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クリーチャー
CREATURE

米 1985年 90分
監督 ウィリアム・マローン
脚本 ウィリアム・マローン
出演 クラウス・キンスキー
   ウェンディ・スカール
   ライマン・ウォード
   アネット・マッカーシー
   スタン・アイヴァー


 これは恋人と一緒に『悪魔のいけにえ2』との2本立を観に行って、
「あなたと映画観るとこんなのばっかり」。
 と呆れられた思い出のある作品。その償いとして『ミツバチのささやき』かなんかを観に行かされたが、退屈で退屈で、俺としちゃあ血が飛び散る『悪魔のいけにえ2』の方が好き。
 だけど、併映の『クリーチャー』の方は頭を抱えちゃうような迷作だった。「全米SF映画協会グランプリ」が売りだったけど本当か?。まんま『エイリアン』のパクリで辟易。怪物は顔こそトカゲ型だが、ペニスのように長い首と、背中の妙な突起物なんかチェストバスターそっくりで、
「もう少しなんとかならなかったのか?」。
 とデザイナーのセンスのなさに嘆いた。


 しかし、このたび再見して、物語のプロットは『エイリアン』ではなく『遊星よりの物体X』(カーペンターによるリメイクではなく、オリジナルの方)からの頂きであることを知る。出演者の一人もこんなことを口にしている。
「昔観た映画でこんなのがあったの。南極基地でニンジンの怪物に襲われて、電流を流して退治するの」
 ちゃんとネタばらしをしているのであった。
 で、その通りに電流を流してビリビリさせたけど、怪物は死ななくて「話が違うよお」ってのはギャグのつもりか?。
 要するに、『遊星よりの物体X』の舞台を宇宙船に置き換えて、『エイリアン』風に味つけしたのが本作の実態である。
 それと、怪物が犠牲者の頭に受信機を植えつけて、彼らを自在に操るってのは、ハインラインの『人形つかい』なんでしょうなあ。
(このあたりの「誰が敵だか判らない疑心暗鬼」の部分は、カーペンター版『物体X』のパクリにもなっている)
 結局、様々な既成作品のパッチワークにしか過ぎず、そんな代物にグランプリをあげた「全米SF映画協会」は大馬鹿野郎である。


 なお、本作のクラウス・キンスキーは、かなりキテる(左写真)。自分がいつ死ぬかも判らない極限状態だってえのに、女隊員の乳を揉み、ケツを撫でまわすセクハラぶりには呆気に取られる。
 彼のスケベっぷりを見るだけでも一見の価値はある。


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