしまった我が身を恨む。 なお、当初の監督は『悪魔のいけにえ』のトビー・フーパーだったが、製作者と意見があわず、僅か3日でジョン・バッド・カードスというダメ監督に交替された、という曰くつきの作品でもある。 |